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2026年4月5日日曜日

19世紀末の園芸施設:41. 給水 IV-1 軟水での給水と貯水

4月らしく、これからは給水の記事です。

こちらは、まとまった雨も降りましたが、まだ節水継続中です。

水道代の節約のためにも、年中、庭の水まきは工夫しなければと思います。

HORTICULTURAL BUILDINGS.  By F. A. FAWKES. (1881)

給水 Ⅳ-1 

給水は非常に広範な課題ですが、ここでは概略しか触れることができません。

給水には軟水の場合と硬水の場合の2種類があります。

軟水の方が硬水よりも園芸向きですが、庭師は硬水も扱わなければならないことがよくあるので、両方について少し触れておきましょう。


軟水での給水

露地の庭への散水、園芸用温室でのかん水、ボイラーへの給水、あるいは蒸発用などには、軟水すなわち「雨水」の方が硬水すなわち「地中水」よりも優れていることがよく知られています。

英国の降水量は地方によって大きく異なり、年間20インチ(508 mm)から70インチ(1778 mm)までと、幅があります。

カンバーランド地方のある地域では、年間135インチ(3429 mm) もの降雨量が記録されています。

しかし、英国の平均降水量を約30インチ(762 mm)とし、屋根で集水できる雨量を年間18インチ(457 mm)と見積もっても、それほど大きな間違いではないでしょう

(「気象」の項を参照)(ちなみに、日本の年間降水量は1700 mmくらいです。)

なぜなら、雨が屋根の傾斜よりも急な角度で降ったり、あるいは屋根面で雨水が吸収されたり蒸発したりするので、そういった毛細管現象による雨の損失は一定割合で発生するものだからです。

園芸においては、軟水の供給源として建物の屋根の雨水が不可欠です。

長期に晴天が続く事態に備え、少なくとも3か月分の雨水を屋根から集めておくのが賢明です。


貯水

屋根に降り注いだ雨水は、建物の大きさや管理者の意向に応じて、様々な方法で貯水されます。 

浴槽、樽、亜鉛か鉛で内張りされた木製タンク、亜鉛メッキ鉄製のタンク、セメントで固めたレンガ造りのタンク、あるいは井戸などが貯水槽として利用されます。

が、一般的には、ごく小規模な建物を除けば、コンクリート製タンクに勝るものはありません。

1万ガロン(38 m3)以上の容量のタンクとして、最も頑丈で安価、かつ実用的なのは、鉛直断面が半卵形をした円形のタンクで、しっかりと突き固めたコンクリートで作られ、上にコンクリート製のドームを持つものです。

頂部を一体のドームにすることが難しい場合は、中央に鉄柱を立て、そこから円周に向かうアーチを張ることで支えることができます。

このようなタンクはどんな横方向からの力にも耐える最適な形状であり、横方向に渡す壁(トラバースウォール)などで補強する必要がある上に角や隅からの漏水が常に起こりやすい大型の長方形のタンクよりもはるかに優れています。

軟水は埃、霜、日光から保護する必要があります。そうしないと(藻などの)植物が生えるからです。また、軟水を貯蔵するタンクは常に換気し、清掃用のマンホールを設けておく必要があります。

園芸用建物の内部で使用する水は、少なくとも使用前に一定期間、建物内の適切な場所に設置されたタンクに貯水しておくことが極めて重要です。そうすることで、水温を温室内の室温に近づけることができます。

この目的のためのタンク(ハウス内に置くタンク)は、セメント、コンクリート、または亜鉛メッキ鉄製で、木製の蓋で覆われたものです。水は雨樋を通って直接タンクへ入るようにするか、それが不可能な場合は、一般的な貯水槽からポンプで送水できるようにします。

前者(直接雨樋から流れ込むタイプ)の場合、オーバーフローパイプを設ける必要があります。さもないと、激しい嵐の時、ハウス内部が予期せず浸水してしまう危険があります。

タンクの容量を決定する際には、以下のデータが参考になるでしょう。

「1英ガロン(0.00454609 m3)あたり、華氏62度(摂氏17度)の蒸留水なら10ポンド(約4.5kg)が貯水できます。」

1立方フィートは6.24ガロン(約6.25ガロン)の容量に相当し、重さにすると62.425ポンド(約28.3 kg)です。

前述の平均降雨量に基づくと、長さ100フィート(30 m)、幅15フィート(4.5 m)の温室では、年間約2250立方フィート(64 立方メートル)の雨を集水できます。

したがって、3か月分の水を確保するには、貯水タンクの容量は560立方フィート(= 2250 x (3/12))、つまり約3500ガロン(= 560 x 6.25)以上のサイズが必要です。

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