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2023年12月10日日曜日

19世紀流栽培 料理用ハーブ12種:ウォルター・ニコルのキッチンガーデン

 料理用のハーブ12種類について栽培方法が手際よくコンパクトに解説されています。フレームやハンドガラスを使った促成栽培法が紹介されているのがうれしいです。

第5章 サラダ野菜とハーブの栽培 
第2節 料理用ハーブ

フレーム&ライト
HorticulturalBuildings(1881) より

ハンドガラス
(左は銅製、右は鋳物鉄製)
Encyclopaedia of Gardening(1826)より

バジル

この柔らかくエキゾチックな植物は、春に促成栽培するには人工的な暖房が必要です。 3月始め頃、ブドウか桃の温室の堆肥の穏やかな発酵熱が当たる場所にタネを蒔きます。または 19 ページで示したように、栄養豊かで軽い腐植土にタネを蒔きます。 そして、適時に日当たり良く肥沃な軽い土壌に、畝幅1フィート(30 cm)、株間3インチ(7.5 cm)で移植します。

この植物には、背の高いタイプと低木タイプの 2 種類があります。 両方ともスープなどに使用されます。風味が強く、需要が非常に高いです。

冬に使用するために保存する場合は、花が満開になったらすぐに刈り取り、開け放した小屋などで徐々に乾燥させます。


ボリジ

これは、ポットハーブとしても、冷たい飲料としても利用されます。

3〜6月に日当たり良く湿気のない場所に播種する必要があります。

昨年播種した場所でタネができるまで植えっぱなしにしていれば、翌年もこぼれタネで育つでしょう。 また、その種子は地中に長く眠っていてもタネの働きを保つことができるので、再び春を迎える際に、簡単に土を取り除かないようにしましょう。


フェンネル

種子から育てることも、根のスリップ(さしほ)によって殖やすこともできます。 あまり硬くない土であれば、伸び伸びと育ちます。 数株もあれば大家族でも十分です。


金盞花(カレンデュラ、マリゴールド)

春、2月中旬から5月上旬まで2~3回に分けて播種します。 花だけを利用します*。

*鮮やかなオレンジ色の花はライス、魚や肉のスープ、ヨーグルト、フレッシュチーズ、バター、オムレツ、ケーキや菓子パンを明るくしてくれますね。


マジョラム、セイボリー、タイム

3種とも栽培方法は同じです。

3月中旬か4月上旬頃に、日当たりが良く、軽い土壌の栽培ベッドにタネを蒔きます。

 草丈が数インチ(10〜20 cm)になったら、四方6インチ(15 cm)間隔になるよう間引きます。 または、9インチ(22.5 cm)または10インチ(25 cm)の条間で株間3インチ(7.5 cm)に移植します。 ノットマジョラム、またはスイートセイボリーが早めに欲しい場合は、上記のバジルの促成方法で少し育てることができます。

グリーンタイム、ポットマジョラム、ウィンターセイボリーは、必要に応じて、ハンドガラスやフレーム&ライトなどに入れることで、冬の間ずっと鮮度を保つことができます。 しかし、適切に乾燥させてスープやブロス(だし汁)などに入れても同じ効果があるので、 これはめったに実践されません。

ウィンターセイボリーを殖やすには、4 月か7 月または 8 月に軽く肥沃な土に株分したスリップを6インチ(15 cm)間隔で植えるのが最も一般的です。


ミント

スイートミントまたはスピアミントは、根付きのスリップ(さしほ)によって最も迅速に殖えます。

殖やす季節は3月か4月です。 9インチ(22.5 cm)または10インチ(25 cm)の条間で植えるか、4フィート(1.2 m)幅のベッドに植えることができます。 肥沃で軽いロームで最高の栽培ができます。

促成栽培したい場合は、アスパラガスのように、通常、フレーム&ライトかハンドガラスの下で、自然に発芽してくるまで畜糞の発酵熱で少し強制的に暖房してやるのが有効です。


セージ

この植物は、根分けか挿し木を屋内で育てて殖やします。 根分けは3月か9月に行います。 挿し木は5月から 8月までいつでも可能です。 セージはよく育ち、軽めの砂質ローム土壌の日当たりの良い場所なら冬でも生きています。 葉を冬に使用するには、花が満開になったら切り取って小屋などでじっくり乾燥させます。


ソレル


ソレル

ソレルはほとんどどこでも成長し、その後、土壌から簡単に根絶することもできません。

スリップ(さしほ)は3月あるいはいつ植えても元気に成長します。 フランス種と一般種のどちらも繁殖方法は同じです。


タンジーとタラゴン

これまで述べたことはタンジーとタラゴンにも当てはまりますが、タラゴンは湿気の多い環境だと冬に枯れてしまうことがあります。

2022年8月14日日曜日

Sorrell(ソレル(スイバ)):「The Gardeners Labyrinth」第39章

 ソレル(スイバ)とピンパーネルの章です。ピンパーネルはモリスの壁紙でお馴染みの小さくて愛らしい花ですね!一緒に描かれている大きい方の花は何でしたっけ?

woman's redの意味を知らなくて、意味不明の箇所がございます。

第2部7章 ガーデンソレル(スイバ)の播種と栽培で必要な技術や管理。


The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。
上図がソレル。下図はピンパーネル。


ガーデンソレル (スイバ)は、整えられていない土地でもよく発芽しますが、それでも種子は4月にまったく糞を施肥せずに整えた土に蒔きましょう。そして、うまく伸びてくるまで頻繁にたくさん水やりします。ソレルは水の近くに植えられるのを特に好みます。

そして、ソレルの種子を採りたい場合、庭師は本葉が出てきた後、移植して種子が完全に成熟するまで育てます。その後、完全に乾燥させた後、播種するまで保存します。

発芽したソレルは霜、寒さ、または過度の湿気に耐えることはできませんが、夏の間ずっとソレルを栽培ベッドにあるようにするには、庭主や庭師はソレルの上部を年に3〜4回カットします。(抽台しないように)

ガーデンピンパーネル(ルリハコベ)の播種と栽培管理も同様です。

薬草としてのソレルとルリハコベの薬効。

ハーブとしてのソレルは第3度の冷・乾気質に分類されます。このハーブを食べれば嫌悪感が取れ、肉への食欲を引き起こします。

酢で和えたソレルは、朝空腹時に食べればペストの予防剤となります。 葉を紙で包み、熱い残り火で焙煎し叩いてローズオイルを少し混ぜた後、腫れに塗れば短時間で腫れが解消します。

ソレル(スイバ)のタネを砕いて、水またはワインで飲めば、赤痢の危険な下痢、継続的な下痢のお腹の痛み、および胃の機能停止を和らげます。

ソレル(スイバ)の根を酢で煮たり、生で使ったり塗ったりすると、ハンセン病や白癬、荒れた爪を治すことができますが、暑い夏には、前もって、塩硝石と酢でその箇所をこすっておく必要があります。

お風呂で根の煎じ薬をやさしく体にこすり、しなやかにすると、根の煎じ薬は体の各部の痛みを抑えます。さらにワインで煮た根は耳と歯の苦痛や痛みを和らげてくれます。

多くの人は王の悪(結核、リンパ腺の結核性の腫れ)を取り除くため、その根を首にまといます。

オリーブオイルで調整したソレル(スイバ)の汁を頭にこすりつけると、異常な熱さ(熱中症)からくる頭痛が和らぎます。 

根をワインと一緒に煮て飲むか食べるかすれば、黄疸、肝臓や精巣の病の進行のような熱からくる症状を取り除きます。同じように飲んだり、根を砕いて秘密の場所にしっくいのように塗れば、女性の赤(?)を長びかせます。 

ワインで煮た種子は、お腹のすべての流れを正常に保ち、精巣の腫れを取り除きます.

ソレル(スイバ)の葉をよく潰して胸に塗ると、炎症熱を和らげます。

ガーデンピンパーネル(ルリハコベ)は、第2度の熱・乾気質に分類されます。このハーブは体の外面の不浄をすべて浄化するという点で、特に解毒に用いられます。

根をワインで煮て飲むと、心臓からの邪悪で有毒な血を取り除きます。そういった疫病は容易に進行します。同様に、根を煮たワインを飲めば、頭痛を止めてくれます。

人が頭蓋骨に傷を負った場合、このハーブのジュースを傷に落として塗布すると、短時間で回復し、苦痛なく同様に治癒します.

これを潰瘍やその他の傷に落とせば、それらを治します。

試しに、おんどりを捕まえてナイフで頭蓋骨をたたきますが、突き刺さないようにします。この薬草の汁をとった後、傷口の中に 2 ~ 3 滴垂らし、すぐに傷口の上にもつけます。

このハーブにロケットの種子と酢を混ぜて飲むと、汗をかき、有毒で邪悪な体液を追い出します。このハーブをワインと一緒に煮て飲むと、腰の病気が良くなり、特に悪い咳に効き、乳房をきれいにします。

このハーブをワインで煮て食べれば、腎臓と膀胱の結石を壊し、有痛性排尿困難を治癒します。

同じ方法により、腸の突然の激しい痛みにも効果が得られます。

しかし、これは特に肝臓と精巣の機能不全に対して役に立ちます。

ピンパーネルは、簡単に言えば、結石を和らげ、利尿を促し、有痛性排尿困難を和らげ、乳房を浄化し、そして、疫病の毒を心臓から追い出してくれるハーブです。

沸騰させたそのジュースをマラリアの発作を起こす前に飲むと、どんな発熱も直してくれます。

また、根はショウガのように砂糖または蜂蜜で砂糖漬けにでき、上記の病気に対して同様の効果が得られます。

茹でたピンパーネルは、繰り返し起こるマラリアに効果があります。マラリアは3日ごとに発作が起こるので、発作の前にこのハーブジュースを飲むようにします。

肺の治療に関する価値ある試みとして、非常に細かい粉末にしたピンパーネル2オンス、新しいピンパーネルの蒸留水およびひと吹き分の砂糖を舐め薬にし、毎日2ドラム服用します。

ソレルとピンパーネルの蒸留水により推奨される治療。

ソレルは、春に植物体全部を蒸留します。

糖蜜で調整されたその蒸留水は疫病を撃退します。 

その蒸留水を飲めば、あらゆる種類の体内の熱が取り除かれ、喉の渇きが止まります。飲んだり亜麻布に浸して使うことによって肝臓と精巣?を治癒します。

塗ったり飲んだりすれば帯状疱疹を取り除き、やけどや燃焼を和らげ、王の悪(結核、リンパ腺の結核性の腫れ)を治癒します。

マラリアの場合、燃えるような熱を冷ましたりします。

根とハーブ全部を一緒に細断して潰したものを5月末に蒸留します。 

ピンパーネルの蒸留水は、1回につき 3 ~ 4 オンスの量を朝晩飲めば、腎臓と膀胱の結石を和らげ、雨?を浄化します。

1回6日まで飲むと、疫病に効果があります。

常に冷えた(冷え性の?)妊娠中の女性に効果があり、赤を送ります。これに微粉末のカストリー(海狸香の赤褐色の着色剤)を少量加えて飲めば、そういった人の震えを和らげてくれます。

これを4 オンスの量まで空腹で飲むと、あらゆる種類の悲痛が心から取り除かれ、邪悪な体液が追い出され、尿が作られるという点で、あらゆる自然の病から人を守ります。

これを飲めば毒に対して効果があるのと同様に、もししばらくの間、毎日顔や手を洗い続けると、 綺麗な肌と良好な顔や手になります。

[近況] ”自然に還る”のキッチンガーデン:かすかに秋の気配

 9月に入っても35℃超え、最低気温も27℃と暑いです。 ただ、熱湯の中にいるような空気感は、日陰で風があれば、やわらいできたような。。。いや、単に、自分が暑さに順化しただけかも(笑) 夕方なら草刈りする気力が、ようやく戻ってまいりました。暑さで弱っている雑草は比較的抜きやすいで...