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2023年7月5日水曜日

19世紀流栽培キャベツ:ウォルター・ニコルのキッチンガーデン

 キャベツは日本で春蒔き、夏蒔き、秋蒔きがあり、連続栽培できますが、本節もほぼ同様。気温が20±5℃ならいつでも生育するってことで。

第4章 キッチンガーデンの野菜の栽培 
第7節 キャベツ

キャベツは、どんな種類の土壌の菜園でもたくさん収穫できます。 しかし最も適しているのは、深さが18 ~ 24 インチ(45 - 60 cm)ある粘性の強いローム土です。

この作物はマメ科植物を植えて収穫した後のような肥沃になった土地で育てる必要があります。

軽い砂質土壌などの場合は牛糞、豚糞、あるいはローム泥灰土を混ぜて肥沃にします。

粘性の強いロームの場合は、馬糞、海草、または貝殻泥灰土を単独、あるいはこれらすべてを混合したもので肥沃にします。またはこれらと羊の糞、鳩の糞、腐食野菜残渣、または何らかの種類の灰を混ぜた物で肥沃にします。

粘性土の場合は、厩肥、海草、貝殻泥灰土、または羊糞を単独で、または石灰、厩肥、海草、鳩の糞、および腐食野菜残渣の混合物、または貝殻泥灰土、厩肥、海藻、 なんらかの種類の灰と腐食野菜残渣野菜、あるいは上記の肥料のいずれか 2つ以上を使って肥沃にします。

このように土壌に応じて施肥すれば、カリフラワー、葉物野菜、サボイなどでも同様の効果が得られます。

キャベツには多くの園芸品種があります。 しかし、菜園で最も好まれているのは早生の矮性種、早生ヨーク、早生のシュガーローフ、晩生のシュガーローフ、バターシーです。ピクルス用には赤い種類(レッドキャベツ)が好まれます。 そして牛の飼料用には巨大なオランダ種が栽培されます。

早生種の場合は、ドワーフ、ヨーク、アーリー シュガーローフ、またはバタシー (ただし、本物のアーリー ヨークが好ましい) を、8 月の第 1 週か第 2 週頃に明るい開けた場所に蒔きます。 そして10月初め頃、周囲1フィート(30 cm)の距離を空けて促成用のボーダーかその他の暖かい場所に苗を植えます。一般に春にほしくなる生食用にその1列を収穫することができます。 ほかは成熟するまで残しておくことができます。 そして、連作する場合は、同じ品種の同じ方法で育苗した苗を同じ場所または似たような場所に2月の初めか中旬頃、周囲18〜20インチ(45 - 50 cm)の距離を空けて定植します。

これに続けて連続栽培するには、2 月 初めから 6 月 初めまで、3 ~ 4 週間毎に明るい開けた場所に、上記の品種のいずれかを播種します。 そして、必要に応じて、土壌の種類と質に応じて、18〜24インチ(45 - 60 cm)の距離をとって、開けた自由な場所に定植します。

赤い品種(レッドキャベツ)は8月か2月に播種します。そして 10月か4月に、開けた場所に2フィートの間隔をとって定植します。

飼料用の広葉のオランダ種は9月初め頃に種を蒔き、3月に苗を植え付けるスケジュールです。 または2月の初めにタネをまいて4月に定植します。 よくひらけた場所に30インチ(75 cm)の間隔をとって植えます。

最後の 2 品種(レッドキャベツと広葉のオランダ種)は、通常、冬と春に使用するために霜の時期も植えたままになりますが、茎が長いため厳しい霜によって頻繁に大きな損傷を受けます。両品種とも霜や雨が浸み込むことによる悪影響から守るために、斜め方向に寝かせる必要があります。 雨が浸み込むと成長点が腐ってしまいます。

2022年7月3日日曜日

Colewort(キャベツ)2/2:「The Gardeners Labyrinth」第33章後半

 16世紀のコレヴォルト(キャベツ)は、私たちが食べているキャベツより野生的で風味や機能性成分が強烈だったのでしょう。りっぱな薬草扱いです。

ハーブも人も、暖冷・乾湿で気質がそれぞれ4段階に分類されていたようで、人体や生物の知識に乏しかった当時は精一杯の処方指針だったのでしょう。

いろいろな処方が書かれていますが、私は熱っぽい時にキャベツの葉を柔らかく煮たスープを食べるくらいかな?

西洋ハーブのことを何も知らないので、以下、意味不明な訳が多々あります。ごめんなさい。

コレヴォルトの薬草としての効果と秘訣

コレヴォルトは薬草として非常に多くの特性を持っています。ピタゴラス、M. カト、クリシプス、デューシュなど多くの人々が古代の特別な書物にコレヴォルトの薬効を記しました。これらの書物(現存するものはありません)のうち、M. カト とプレニーの記録が残っています。 したがって、コレヴォルト(とその最大の価値)についていくつかの薬効を以下に述べることといたしましょう。

まず、M. カト は、コレヴォルトは(4分類のうちの)第2度の冷えと湿気の気質を持つハーブで、水を硬水にし、数滴で非常に早く冷やすので、薬として利用されていると書いています。コレヴォルトのきれいに摘み取った葉を熱湯に入れて、しばらくの間様子を見て、まだ半分生であるところに煮汁を注ぎ、次に油と塩を適度な量加えます。 クミンを少し入れて、全体をしばらく煮てから火からはずして冷やし、肉か何かからとったスープにして飲み干し、コレヴォルトの葉は柔らかくなったら直ちに食べます。患者が苦しんでいる間、毎日これを続けます。

あらゆる種類の潰瘍や腫れに対して、ギリシャ人がCrambe(κράμβη, a kind of cabbage)と名付けたコレヴォルトの特に小さな茎と柔らかい葉をすりつぶして使用します。(16世紀の)私たちはコモンコレヴォルトを使っています。それは潰瘍の痛みを一掃して短時間で元気にしてくれます。そのような薬効は他の薬草には見当たりません。 ただし、患者に処方する前に、たっぷりの温水で念入りに患部を洗い、上記のCrambeコルヴォルトかコモンコレヴォルトのすりつぶしたものを日に2回塗るか当てます。関節のゆるみや打撲傷、潰瘍、女性の胸の潰瘍なども効果的に治すことができます。

潰瘍が非常に柔らかく、コレヴォルトの鋭い刺激にがまんできない場合は、大麦の粉を混ぜて処置するのが、関節の病気に勝つひとつのシンプルな方法です。 生のコレヴォルトがうまく処方されるように、関節の痛みには、コレヴォルトを細かく細かく刻んで、ルーとコリアンダー、または1単位の穀類または2単位の塩と大麦の粉をオキシメル(酢と蜂蜜の調製品)と完全に混合して朝と夕方に塗ります。

ほとんど熱か打撲がない場合は、とM. カトは言っています。ワインと一緒にコレヴォルトをきつく絞って受け皿で温めた後、耳にそっと落とせば短時間で患者は効果を感じるでしょう。 これらの処方についてM.カトは、特にクリスプタイプのコレヴォルトを使っていましたが、その次に使っていたものは大きな葉と大きな茎を持つ薄いタイプのコレヴォルトです。

カトが農業書で記した薬効と、偉人プリニーが記した薬効についてさらに書くにあたり、私はここでコレヴォルトはギリシャ人にとって特に価値のある薬草であったことを記しておきましょう。最初に彼らはコレヴォルトの煎じ薬を心地よいワインとともに飲むことで、女性の月経不順に使用したことを報告します。この飲み物を上質な蜂蜜と念入りに混ぜ合わせたものも同じ効果がありました。目を治すために、それを点眼しました。

毒のあるキノコを食べた人がコレヴォルトのこの飲み物を飲むめば、驚くほど効果があるでしょう。

また、コレヴォルトは体に強力な栄養をもたらすことも無視できません。しばらくの間コレヴォルトを食べた子供たちは、よりスピーディーに大人になります。

(彼らが報告しているように)この飲み物を白ワインと一緒に?日飲むと、偉人パクサムスが(彼の農業書の中で)確認しているように、脾臓と黄疸の両方の病気を治します。 彼の報告によると、3パーツ(単位?)のコレヴォルトは、2パーツの酢に浸した丸いミョウバンで、汚い?やハンセン病を浄化します。 コレヴォルトを茹でて飲めば、声や動脈の辛さを和らげます。そのため、多くの学生がコレヴォルトを望んで使用しています。

またタネと葉を使って、シルフィウム(古代にあった種類、現存する種類とは異なる)と酢を入れて砕き潰たものは犬と狂犬両方のの咬傷に当てると完全に治ります。

そして、蒸留または頭からかけることによって、口蓋垂またはのどにとげがささった場合、生のコレヴォルトジュースを頭に処方すると、短時間で回復するでしょう。 適切な場所にこれを持続することは非常に価値ある秘訣です。

偉人ディオスコリデスが書いているように、ワインと一緒に生のコレヴォルトのジュースを飲むと、蛇やヨーロッパクサリヘビの咬傷に効果があり、このジュースにフェニグリークの粉と酢を混ぜ合わせたものを塗るか、石膏のように塗り固めることで、痛風、関節の病気、不潔で古い潰瘍を効果的に治します。 このジュースはまた、鼻から吸い込んだり吸引したりすれば、頭を非常にスッキリさせます。ダーネル(ヨーロッパライグラス)の粉とともに分泌物の場所に塗れば、赤や期間(月経?)を縮小します。

葉のジュースを単独で、あるいは大麦の粉と一緒に叩いて混ぜたものは、短時間で炎症を修復し、大きな腫れを緩和し、塩を入れたものも癤を壊し、頭頂部の抜け毛を防止します。

脾臓の病気の人が、酢と一緒に生で食べれば効果があります。蜂蜜と混合して沸騰させたものは消化器の潰瘍やその痛みを非常に和らげてくれます。

根と一緒に燃やした(またはかなり熱い薪でローストした)緑の茎は、古い手押し車のグリースとうまく混合した後、石膏のように毎日の痛む鼠径部に塗布すると、短時間で痛みを和らげてくれます。

コレヴォルトのジュースをローズオイルと混合して額にあてれば、太陽の熱によって生じた頭痛(熱中症の頭痛)を取り除きます。 茹でたコレヴォルトにアーモンドの油と甘いザクロのジュースを混ぜたものは短時間で乾いた咳を和らげます。

(確かな熟練した医者の意見に従えば、)コレヴォルトは消化が困難であることが明らかです。腹を膨らませ、粘液質を傷つけ(体液を増加させることを意味します)、血のコースを持つ(月経の?)女性に害を及ぼします。 コレヴォルトが体液や血といった流れを増加させるからです。

湿った気質のお腹を乾いた気質に変えたいなら、(前もって最初にコレヴォルトをすっかり水に漬けてゆでておき)その水を半分にして、新たに温水をすばやく注ぎます。コレヴォルトが再び沸騰して柔らかくなるまで再び煮ます。そして少量のコショウと塩で味付けして食します。ただし、これをお腹をゆるめるために使用したい場合は、これは賢明な方法ではありません。その場合は、最初の熱い煮汁からコレヴォルトを取り出した後、油と少量の塩を用意して熱くておいた鍋に移し、もう一度煮立たせる必要があります。

コレヴォルトの蒸留水のお勧めの効能

当時の蒸留器

グリーンコルヴォルトとコモンコレヴォルトの葉は、6月の初旬の晴れた適切な時期に蒸留されます。

この蒸留水は朝と夕方に1回につきに3オンス(約90cc)の量までなら、女性の赤(月経?)を正常に保ちます。 出産の時期が近づいたときに、コレヴォルトの蒸留水で濡らした布を頻繁に鼻にあてて嗅ぐと、出産に役立ちます。それによって、彼女は幸せに出産することができます。 同様の量を飲むと排尿を助けます。そして、朝と夕方に一回につき3オンス(約90cc)までの量を飲むと、ゆるいお腹のままになります。

赤いコレヴォルトの蒸留水の薬効

集めた赤いコレヴォルトの葉は5月末に蒸留します。

朝早くにこの水を一回につき6〜7オンス(約170〜200cc)までの量飲めば、硬い腹を柔らかくし、一度に3オンス(約900cc)飲んだ場合は(1か月の間)、頭のめまいを解消します。この水は 卒中や手足など身体の一部のけいれんに効果があり、飲むかその箇所に塗ります。手足などふるえのある箇所をこの水で頻繁にこすり乾わかすと症状を和らげます。

赤いコレヴォルトの蒸留水で濡らしたリネンの布を炎症箇所に当てれば、熱を下げ、腫れを解消します。定期的に飲めば、身体の内外の潰瘍を癒します。朝と夕方の両方でリネンの布を当てれば潰瘍がなくなります。

2022年6月21日火曜日

Colewort(キャベツ)1/2:「The Gardeners Labyrinth」第33章前半

「ガーデナーズ ラビリンス」の第33章〜の第2部は作物ごとの解説シリーズになっていて、最初にとりあげられているのはコレヴォルト(キャベツ)です。キャベツは日本では明治になって流通するようになる新しいヤサイですが、ヨーロッパでは野生の原種が地中海岸の崖に自生する、古代より大変馴染み深いヤサイです。

焼き鳥屋さんでは生キャベツ(私が若かった頃はレモンと塩添えで)がつきものですが、その風習は古代ローマからもたらされた?(笑・冗談)とうっかり思ってしまいそうな記述もありますよ。

2−1(33章) Colewort(コレヴォルト、キャベツ)の播種と頻繁な移植に際し知っておくべき助言と秘訣。

農業に詳しいマルクス・カトは、どの葉菜類(ポットハーブ)よりもコレヴォルトを優先しました。学識者プリニーも同様に、すべての菜園ヤサイ(ガーデンハーブ)のなかでコレヴォルトを最優先すべきものとしています。そのため、木の枝のように力強い茎や葉柄を持ち、ラテン語でコレヴォルト(colere:耕す+ wort:植物)と名付けられたこのヤサイを最初の作物としてとりあげましょう。

この植物は糞を入れた肥沃な土壌を好みます。時々の降雨による洪水が役立つことはありますが、粘土、砂利あるいは砂といった土壌は栽培に向きません。

コレヴォルトは南向きの土地に植えると良く繁茂しますが、北向きの土地ではあまり多くの収穫は期待できません。けれども、北向きの場所で耐えて育ったものは味と強さを兼ね備えていて、冷たい空気と霜を通して柔らかくて風味の良いヤサイ(ハーブ)になります。

偉人ルティリウスが指摘したように、コレヴォルトは丘の斜面や傾斜地を好み、糞を好み、頻繁に雑草を除草することでよく育ちます。葉が6枚出たら間引かないといけません。間引いた所に残した苗の根は、土が再び落ち着くまで、柔らかい(ま新しい)牛糞があればそれに悩まされます。冬作の場合は暖かい日に牛糞を整えておく必要があります。逆に夏作の場合は太陽が西へ下がっていくような時間(夕刻)に整えます。

最も古代のギリシア人は、コレヴォルトをわずか3種類だけに分類しました。クリスプな(パリっとした)ものは Selinoideaと名付けました。パセリの葉のように葉に縮みのあるものはLean、茎が伸びずに葉が成長する広葉のものはCaulodenと名付けました。

そして、Crabと名付けられたものは、その名の通り、より薄い葉がとても密集した球になります。



左から順に、ワイルドコレヴォルト、パセリコレヴォルト、ガーデンコレヴォルト
The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。

コレヴォルトはその株に毎日太陽光がよく当たる土地であれば大きく育ちます。

特筆しておくべきは、「long or green」と名付けられた一般的なコレヴォルトは、8月中旬または9月の初め以降に播種すべきということです。そうすれば、冬と春に大きな葉へ成長し収穫できます。

農民庭師や庭主は、10月にコレヴォルトの若苗を植え12月に移植することで、厳しい冬に葉を収穫します。6月と7月にタネを蒔き、大きな房に成長させることもできます。 それは、あまり美味しくはありませんが、一年のほかの季節のものと同様、やわらかめの葉となります。

タネは古くならないように注意してください。古いと本来と異なる姿になってしまいます。

そういったタネは、報告によれば、蒔くとセイヨウアブラナやアブラナ属の小さなカブになってしまいます。

6年間タネを保存する場合は、注意深く保存する必要があります。

マルクス・ヴァロによれば、コレヴォルトのタネを塩類の多い場所に蒔き、葉が3枚出てきたら硝石または塩土の粉をそのうえに霜が降る程度ふりかけます。このように栽培管理すれば長年保存されたタネでも柔らかくておいしい葉になります。プラクサムスはギリシャの農業書において、こういった栽培方法が確立されていることを述べています。

硝石の代わりに灰を使用することもありますが、これは(果実や葉、蕾を食害する)蛾や蝶の幼虫の駆除にも効果があります。これらの害虫は庭によってはコレヴォルトに大きな被害を及ぼし枯らしてしまいます。

コレヴォルトは煮て沸騰させるとより早く柔らかくなります。また、根を海藻の小さな葉3枚を重ね合せたもので包み再び土に植えれば 硝石を撒かなくても緑色を保つと、偉人コルメラは報告しています。

Reyte(網?)または海藻を移植の際に茎の下に置きっぱなしにしても同じ効果が得られ、煮ると繊細で柔らかい葉になります。煮る前のコレヴォルトは油と塩にいっとき浸しますが、煮る際にはコレヴォルトに含まれる亜硝酸や塩類物質を除くために少量の塩を入れて沸騰させます。

コレヴォルトは全体を土に突っ込んで、土中で葉の上に土を置き、茎のどの部分もむき出しにしないようにすれば、大きくて味の良いものができます。 伸びて土から離れるのに合わせて株の高さまで土を寄せ続け、外側の葉は切り取り、葉の上部だけが地上に見えるようにします。

コレヴォルトは頻繁に草取りして、糞をうまくワックスのように地面に上掛けすると丈夫になり、収量が増え、葉が柔らかくなります。(前述したように)コレヴォルトは一年中収穫することができます。飼料としても播種できますが、その場合は刈り取ってはいけません。若いコレヴォルトの柔らかい上部はサラダ用に重宝されます。それはやや熱くしてオイルと塩をかけて食します。

夏の乾季の後、雨が降ったら、庭主は腐敗した葉を引き抜いたり腐敗した株を更新します。

コールキャベツまたはホワイトキャベツは、栽培ベッドに厚めにタネ蒔きする場合がありますが、確実に葉が出た後、整備した栽培ベッドに半ヤード(約45cm)の深さで移植すれば、特に大きな茎や株に成長します。 それは厳しい霜によって柔らかくおいしくなり、わらで覆えばキャベツのヘッド(頭部)は丸く白くなります。

ホワイトキャベツ
The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。


しわくちゃでクリスプなロメインキャベツは柔らかく繊細なので、3月に播種し、その年のしかるべき時期に収穫します。必要に応じて常に水やりします。

庭師や庭主がコレヴォルトの葉が枯れるか黄色になったのを見かけたら、それはいつでも水不足のサインです。水不足が起これば葉は黄色になり、穴が空いたりレース状になったり、あるいはカサカサに乾いて必然的に弱くなって枯れてしまいます。

農夫や庭主が柔らかくておいしいコレヴォルトを育てたいなら、(前述のように)移植の際外側の葉を取って内側の葉を成長させます。そうすると外側の葉がある場合よりも味や風味が良くなります。 

赤いコレヴォルトは、(発酵中の)熱い糞をたくさん与えるか、水かワインの灰汁で十分に湿らせるか、あるいは太陽が毎日長時間当たる暑い場所に植えれば自然に成長します。

赤いコレヴォルト
The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。


管理や収穫の際、パリッとしたロメインなどの株は決して頂部だけを採取しないでください。常にヘッド(頭部)や上部から下の厚い葉を収穫します。

どの系統や種類のコレヴォルトも外気と土壌が寒くも暑くもないなら、どの季節にも植えることができます。 ディバー(点蒔き棒)で作った穴に移植する際、少なくとも根の先端をカットして植え付けるようにします。植え付けの際に根が折れたり曲がったりすると根は大きく傷つくからです。

大きな、成長した苗を選んで移植すれば根の定着はゆっくりですが、力強く成長します。 

この根にとって、柔らかい(生の)糞や川の泥を土に塗ったり置いたり混ぜたりすることは望ましくありません。一般的に乾いた土壌が適切であり、好みます。外側の葉が枯れても優しい雨が降れば活力が戻ります。 

前に言ったように、若いコレヴォルトに塩水で水やりして柔らかくする人もいます。 


(自然界の比類のなき検索者である)プリニーによれば、土鍋などの容器は毎日水を沸騰させることで、とても早く容器表面のクラスト(余分な焼成殻)にヒビを入れたり、容器の側面内部まで焼き付けることができます。素焼きの容器でもその効果は同じですが、この容器でコレヴォルトを煮ると、すぐに簡単にクラストを落とすことができます。

アテナイオスは、コレヴォルトはいかなる場合でもブドウの木の近くに植えたり播種したりしてはならず、ブドウの木も同様にコレヴォルトの近くに植えるべきではないと書いています。 この2つの植物が1つの区画にあると(テオプラストスの証言のように)互いに成長を妨げ合います。互いに避け合うため、ブドウのツルはコレヴォルトに向かって伸びるのではなく、コレヴォルトを避けて曲がりくねります。そのためブドウの収量も少なくなります。

これと同様に、樽(Butte)や 大樽(Hogg sheade)のワインにコレヴォルトを入れると味も風味も損なってしまいますが、それにビートの葉を浸ければ再び味が回復する(とプリニーは断言しています)。 

その記述や証明によれば、知の偉人アンドロシデスは(プリニーが書いているように)、コレヴォルトは酔っぱらいに対して大いに役立つと報告しました。そのうち、ワインを非常に愛飲するエジプト人の間では肉と一緒にコレヴォルトを煮ることが現在一般的に行われていると書いています。そのように調理されたものを食べればワインを飲んだ後の不快な辛さ(二日酔い)に備えることができます。

プラクサムス(ギリシャの農業書の著者)によれば、少量のワインをコレヴォルトの沸騰した煮汁に一滴ずつ注げば、沸騰後も(二日酔いを癒す)力を発揮する汁となります。

大酒飲みが集ってワインをたくさん飲む場合、飲む前に肉と一緒に生のコレヴォルトを一定量、前もって食べておくべきでしょう。

この問題について、宴会でたくさんのワインを飲み、好きなだけ食事をとった古代ローマの偉人(M. カトー)の言を聞いてください。「食事の前に大量の生のコレヴォルトを上質の酢で食べて、食事に臨んでは生の葉5枚を食べれば、食べたり飲んだりしていなかった人のように好きなだけ飲むことができる。」

ワインとこのヤサイの素晴らしい関係は前述しましたが、 M.ヴァロの書物の中でアグリウスが指摘したことにも通じています。


また、コレヴォルトは、オレガノ(または野生のマジョラム)、ルーやソーブレッド(ユーラシア大陸南部に自生し、淡いピンクか白い花を持つシクラメン)の近くに植えてはいけません。それらは乾燥気質で、 コレヴォルトの成長を邪魔し、しおれさせます。従って、コレヴォルトの近くに播種または植えるべきは、他の非常に湿った気質のハーブが大変有効です。 同様に、湿った気質のハーブの近くにラベンダーを植えてはいけません。大根と同様、その中に含まれる特有の酸性物質や刺激物質を通して、近くで成長している湿った気質の柔らかい植物を燃やすからです。

アテナイオスによる有用な記録もあります。(昔)アテネでは問題が起きないように懐妊中の女性にはコレヴォルトを肉と一緒に出さなかったと報告しています。

コレヴォルトの灰でも同様の問題を生じます。灰をひと匙水に溶かしたものは(前述のように)亜硝酸物質を含み、煮沸が不十分なままの煮汁(ここでのちほど説明します) にするとお腹を緩くします。

長いので後半に続く。


[近況] ”自然に還る”のキッチンガーデン:かすかに秋の気配

 9月に入っても35℃超え、最低気温も27℃と暑いです。 ただ、熱湯の中にいるような空気感は、日陰で風があれば、やわらいできたような。。。いや、単に、自分が暑さに順化しただけかも(笑) 夕方なら草刈りする気力が、ようやく戻ってまいりました。暑さで弱っている雑草は比較的抜きやすいで...