2022年7月3日日曜日

Colewort(キャベツ)2/2:「The Gardeners Labyrinth」第33章後半

 16世紀のコレヴォルト(キャベツ)は、私たちが食べているキャベツより野生的で風味や機能性成分が強烈だったのでしょう。りっぱな薬草扱いです。

ハーブも人も、暖冷・乾湿で気質がそれぞれ4段階に分類されていたようで、人体や生物の知識に乏しかった当時は精一杯の処方指針だったのでしょう。

いろいろな処方が書かれていますが、私は熱っぽい時にキャベツの葉を柔らかく煮たスープを食べるくらいかな?

西洋ハーブのことを何も知らないので、以下、意味不明な訳が多々あります。ごめんなさい。

コレヴォルトの薬草としての効果と秘訣

コレヴォルトは薬草として非常に多くの特性を持っています。ピタゴラス、M. カト、クリシプス、デューシュなど多くの人々が古代の特別な書物にコレヴォルトの薬効を記しました。これらの書物(現存するものはありません)のうち、M. カト とプレニーの記録が残っています。 したがって、コレヴォルト(とその最大の価値)についていくつかの薬効を以下に述べることといたしましょう。

まず、M. カト は、コレヴォルトは(4分類のうちの)第2度の冷えと湿気の気質を持つハーブで、水を硬水にし、数滴で非常に早く冷やすので、薬として利用されていると書いています。コレヴォルトのきれいに摘み取った葉を熱湯に入れて、しばらくの間様子を見て、まだ半分生であるところに煮汁を注ぎ、次に油と塩を適度な量加えます。 クミンを少し入れて、全体をしばらく煮てから火からはずして冷やし、肉か何かからとったスープにして飲み干し、コレヴォルトの葉は柔らかくなったら直ちに食べます。患者が苦しんでいる間、毎日これを続けます。

あらゆる種類の潰瘍や腫れに対して、ギリシャ人がCrambe(κράμβη, a kind of cabbage)と名付けたコレヴォルトの特に小さな茎と柔らかい葉をすりつぶして使用します。(16世紀の)私たちはコモンコレヴォルトを使っています。それは潰瘍の痛みを一掃して短時間で元気にしてくれます。そのような薬効は他の薬草には見当たりません。 ただし、患者に処方する前に、たっぷりの温水で念入りに患部を洗い、上記のCrambeコルヴォルトかコモンコレヴォルトのすりつぶしたものを日に2回塗るか当てます。関節のゆるみや打撲傷、潰瘍、女性の胸の潰瘍なども効果的に治すことができます。

潰瘍が非常に柔らかく、コレヴォルトの鋭い刺激にがまんできない場合は、大麦の粉を混ぜて処置するのが、関節の病気に勝つひとつのシンプルな方法です。 生のコレヴォルトがうまく処方されるように、関節の痛みには、コレヴォルトを細かく細かく刻んで、ルーとコリアンダー、または1単位の穀類または2単位の塩と大麦の粉をオキシメル(酢と蜂蜜の調製品)と完全に混合して朝と夕方に塗ります。

ほとんど熱か打撲がない場合は、とM. カトは言っています。ワインと一緒にコレヴォルトをきつく絞って受け皿で温めた後、耳にそっと落とせば短時間で患者は効果を感じるでしょう。 これらの処方についてM.カトは、特にクリスプタイプのコレヴォルトを使っていましたが、その次に使っていたものは大きな葉と大きな茎を持つ薄いタイプのコレヴォルトです。

カトが農業書で記した薬効と、偉人プリニーが記した薬効についてさらに書くにあたり、私はここでコレヴォルトはギリシャ人にとって特に価値のある薬草であったことを記しておきましょう。最初に彼らはコレヴォルトの煎じ薬を心地よいワインとともに飲むことで、女性の月経不順に使用したことを報告します。この飲み物を上質な蜂蜜と念入りに混ぜ合わせたものも同じ効果がありました。目を治すために、それを点眼しました。

毒のあるキノコを食べた人がコレヴォルトのこの飲み物を飲むめば、驚くほど効果があるでしょう。

また、コレヴォルトは体に強力な栄養をもたらすことも無視できません。しばらくの間コレヴォルトを食べた子供たちは、よりスピーディーに大人になります。

(彼らが報告しているように)この飲み物を白ワインと一緒に?日飲むと、偉人パクサムスが(彼の農業書の中で)確認しているように、脾臓と黄疸の両方の病気を治します。 彼の報告によると、3パーツ(単位?)のコレヴォルトは、2パーツの酢に浸した丸いミョウバンで、汚い?やハンセン病を浄化します。 コレヴォルトを茹でて飲めば、声や動脈の辛さを和らげます。そのため、多くの学生がコレヴォルトを望んで使用しています。

またタネと葉を使って、シルフィウム(古代にあった種類、現存する種類とは異なる)と酢を入れて砕き潰たものは犬と狂犬両方のの咬傷に当てると完全に治ります。

そして、蒸留または頭からかけることによって、口蓋垂またはのどにとげがささった場合、生のコレヴォルトジュースを頭に処方すると、短時間で回復するでしょう。 適切な場所にこれを持続することは非常に価値ある秘訣です。

偉人ディオスコリデスが書いているように、ワインと一緒に生のコレヴォルトのジュースを飲むと、蛇やヨーロッパクサリヘビの咬傷に効果があり、このジュースにフェニグリークの粉と酢を混ぜ合わせたものを塗るか、石膏のように塗り固めることで、痛風、関節の病気、不潔で古い潰瘍を効果的に治します。 このジュースはまた、鼻から吸い込んだり吸引したりすれば、頭を非常にスッキリさせます。ダーネル(ヨーロッパライグラス)の粉とともに分泌物の場所に塗れば、赤や期間(月経?)を縮小します。

葉のジュースを単独で、あるいは大麦の粉と一緒に叩いて混ぜたものは、短時間で炎症を修復し、大きな腫れを緩和し、塩を入れたものも癤を壊し、頭頂部の抜け毛を防止します。

脾臓の病気の人が、酢と一緒に生で食べれば効果があります。蜂蜜と混合して沸騰させたものは消化器の潰瘍やその痛みを非常に和らげてくれます。

根と一緒に燃やした(またはかなり熱い薪でローストした)緑の茎は、古い手押し車のグリースとうまく混合した後、石膏のように毎日の痛む鼠径部に塗布すると、短時間で痛みを和らげてくれます。

コレヴォルトのジュースをローズオイルと混合して額にあてれば、太陽の熱によって生じた頭痛(熱中症の頭痛)を取り除きます。 茹でたコレヴォルトにアーモンドの油と甘いザクロのジュースを混ぜたものは短時間で乾いた咳を和らげます。

(確かな熟練した医者の意見に従えば、)コレヴォルトは消化が困難であることが明らかです。腹を膨らませ、粘液質を傷つけ(体液を増加させることを意味します)、血のコースを持つ(月経の?)女性に害を及ぼします。 コレヴォルトが体液や血といった流れを増加させるからです。

湿った気質のお腹を乾いた気質に変えたいなら、(前もって最初にコレヴォルトをすっかり水に漬けてゆでておき)その水を半分にして、新たに温水をすばやく注ぎます。コレヴォルトが再び沸騰して柔らかくなるまで再び煮ます。そして少量のコショウと塩で味付けして食します。ただし、これをお腹をゆるめるために使用したい場合は、これは賢明な方法ではありません。その場合は、最初の熱い煮汁からコレヴォルトを取り出した後、油と少量の塩を用意して熱くておいた鍋に移し、もう一度煮立たせる必要があります。

コレヴォルトの蒸留水のお勧めの効能

当時の蒸留器

グリーンコルヴォルトとコモンコレヴォルトの葉は、6月の初旬の晴れた適切な時期に蒸留されます。

この蒸留水は朝と夕方に1回につきに3オンス(約90cc)の量までなら、女性の赤(月経?)を正常に保ちます。 出産の時期が近づいたときに、コレヴォルトの蒸留水で濡らした布を頻繁に鼻にあてて嗅ぐと、出産に役立ちます。それによって、彼女は幸せに出産することができます。 同様の量を飲むと排尿を助けます。そして、朝と夕方に一回につき3オンス(約90cc)までの量を飲むと、ゆるいお腹のままになります。

赤いコレヴォルトの蒸留水の薬効

集めた赤いコレヴォルトの葉は5月末に蒸留します。

朝早くにこの水を一回につき6〜7オンス(約170〜200cc)までの量飲めば、硬い腹を柔らかくし、一度に3オンス(約900cc)飲んだ場合は(1か月の間)、頭のめまいを解消します。この水は 卒中や手足など身体の一部のけいれんに効果があり、飲むかその箇所に塗ります。手足などふるえのある箇所をこの水で頻繁にこすり乾わかすと症状を和らげます。

赤いコレヴォルトの蒸留水で濡らしたリネンの布を炎症箇所に当てれば、熱を下げ、腫れを解消します。定期的に飲めば、身体の内外の潰瘍を癒します。朝と夕方の両方でリネンの布を当てれば潰瘍がなくなります。

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