1月は、早出しのキュウリとメロンの促成栽培を始めます。まずは温床の苗床の準備と発芽までです。
厩舎の未熟畜ふんを90cmの高さに積み上げて・・・となかなかワイルドで、かつ、こまめな注意が要求されます。
『Every man his own gardener(誰もが庭師に)』
1月の家庭菜園での作業
キュウリとメロン:苗床の準備から発芽まで
多くの園芸家にとって、いかに早くキュウリを収穫するかを互いに競い合い、優れた成果をあげることは大きな目標です。そのため、1月中に必要な準備を完全に整えておく必要があります。
具体的には、苗を育てるための「温床(ホットベッド)」用の堆肥を準備することです。キュウリは本来、非常にデリケートな性質を持つ外来作物であり、英国の気候下で屋外で育てられるようになる6〜7月までは、フレームやガラス面で覆い、人工的な熱を利用して保護・育成する必要があるからです。
フレームやガラスで覆った温床を利用すれば、2月、3月、4月あたりに完璧なキュウリ果を収穫することができます。
早出しの栽培に適したキュウリの品種は「早生イボあり短形」、「早生イボあり房成り」、「早生イボあり長形」です。どれも早生品種ですが、最後の「早生イボあり長形」は際立って見栄えのするキュウリ果になります。
早生(わせ)のメロンも必要なら「ロマーナ・メロン」や「カンタロープ・メロン」が最適です。
キュウリやメロンを促成栽培するなら、1月の今すぐに新鮮な馬糞を確保して育苗用の小さな温床(育苗床)を作る必要があります。そこで育てた苗は、後に実らせるため、より大きな温床内の畝へ定植することになります。
育苗用には、1枚または2枚の(彩光)ガラス窓を備えたフレーム程度の小さな温床で十分です。特に自家用であれば、適切な発熱性のある馬糞を荷車1台分、あるいは大型の手押し車(一輪車)で12〜15杯分ほど用意すれば、ガラスサッシ1枚分のサイズの温床で十分育苗することができます。それより大きな育苗温床にするなら、これに準じて厩肥量を調整すればよいでしょう。
厩ふんを入手したら、あらかじめ準備を整える必要があります。具体的には、塚状に積み上げてよくかき混ぜ、8日から10日ほど放置し発酵を促します。その期間が過ぎれば、温床(ホットベッド)を作るのに適した状態になります。
メロンを栽培するような、風当たりが弱く乾燥していて、かつ午前中の日差しや南からの日光がよく当たる場所に温床(ホットベッド)を設置します。
温床は、地面に直に作ることも、あるいは浅い穴を掘ってその中に作ることも可能です。穴は使用するフレーム枠の大きさに合わせて、深さ6〜12インチ(約15〜30cm)、幅4〜5フィート(約1.2〜1.5m)程度にします。
しかし、この時期のようにまだ春浅い季節には、地面に直に作る方が一般的で、最適でしょう。なぜなら、発酵熱が下がってきた際に、温床の側面に(底面まで)新鮮で発熱する堆肥を積み増して熱を補うことができるからです。
また、穴の中に作ると温床の底に水が溜まりやすく、それによって堆肥が冷やされ、熱がすぐに失われてしまうことがよくありますが、地面上に作ればそのような事態も防ぐことができます。
次に、フレーム枠の大きさに合わせて、4本の杭で苗床(ベッド)の寸法を印つけします。その際、枠よりも縦横それぞれ2〜3インチ(約5〜8cm)ほど広めに杭を打っておくようにします。
この準備ができたら、枠の大きさに合うように苗床を作り始めましょう。
堆肥を積み上げる際は、よくほぐして混ぜ合わせながら行い、作業を進めつつフォークの背で叩いて固めます。足で踏んで固めることはお勧めしません。強く踏み固められた苗床は、自然にゆっくりと馴染ませたものほどうまく発酵しないからです。
このようにして、苗床の高さが3フィート(約90cm)程度になるまで堆肥を積み上げていきます。高さはそれより5〜6インチ(約13〜15cm)高くなっても問題ありませんが、3フィートの高さは必ず確保するようにしてください。
所定の高さの苗床が完成したら、すぐにフレーム枠とガラスサッシを設置します。
熱が上がってくるまでは密閉しておき、熱が苗床の頂部まで伝わってきたら、蒸気を逃がすためにガラス面を持ち上げます。
苗床を作って3〜4日経ったら、土を被せる準備をします。その際、まず苗床の沈み方に不均一な箇所がないか確認し、枠とガラスサッシ(フレームとライト)を外して、凹凸をならし表面を平らに整えてから、再びフレームを設置します。そして、フレーム内の苗床全体を覆うように、厚さ約3インチ(約7.5cm)の乾いた土を入れます。
次に、肥沃で乾いた土を小さな鉢に詰め、それらをフレーム内に置いて、ガラスサッシを被せ、鉢の中の土が温まるまで密閉しておきます。
土が温まったら、各鉢にキュウリかメロンの種を数粒ずつ蒔きます。そして、鉢土と同じ土をタネの上に約半インチ(約1.3cm)の厚さで被せます。
それが済んだら、鉢を苗床の中央に置き、苗床の土をそれぞれの鉢の周囲に寄せます。
タネをまいた後の最初の3、4日はマット1枚だけで毎晩ガラスサッシを覆うようにします。
しかし、発酵熱が低下してくるにつれて覆いを厚くしていきます。その際、覆いのマットの端がフレームの側面から地面に着くほど垂れ下がらないように注意してください。きっちり覆うと有害な蒸気がこもり、そこに植物が密閉されてしまうと、徒長し黄色っぽく不健康な色になってしまう恐れがあるからです。
また、覆いをする際には次の点にも留意してください。苗床に強い熱や蒸気がこもっている間は、夕方にマットをかける際、ガラスサッシの上部の角を0.5インチ(約1.3cm)ほど、あるいはそれより多少多めか少なめに持ち上げ、蒸気を逃がすのが適切です。その際、持ち上げたガラスの隙間部分を保護するよう、マットの端を少しだけ垂らしておきます。
苗床(温床)自体がまだ非常に高温なので、鉢の中の土が熱くなりすぎないよう細心の注意を払う必要があります。種を鉢にまく意義がここにあります。
というのも、タネをまいた後に「焼け(過熱による傷害)」の兆候が見られた場合、タネや苗を一切乱すことなく、危険の原因となっている発酵堆肥から鉢を容易に遠ざけることができるからです。
そして、毎日苗床の状態を点検し、フレーム内部にこもった強烈な蒸気が「焼けるような」熱を帯びている間、適切に換気します。こうすれば過剰な熱によるあらゆる害を防ぐことができます。
タネをまいてから3〜4日もすれば、芽が出てくるでしょう。
その頃には、毎日ガラスサッシの上側の端を少しずつ持ち上げて新鮮な空気を入れ、換気を行うのが適切です。
また、鉢の土が乾いているようなら、一晩温床内に置いておいた汲み置きの水を少量与えて適度に湿らせ、夜間は引き続きガラスサッシに園芸用マットを掛けて覆うようにしてください。
この時期、もし温床の熱が強すぎると感じたら、夕方に覆いをする際、支え棒を使ってガラス枠を少し持ち上げ、蒸気を逃がすようにします。
その際、持ち上げたガラス面枠の端からマットが垂れ下がるように枠へ固定しておけば、植物に悪影響が及ぶことはなく、むしろ良い効果が得られるでしょう。(マットがかかっていることで外の冷気がゆっくりと入るため)
熱が落ち着いてきたら、夜間はガラスサッシをしっかりと閉めても構いませんが、日中は機会を見つけて常に新鮮な空気を入れるよう心がけてください。ただし、風が強い日や空気が非常に冷たい日は、前述のように開口部にマットを掛けておくとよいでしょう。

















