雨の多い日本、小さなハウスでもフレームでも畝でも庭づくりでも排水は大事ですよね。
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
排水
一般的な注意事項
土地の排水性に関して知るべきことはたくさんあります。
排水性に関して知るべきことには演繹学や力学の知識とともに地質学的データが含まれます。が、これらは庭師にとって有益であるものの、本書では関係が無いものです。
したがって、有用な表を 1 つまたは 2 つだけ示し、いくつかの一般的な注意事項とその解説をした後、園芸施設に関連する排水についていくつかの実践的な解説を提示するにとどめようと思います。
排水を計画する際、ハースト氏は表 8 に示す数値を提唱しています。 1時間あたりの水量を表わしたものです。この水量に合った排水設備を設ける必要があります。
土壌が緩くて浸透性の高い、開けた見通しの良い土地では、降雨量の約 3 分の 1 は水路へ流れますが、残りの 3 分の 2 は地面に吸収されるか、地表面から蒸発します。
表9 は土地の排水性能に関するデータを示しています。
土壌表面の排水性は下層土の種類および地層の方向を合わせて考慮する必要があります。
庭が南に向かって傾斜していても、下層土が水はけの悪い土ならば表面の排水性の良さが発揮されない可能性があります。
地中に湧き水があると、冷却効果を引き起こす可能性のあることにも注意する必要があります。
土地の排水には表面排水やガレキで被覆して行う排水がありますが、主にパイプ管による排水が採用されています。
枝分かれしたサブの排水管がメインの排水管となす平面上の角度は、多くの場合 90°ですが、サブとメインの接合部を作る前に、前者(サブ排水管)を緩やかに湾曲させて、接合時にサブ排水管の内容物がメインの排水管の内容物と同じ方向にスムーズに流れるようにする必要があります。
さらに、前者(サブ排水管)はできる限り後者(メイン排水管)へ確実に落水するようにすべきです。
特に粘土質または重い土壌の庭の排水では、縦坑を中央に掘って、地面のすぐ上にドームの上部を立ち上げて、しっかりとしたトラップドアで覆ったマンホールにすると効果的なことがよくあります。
庭のさまざまな場所からの排水がこの縦坑へ排水されるよう、流入口の排水管よりも低いレベルにオーバーフロー管を設ける必要があります。
トラップドアを開けると、すべての排水管が適切に機能しているかどうかを簡単に確認できます。こうすれば、どの排水管が詰まっているか、発見が容易になります。
・・・いわば排水桝のことでしょう。以下の図のような枡に立ち上がりをつけて、格子の蓋(トラップドア)をかぶせればここでの説明通りになると思います。
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園芸施設の排水
地面がいずれかの方向で建物に向かって下がっている場合、注意が必要です。特に吸水性の悪い下層土の悪い場合には、地表排水だけでなく地下排水にも適切な備えを施し、水がストークホール(ボイラーの炊き口)、メインパイプからの排水溝、ボーダーなどの人工的に作った貯留域に流れ込まないように注意する必要があります。
ストークホールなどがあって、その低地に水が入らないようにする手段がない場合は、トタン製のタンクを地中に埋めて、その中にストークホールを作る(こうして水の浸入を防ぎます)かまたは桝を沈めてそこに排水します。
コンクリート、硬化レンガ、水硬性セメント、またはこれら 3 つを組み合わせて、ストークホールから水が浸入しないようにしようと考えるのはまったくナンセンスです。
もちろん、ストークホールの排水が容易ではない場合には、もう 1 つ別の方法があります。つまり、ストークホールをそこまで低くしなくてすむように、ハウスの床を周囲の地面よりも高いレベルにすることです。
排水問題への対処法を決定するときは、屋根からの雨水パイプ(樋)の最適な位置をメモしておくことをお勧めします。縦樋を決して排水管に直接接続してはならず、格子桝(格子の蓋の着いた桝)に排出する必要があります。こうすれば、縦樋中を雨水とともに流れ落ちてくるゴミを簡単に除去できます。
園芸施設に排水管を施工する場合、厩舎やその他の屋外小屋などからの余剰水を排出する排水管もそれらに結合しなければならないことがよくあります。
園芸用ハウスの排水の問題はハウスへの給水と非常に密接な関係があるため、上記の説明と併せて雨水の収集、貯留、分配に関するセクションも一緒に読んでください。
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