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2020年8月24日月曜日

園藝之友 第1年第2号 パイナップル(品種)

園藝之友 第1年第2号 (1905年)

果樹と蔬菜

         鳳梨に就いて(承前)

            第1号に続いて今号は品種や栽培についての記事です。現在店頭に並んでいるよりももっとバラエティに富んだ品種が記載されています。第2次世界大戦後は熱帯地方からの輸入一辺倒時代が来て単一品種となった。その後、最近は沖縄県などの国産物が出回るようになり、独自の新品種も作出され再び品種が増える兆しがみえます。

当時の紹介品種は以下の通りです。「プリンスアルバート」なんて品種名は、いかにもビクトリアン〜。

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  1. オールドクイン(ラージクイン、アンソンスクイン、オタヒチ、モスコークイン):葉に大いなるトゲあり。果実は黄金色にて円筒形、大きさ中庸なり。結果容易にして早熟し、夏季および秋季ように最も適す。
  2. シャロッテ、ロートシールド:極早種にして6ヶ月を以って成熟す。
  3. トゲ無しカエンネ:早熟にして矮性なり。殊に葉にトゲなきはこの種の特色とす。
  4. トゲ有りカエンネ:やや早熟にして果実大なり。葉は狭小にしてトゲあり。
  5. ハバカヒス:早熟にて果実は円錐状。形大にして高さ1尺を超ゆることあり。品質優良なり。
  6. ブラクジャメイカ:果実中大にして暗色なり。味佳良にして肉かたし。冬期の用に好適。
  7. ネルボーザマキシマ:強健にして果実大なり。大規模の栽培に適す。
  8. リプレイクイン:果実円筒形にして、大きさ中庸。外観美にして味もまた佳なり。葉は大トゲあり。
  9. ベンネットシードリング(セレスビークイン):葉の幅広く果実は球状にして黄金色。形大なり。果肉緻密にして味また佳なり。
  10. プリンスアルバート:矮生にして、果実は円錐状を呈し形大なり。果肉は柔らかく多汁にして味良好なり。
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