pitは“穴”なので、てっきり土室のようなものだと思っていましたが、レンガで作ったフレームのことだと初めて知りました。
最後に出てくる「ビジュー温室」は通路部分が掘ってあるので、ちょっとだけ穴っぽいです。この「ビジュー(宝石)」という名前の通り愛らしいです。でも地震や雨水で土が崩れたら土圧で簡単に足を骨折して自力で脱出できなさそう。
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
ガーデンフレーム類
ピット
庭において、移動する必要が生じないフレームの場合、特に長いフレームの場合は、前面、背面、妻面および仕切り面を木組みではなくレンガで造るのがよいでしょう。
この場合、木とガラスでできているのはプレート(柱間にわたす桁、横架材)、バー(桟(さん))、ライト(採光部、窓、明かりとり)だけなので、構造全体は木組みのフレームよりも耐久性があり、堅牢になります。
このようなフレームは通常、ピットと呼ばれます。
多くの場合、フレームやピットは温室に沿って列状に配置され、温室の外壁がピットの片面(背面)として利用されます。
こうした配置にすれば、ピットと温室で壁を共有できるのでスペースとレンガの使用量を節約できますし、この壁に開口部を設けることが可能で熱の節約になります。ただし、これは温室に十分な余剰熱がある場合に限ります。
こうすれば、壁の開口部を介して温室からピットへ温水パイプを簡単に延ばすこともでき、温水パイプを地面の下に埋め込む必要がありません。
しかし、総体的には、独立したピットの方が有利です。庭師はピットの前面側だけでなく背面側も歩くことができ、ピットの中に簡単に手が届きます。また、ライトを上下方向にスライドする方式にできるため、(ピットが温水パイプで加温されている場合)必要に応じて外気が温水パイプの上を通過してから植物に当たるようにすることができます。(直接外の冷気が植物に当たらないようにすることができる。)
ピットが温室の壁を使って造られていて、温水パイプが前面にしかない場合、これは不可能です。(温室の壁を利用した場合は外気の導入方向が限られるから。)
温室壁や一般の壁に沿ってフレームやピットが造られている場合なら、ライトを下へスライドさせることで開けることになります。ライトを後ろのプレート(横架材)に蝶番で取り付け、クアドラント(四分儀)で好きな角度に持ち上げることもできます。または、地面から 5 〜 6 フィートの高さの水平バーを前面に沿うように設置し、各ライトの中央のバーに滑車を付けて、ひもとカウンターバランス の重り(荷吊りのバランスをとるために付けるおもり)で開け閉めすることもできます。
その他、上部に滑車が付いた中空の鉄製の支柱を各ライトの背面側に固定し、ひもとカウンターバランスの重りをライトの中に設置することもできます。(図 50 および 51 を参照)
あるいは、いくつか段をきった木のブロックを利用すれば、ライトを好きな段の開度で固定できます。
また、このような仕組みは雨が入らないように、すなわちライトを上下にスライドさせず(上下スライドだと雨が入る)に換気でき、屋外に造られた独立型のフレームやピットに活用できます。
メーカーによっては、スライド バーにスタッド(鋲)をいくつか取り付けて、ライトを上下1 組のスタッドの間に置けるようにスタッドを配置することで、ライトを開けておくことができるようにしています。
様々な形状のラチェット、ロッド(竿)とラック&ピニオンの同時ギアでレバーを使ってリッジなどを上げる換気装置を採用しているメーカーもあります。
しかし、何よりもシンプルさを目指すべきです。なぜなら、手で簡単に操作できることができることが重要で、込み入った構造装置は複雑なギアが余計なスペースを占め、虫が住み着き、葉に絡まり、手間がかかるからです。
図 49 は片流れ形式のフレームを示していますが、他の形式が望ましいと考えられる場合、特にフレームの用途が植物を保護するのみである場合は、この形式に固執する必要はありません。
図50 と 図 51 はスパン(両屋根)形式のフレームを示しています。図 53 と 54 は、かなり斬新な構造(側面と端に入口があり、通路が少し沈んでいる)をしており、多くの場合、フレームを造る程度の費用で造ることができる温室の優れた代替品です。
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