ボイラーの中でも作り付けでない、移設できるタイプの独立型ボイラーについての項です。
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
様々な暖房方法 Ⅲ
低圧(常圧)温水暖房
独立型のボイラー
ボイラーの設置場所に最適な材料は熱伝導率の低い素材(例えばレンガ)ですが、ボイラーを可搬式にしたいことが往々にあります。
可搬式の独立型ボイラーの場合は、通常、レンガではなく鉄が用いられます。鉄は熱が伝わりやすいので熱が逃げやすく、熱効率は若干犠牲にしなければなりません。
非常に小型の可搬式ボイラーは保温材で囲わなくてもはそれほど問題はありませんが、大型の可搬式ボイラーはストークホール(炉の前の作業部)の作業者が熱の輻射を受けないように何らかの手段を講じる必要があります。
通常の独立ボイラーは直立した円錐形で、水平断面の形は長方形または円形です。これは実質的には改良型のサドルボイラーと同じです。
図105は水平断面が長方形の円錐形独立ボイラーを示しています。
このボイラーは、前面にスライドドアがあり、背面にある絞りダンパーで空気の出入りを調整しています。
点線は円錐形の「フィーダー(燃料庫)」を示しており、ここに燃料を積んでおくことができます。
直径4インチ、約100フィート(30メートル)以下の長さのパイプしか加熱する必要がなく、ストークホールのスペースが非常に限られている小型ボイラーにはこのようなタイプが非常に適しています。
図106と107は大型の独立型ボイラーを示しています。
これらのボイラーは、非常に巧妙な構造のエアジャケット(特許取得済み)を備えています。
ご覧のとおり、ボイラーの周りには鉄製の囲いがあり、その囲いの外側にさらにもう一つの鉄製の囲いがあります。
外側の囲いの底部の孔から、この2重の囲いの間の空間へ空気を送り込みます。
内側の囲いに空けられた孔から入った空気の一部は火格子の下側に送り込まれ、残りの空気は2つの囲いの間を上昇し、炉の上部へ送り込まれます。
燃焼のための空気(酸素)の供給は火格子の下側に限られているため、炭酸ガス(CO2)が発生しますが、空気を上部から追加してやると炭酸ガスは炭酸(H2CO3)に変わるので、燃焼がスムーズに行われ熱損失が少なくなります。(213ページ参照)。
さらに、二重の炉の囲いの間を絶えず空気が通過することによって生じる対流が外側の囲いから放射によって外へ逃げる熱を炉内に戻してくれます。
すなわち、この装置は「保温機能」と「給気加熱機能」を同時に備えていることになります。
さらに、炉の底だけでなく上部にも酸素が供給されるため、燃料をより厚く積んで燃やすことができるので、空気を火格子の下側からのみ供給するタイプよりも、焚べる作業が少なくてすみ、燃焼が長持ちします。
機関車などのボイラーでは、火格子に空気を供給するための様々な工夫があります。炉内の燃料が厚く積まれて燃焼している場合、火炉の上部からも空気を供給する必要があることがよく知られています。さもないと、二酸化炭素が満ちて燃焼不全になり、熱損失が甚大になるからです。
独立型ボイラーは、暖房を必要とする住宅内に設置してはいけません。
ボイラー自体から放射される熱を住宅の暖房に利用しようとするのは間違った節約方法です。
燃焼生成物が住宅内の空気と混ざり合うと、重大な被害を発生させる恐れがあるからです。
図107. 熱風囲いのある独立型の管状ボイラー。(デニス社特許、特許出願公開コードA1C)



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