フランス革命(1789年)の頃、1782年ロンドンで出版された園芸書です。なんだか期待をもたせる序文です。
当時最先端のきわめて実践的な栽培法が園芸暦として解説されているそうなので読んでみたくなりました。
なお、温暖化の影響が顕著でなかった19世紀の園芸書はどれも、暑さ対策はせいぜい「外気をたっぷり取り入れて」といった程度です。暑さに対する園芸指南は現代の園芸書に期待です。
第9版(大幅増補改訂版)……従来出版されたどの園芸暦よりも新しく、かつ極めて充実した内容の庭師の園芸暦……
1782年,ロンドン
『宝文庫』
本書の内容
一年を通じて月毎に行うべき作業(菜園、果樹園、観賞用庭園、花壇、低木林、苗床、温室、加温温室などにおける作業)の解説に加え、一流の庭師たちの間で実践されている最新かつ最良の方法に基づいた、具体的な作業手順を詳述。
さらに、温床、加温温室、温壁(ウォームウォール)、促成栽培用フレーム、促成栽培用温室、ブドウ栽培用温室などを用いて、あらゆる種類の選りすぐりの植物、花、果実を早期に成熟・開花・結実させるための、実践的かつ完全な手順も収録。
また、植物や樹木の種類に応じた土壌や植栽場所(立地条件)に関する詳細な指針も記載。
そして巻末には、以下の完全かつ有用なリストを掲載:
菜園用植物、
果樹
森林樹木
花木(低木)
常緑樹
一年草・二年草・多年草
繊維状根系の草花
球根植物・塊茎植物
温室および加温温室用の植物
――といった、イギリスの庭園や農園での栽培に適した植物。
著者
トーマス・モー(Thomas Mawe)(リーズ公爵家の庭師)
ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)(庭師、トッテナム・コート在住)
およびその他の庭師たち
序文
本書は、有益かつ楽しい学問である園芸の実用的な知識を、それを愛好する紳士や若き愛好家の方々に伝えることを目的としています。そのため、読者の皆様も、凝った言い回しや技巧を凝らした名文を期待されることはないでしょう。
意味が明確かつ包括的であるならば、表現は簡潔で飾り気のないほど良いものです。
本稿の執筆者たち自身、実践を重ねてきた庭師であり、生涯をかけてその知識を習得してきました。彼らは今、その知識を簡潔な体系としてまとめようとしています。
彼らの知見は長年の経験の賜物であり、それゆえに誤りも少ないものとなっています。
本書『Every Man his own Gardener(誰もが庭師に)』が、同種の他の書物と比べて際めて優れた利点は、次のような点にあります。
すなわち、他の書物では、各月に行うべき作業を単に概略として列挙するにとどまり、その具体的な実施方法について十分な説明がなされていませんでしたが、本書では、作業の進め方が詳細に解説されており、園芸のいろいろな分野において、現時点での最良の実践となるような具体的な指針が示されているのです。
この機会をお借りして、本書を温かく迎え入れてくださった一般の皆様に心より感謝申し上げます。
また、本書の改善に役立つ助言をお寄せくださった方々、とりわけ庭師の皆様に対しても、深く御礼を申し上げます。
皆様からいただいたご指摘やご教示は、可能な限り本書に反映させていただきました。
ヨーロッパ各地で日々新たな知見が発見されているので、我々の栽培体系は決して完璧な完成の域に達することはないでしょう。
それゆえ、園芸に携わる皆様におかれましては、日々の作業の過程で得られた新たな発見を、引き続き我々にお寄せいただけますよう切に願っています。お寄せいただいた情報は、深く感謝しつつ受け取り、その旨を明記させていただきます。
本書の初版刊行から15年の間に、著者らが版を重ねるごとに大幅な改訂を重ねてきたことを読者や一般の皆様はご理解されていることと存じます。
実践が重ねられる中で数多くの重要な発見や改善がなされてきましたが、著者一同はそれらを今回の第9版において、本書で採り上げたあらゆる分野にわたり、極めて豊富かつ全面的に取り入れました。
その結果、本版は大幅に増補・拡充され、内容も全面的に改訂されて、過去のどの版よりもはるかに有益で、より広範な読者の学びとなるものに仕上がっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿