園藝之友 第1年第6号 (1905年)
アスクレピアスの説
温室や促成栽培と関係ありませんが、面白い記事があったので引用。それは、黒川良助氏が、帝国農科大学教授白井光太郎先生の話として、アスクレピアスを大いに褒め称えている記事とその顛末です。
---------------------------
「・・・この繊維たるや、実に光沢潤美軟膨にして、綿としてこれに優物なく、その繊維の織物用に供すべく・・・西人の所謂「観賞として草花の王たり、実用として作物の王たり」との賛辞の、もっともなることを知る。我が国土に適し、栽培法も簡易で、草綿に比べ2倍以上の収量を得る・・・」と大々絶賛です。
しかし(!)第1年第7号にて、白井光太郎教授ご本人が「偽説のために過らるる勿れ」という記事にて、誇大の賛辞しかも嘘八百を羅列している!その実、昔から世間にありふれた「タウワタ」で、園芸家が栽培してきた一草花に過ぎないとし、黒川氏は当方と一面識も無く全く関知していない詐欺師である、と怒り心頭でございます。その記事のうしろには掲載してしまった記者の長文の反省文も添えられています。黒川某が白井教授の名を借りて何のためにこの絶賛記事を書いたか不明ですが、黎明期の雑誌で混乱があったのでしょうね。当時の大学教授は今に比べて大層威張っておられたでしょうから、後始末大変だったろうと思います。なおその後、白井先生はちょくちょく寄稿されてるので、ひと安心。
0 件のコメント:
コメントを投稿