園藝之友 第1年第6号 (1905年)
プリムラ、サイ子ンシス(Primula Cainensis.*) 和名 寒桜草
「グリンハウス、コンサーベートリー内における花の王」と書かれています。洋書でも代表的な温室の花として必ず見かけます。種子は高価でかつ細粒なので、大事に百発百中で発芽させる種まき方法が紹介されています。要点としては以下の通り。
「グリンハウス、コンサーベートリー内における花の王」と書かれています。洋書でも代表的な温室の花として必ず見かけます。種子は高価でかつ細粒なので、大事に百発百中で発芽させる種まき方法が紹介されています。要点としては以下の通り。
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とりわけ安全な方法は2重鉢仕立て法(ダブルシードリングパン)。
・鉢を2重にする。
・中の鉢には、鉢底から順に、鉢や炭の欠けら、小砂利くらいの土塊、ふるい分けした砂がちの軽鬆土を3段重ねとなる様に詰め込む。表面は平らにする。
・これをしばらく水桶に浸す。鉢の縁がようやく水面に出る程度とする。
・桶より取り出したら直ちにタネを蒔く。その上をうっすら細土(表面土と同性のもの)で覆う。
・播種後外鉢に重ねる。鉢と鉢の間は水苔を入れる。この水苔の潤いが始終中鉢に湿気を与える。
・灌水するには、中鉢を取り出して水苔に水を注ぐ。
・播種後は日光の強く射さない場所に置き、朝に夕に水湿を絶やさない様にする。
*当世では、Primula sinensis.のこと? 寒桜は多くの園芸品種が作出されているそうです。当時の読者はどんな品種を思い浮かべたんでしょうね?「こぼれダネから自然と株元に子株ができることが多いので、植え替えて育てておくのもよい」と、発芽は容易な感じで書いてあります(https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-760)。
乾き具合から見て、水やり間隔をのばすにはもっとスポンジの量が必要そうです。
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