蔬菜の効能?(続き)
園藝之友 第3年第3号 (1907年)
大杉岳南
続きです。不眠の時は玉ねぎやニラの臭気が効くそうですが、臭くて逆に眠れないのでは?風邪気味で悪寒のある時は多量の生玉ねぎを食して寝る、というのも辛そうです。
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○玉ねぎ
・食欲を増進する。食欲のない者は玉ねぎを細かく刻み酢醤油をかけて、生のまま、漬物がわりに食すれば数日で食欲が回復する。
・不眠症、神経の休息に効く。
・最上の発汗剤である。風邪気味で悪寒のある時は多量の生玉ねぎを食して寝ること。直ちに発汗し睡眠を催す。
・下痢を止める効果あり。
・鼻血が出た時は玉ねぎを破砕してその臭気を嗅ぐ。あるいは鼻穴に押し込んでおくと自然と止まる。
・ペンキなど家内の臭気がひどい時は玉ねぎを2つに切って毎夜皿に盛って所所に置けば臭気が止まる。
・玉ねぎは多量の硫黄を含むので伝染病流行の際はこれを常食すれば細菌に犯されず、消化を助け、血液をきれいにし、かつ記憶力、根気も増進する。
○ネギ
・雑炊は消化器の衰弱に効果あり。
・風邪にはネギの白根をコメに混ぜて粥に炊き、酢を少し加えて熱くして食し、発汗すれば治る。
・リュウマチにはネギの白根50匁辛子の粉5勺大麦1合を調合して布袋に入れ、水1升を入れ、7合に煎じあげて何度も患部に塗って洗う。
・卒中風、または頓死した者にはネギの白根を鼻の穴に深く差し込み血が出れば蘇るという。 ・牛馬の風邪予防にも効く。
○ニラ
・邪気を払う。
・不眠の時はその臭気をかげば安眠を得る。
・暑さに向かう時節、肥溜めに入れておけばウジが湧かず、これに加水して諸作物に施せば害虫被害を軽減する。
○野蒜
・マムシの毒を治すには野蒜の塊をおろして塗りつける。
・打撲傷には野蒜の球をすりつぶし小麦粉を混ぜて痛むところに塗りつける。
○ナス
・イボを落とすにはナスのおろし汁を絞って何度も塗りつける。
・ニキビにはナスの花を黒焼きにしてごま油にといてつける。
○キュウリ
・血液を清め、身体を清涼にし、胸の蒸熱を除き、小便を利す。
・火傷にはキュウリ をおろしその汁を何度も塗りつければ、痛みが直ちに取れ治る。またはキュウリ をカメに入れて水に入れておきこれを塗りつけるのも良い。
・キュウリの味噌漬けは胃病に効めあり。
○冬瓜
・そばかすには種を粉末にしこれに桃の花を加えて蜂蜜で練ってつける。
○ヘチマ
・腰痛には種を黒焼きにして燗酒にて1日2、3回まで用いれば4、5日で治る。
○トウガラシ
・金魚の弱った時に水中に細粉を散布する。
・スイカに当たった時はトウガラシを水に浸してその水を飲む。
○フキ
・切り傷の出血を止めるには葉を揉んでその汁をつける。
・痰を治すにはふきの茎根を砂糖煎し用いる。
○スベリヒユ
・ハチかアブに刺された時は絞り汁をつける。
○紫蘇または冬瓜
・蟹の毒に当たった時は煎じて用いる。
○タデ
・ムカデに刺された時は葉を揉んでその汁をつける。
・こむらがえりにはタデの葉を煎じて洗う。
○ゴボウ
・耳の痛みにはゴボウのおろし汁を絞って煮詰め膏薬として塗りつける。また百合(根?)をおろして用いても良い。
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