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2021年6月10日木曜日

高設温床の特徴 園藝之友 第2年第6号(1906年)

高設温床の特徴

園藝之友 第2年第6号 (1906年)

促成栽培(四)底設温床と高設温床の得失

低設温床に比べて高設温床は穴を掘らずに地上に発酵材料を置くので管理がやや楽と思われます。しかし、やはり腰への負担は相当なものでしょうね。

💁発酵材料の馬糞や木の葉の代わりが家庭のやさいぐずと考えたら、生ゴミ処理器のキエーロは温床代わりにもなる優れものです。キエーロは有名なので、ネット上にたくさん情報があります。我が家のキエーロは高さ15cm、タテヨコ50cm四方のミニミニサイズですが、生ゴミ処理と同時に育苗にも使えてます。今冬はタネから発芽させたイチゴの育苗に使いました。また、簡単に移動できるので、チキントラクターのように庭土の堆肥化に一役かっています。

我が家のミニミニキエーロ(兼低設温床)


↓↓↓明治の高設温床の特徴についての引用部分です。

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高設温床の特徴

 

高設は板を多く使用するので費用がかかる点が不利である。例えば、前面の高さが125寸(0.75m)、後面の高さが3尺(0.9m)とすれば、板代に約510万円)を要し、高設のため260銭(5.4万円)余り余計に費用がかかることになる。

 

高設は板の合わせ目から熱の飛散が著しく、風のために常に対流放熱するので、低設の土壌放熱に比べて放熱量が非常に大きく、したがって、発熱材料内の空気の流通が良くなり、発酵が促進され発熱が速やかになる代わりに熱の発散もまた速やかである。また床土はその位置にあるので乾燥しやすく、そのため灌水する必要も生じる。

 

しかし、高設は床土が乾きすぎる傾向があるので湿潤すぎる場合に適湿に戻すことはすこぶる容易である。木枠内の4辺に厚さ寸内外の藁を置けば、内部の熱を放散させることなく、また低設では空気の流動がよくないため発熱材料を十分に腐敗発酵させることができないのに比べて、高設は十分に腐敗発酵させることができ、温度が高くなりすぎる場合は堅く踏み込めば発酵熱をやや長く保つことができる。

 

そのほか高設は地上に建っているので次の利点がある。雨水や融水といった冷水の浸入を防ぐことができる。作業がとてもしやすく、四辺の板は土壌のように冷たくないことと、熱伝導が少ないので内部熱が奪われる量がとても小さい。また、発熱材料が発酵し尽くした後、低設は新たな栽培床に移植するしかないが、高設はやや作業の困難を我慢すれば、発酵材料の一部か全部を交換することができる。特に、従来のように発熱材料を底土に直接敷くのではなく、5寸(15cm)以内の厚さで藁を敷けば直接土壌に吸放熱されることがなく、後ほどもその藁が発熱材料となるのである。

 

このように高設は温床の危険を取り除き、促成栽培を比較的容易にすることから、板の費用がかかるといった欠点を補ってあまりあると言える。

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