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2021年6月27日日曜日

イチゴ in 19世紀

レディのためのガーデニング入門 (by Mrs. Loudon 1840年)より

キッチンガーデンの多年生作物として、
がとりあげられています。 
今回は、イチゴ。 

イチゴは世界中どこでも人気の果菜です。イチゴアレルギーの人以外、イチゴが大っ嫌い!っていう人はあまり見かけないし、幼児はイチゴがあるとテンション上がりますよね。

今は国内だけでもたくさんの品種を店頭で見るようになりました。あまおう、とちおとめ、べにほっぺ、さがほのか、恋みのり、ゆうべに、あきひめ、・・・書ききれません。それに比べて、19世紀の品種はとてもシンプルです。多分、チリストロベリー(Fragaria Chilenosis)と北米のスカーレットストロベリー(Fragaria Virginiana)の交雑種がパインストロベリー(Fragaria grandiflora)=近代栽培種のオランダイチゴで、ここで書かれているそれ以外は各地に自生していたワイルドストロベリーじゃないかと思います。

最近のイチゴの商業栽培は19世紀と比べると驚くほどハイテクでシステム化されています。


さらに、5年か10年もすれば、収穫やパック詰めも人からロボットに置き換わっているでしょう。 

家庭菜園のイチゴ栽培は、基本的には19世紀と変わっていないと思えるのですが、今後急速に自動化されたハイテク栽培になっていくでしょうか?自然栽培にちょっとだけ人工的に促成を加える19世紀風の栽培は趣味の園芸として生き残るでしょうか?

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イチゴは正確には果物のリストに含めるべきですが、庭師によればキッチンガーデンの多年生作物に分類されます。

キッチンガーデンで育てられる有名な品種が数多くありますが、それらはほぼ3種に分類できます。すなわち、スリナムが原産地と考えられているパインストロベリー(Fragaria grandiflora)、チリストロベリー(F. Chilenosis)、およびスカーレットストロベリー(F. Virginiana)です。

これらのうち、パインストロベリーは大きく、色は薄いですが果肉は赤く、とても品質が良く、繊細な香りです。その最高品はKeenタネ店のものでしょう。古いパインストロベリーであるチリストロベリー(Wilmotの最高品の一つです)は白い果肉のとても大きな実ですが、ほとんど香りはありません。

スカーレットストロベリーは小さくて明るい赤色で、わずかに酸味のある果実で、主にアイスクリームやジャムに利用されます。これらにHautboisストロベリー(F. elatior)も加えることでできます。これは通りの行商人によって作られたと言われています。実際にはほとんど作られていません。果実は小さくて黒っぽい色をしています。

グリーンストロベリー(F. collinaとF. virides)、アルパインストロベリー(F. semperflorens)、コモンワイルドウッドストロベリー(F. vesca)は、まとまった量生産されることはほとんどありません。

イチゴは肥沃なローム質の土壌で育てなければいけません。一般に 0.9 m 幅の栽培ベッドに 3 列植えにします。毎年、最も勢いのあるランナーを採って、後継株にするため育てます。栽培ベッドは 3,4 年以上良い状態を保つことは稀なので、古い栽培ベッドはそのままにしておいて、やせたら冬に堆肥で覆い、春にフォークを使って土中にすき入れます。

イチゴを促成したい場合は、鉢を栽培ベッドの近くに置いて、ランナーを鉢に受けます。そして石で押さえるか根元をペグで留めます。ミセス・ラウドンはここまでしか書いていませんが、こうしてランナーから取った苗が充実した株になるよう冬まで育て、年末年始頃、温室や温床に入れて促成栽培を開始します。そうすれば、春早い時期に収穫できます。

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