第９章と１０章は第９章は畜糞がテーマです。きちんと堆肥化せずに撒いていたようで、庭も撒いてしばらくは臭かったことでしょう。そういえば、私の子供の頃は通学路にも肥溜めがありました。たまに落っこちちゃう子がいて、臭いのでリヤカーでお家まで運ばれたものです。今のママたちだったら、卒倒しそうな話です。
第９章。古代ローマの特に熟練した農夫が家に近い庭で畜糞の散布を嫌った理由：そしてどの畜糞がキッチンバーブやポットハーブに最適か？
古代ローマ時代、プリニーが報告したように、特に機知に富んだ農夫は、住居近くの庭地に畜糞を散布するのを断固拒否、禁止していました。
畜糞は周囲の空気を汚染するだけでなく、穀類が不潔になって腐敗する原因ともなるからです。
そして、これに関連して、農業書の偉大な著者であるギリシャの詩人ヘシオドスを高く評価しています。農業に関する非常に巧妙な書き方として、畑と庭における畜糞の肥やしの項を省略しているからです。
肥料としての役目よりも健康上の観点を重視していました。
十分に想定されることですが、当時はインゲン、エンドウ豆、大カラスノエンドウなどの葉や空のさやといった残渣で畑や庭地を肥やして、栽培に合うよう土壌をうまく改良しました。 人と植物にとって不快で腐る、疫病物質を含む畜糞を持ち込んで地面に撒くようなことはしませんでした。
それは賢明な人ならよくわかっていることでした。そのような土に生えた植物は毎日これを食する人に有害な成分をもたらし、それを修正するのは難しいことです。
しかし、古代ローマ時代もその後も、農夫は、実際には畜糞の利用を好んでいて、この教訓の指示に従っていません。ただし、かといって正しい畜糞の施し方というのも知らず、適切に実践できていないようです。
そのため、私はここで、畜糞の性質と使用法について簡潔に述べたいと思います。
まず第一に警告したいのは、良質な土は少しの畜糞しか必要としないということです。逆に、乾燥した薄い作土層や細粒の土壌は多量の畜糞を必要とします。
（マロが報告しているように）ただ乾燥しているだけの土壌は肥えた畜糞を頻繁に熱心に施用すると改善できます。
しかし、平均的な土壌なら平均的な量の糞を施用するべきです。
さらに、良質の糞はすでに良好な土壌をより良くすると考えてください。良質の糞なら邪悪で役立たずな土壌を改善、修正します。
しかし、間違った方法で邪悪な糞を使うと、それまで以上に土壌を悪化させることになります。
庭師や農夫は知っていることですが、畜糞の施用されていない土壌は冷たくて硬い一方、過度に畜糞が投入された土は完全に焼けた状態になる可能性があります。
そのため（コルメラが報告しているように）、畜糞は一度に過剰に土に与えるよりも、こまめに分けて与える方が効果が得られることになります。
春の栽培準備として、聖マルティヌスの日（11月11日）の頃、月の欠ける時期に、耕起した土壌に畜糞を施用すべきです。
その土壌にタネを蒔くには、家畜糞を施用して冬の間ずっと放置しておく必要があります。
そして、3月に再び畜糞を施用します。（4月の）雨でその土壌が十分に湿ったら、細かく繊細なタネを蒔くのに適した土壌になっています。
ここで、施肥の頻度、あなたの土が肥えているか痩せているか、そして蒔くタネの価値を検討してください。それは庭地に痛みを与えるかもしれません。
冬越しする植物のタネを蒔く区画では、前もって9月末頃に畜糞を入れてうまく耕転しておく必要があります。そして、雨で十分湿った後にそこにタネを蒔きます。
若い挿木を植えるための庭の区画では、畜糞を植物の根の隣に埋めたり置いたりしてはいけません。
ただし、若いハーブの挿木のための薄い土床を最初に作る際には畜糞を使用します。
土床を作って次に、土壌上に厚くも薄くもない適度な厚さで畜糞を広げて、レーキをかけ均します。
これには熟練が必要です。あなたの植物が適切な時期に（熟練された見事な方法で）そこに植わっていることを確認してください。
（かようにうまく準備された）土壌と土床（ベッド）なら、植えた植物が決して肥料焼けを起こさないようにしてくれます。植物は糞の発酵熱にも立ち昇る突然の蒸気にも当たることがないでしょう。当時、発酵熱や蒸気は現象としてわかっていても、それが微生物の働きとはつゆ知らなかったでしょう。
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