2022年9月21日水曜日

Mynte(ミント)とHollyhock(タチアオイ):「The Gardeners Labyrinth」第44章

ミントとタチアオイを一つの章にまとめるとは、何か共通点があるんでしょうか?草姿はだいぶ異なるように思うのですが。。。(謎)

ミントはペパーミント、スペアーミント、アップルミント、レモンミントなどなど多彩ですが、ここでは、ガーデンミントとワイルドミントといったおおまかな分け方です。ご当地ミントが「ミント」としてそれぞれ各地で認識されていたせいでしょうか???

ともあれ、ミントの爽やかさとタチアオイの花の美しさは、現代の認識と変わらず、16世紀も讃えられております。

第2部12章 ミントとタチアオイの播種と管理に必要な技術と作業


The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。
左がバルサムミント、右が一重のガーデンホリホックだそうです

ガーデンミントは畜糞や肥えた土ではなく、開けた日当たりの良い土地に植える必要があります。ただし、湿った場所あるいは井戸のそばが最適です。そうでない場合はミントの植え始めに頻繁に水をまく必要があります。そうしないとミントは短期間で枯れ死んでしまいます。

ミントは秋の収穫季または春に根か茎全体を植え付けるべきです。

庭主や庭師は、播種用にミントのタネがないか不足している場合、代わりに野原や野生のミントのタネを播種することができます。種子の鋭い方の端を下にして埋めることで、それらの野生性を栽培用にします。

この植物はうまく育てば、毎年更新したり新たにタネをまいたりする必要はありません。一度播種または植えられれば毎年自然に出てきます。

おいしい風味があるため、スープでもサラダでも非常に好まれ使用されます。

しかし、この植物は成長した後、鉄製の道具で触れてはいけません。そうするとすぐに死んでしまいます。

ミントは夏に花が咲き、冬に黄化します。

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学識者テオフラストスの成果からルエリウスが引用したように、タチアオイすなわち庭の大型のアオイ科の植物は、しばしば木のように伸びて蝋状を呈し、その幹または樹体は杖として使えるほどになります。すなわち、 大きな茎を伸ばし、大きくて丸い葉を茂らせます。

しかるべき時に開花するこの植物の花は、ウィンター ローズと名付けらています。この植物は秋の収穫季の初めから冬にかけてバラのような花を咲かせるからです。赤と白の花があります。この花は色あせたり消えたりすることが少なく、より長く力強く咲きます。

古代ギリシアではこの花について(コルメラが報告しているように)、葉は太陽とともに向きを変え、正午に完全に花が開くことから、Alcea roseaと名付けられました。

また古代ローマ人はそれをタネ蒔きアオイまたはガーデンアオイと名づけました。

昔の人々はその美しさを大層気に入り、海の向こうのバラと呼びました。

魅力において、その花に場所をゆずるものはありません。もし人が香りを楽しむなら、バラに劣ることはないでしょう。カーネーションにも赤と白の花がありますが、味わいはその花だけが 優っています。

この価値ある魅力と美しさを窓辺に添えるため、今日(16世紀)、庭で熱心に播種され、栽培されています。

偉人ルティリウスは(庭に関する論文の中で)タネは4月中旬頃によく肥えた肥沃な土地に蒔いて、元気に伸びてくるまで頻繁にかん水するよう指導しています。

熟練者コルメラは自身の農業書において、これは家畜糞を入れてよく耕転した肥えた大地を好むと述べています。そして、移植する際には湿った糞を若い植物の根の周りに置くのが望ましいと述べています。コルメラによれば、移植は4枚の葉が地上で十分展開した後に行います。

学識者コルメラがタチアオイについて書いた報告によると、その花は(マリーゴールドのように)太陽の昇る時に開き始め、正午に完全に開花し、太陽の沈む時に再び閉じます。


ミントとゼニアオイまたはタチアオイの薬効と治療効果。

ガーデンミントは第二度の熱と乾燥気質に分類されると報告されており、薬としてはフレッシュなものより乾燥したものがよく使用されます。

ギリシアの農業学の優れた専門家である偉人フロレンティヌスは、ミントは採算の取れないハーブとみなされるかもしれないが、傷口に塗ってみればワックスが傷口全体を保護し傷跡にならないようにする、と書いています。

ミントを牛乳に入れても、牛乳が凝乳したり濃厚になったりすることはありません。凝乳に入れると牛乳は再び薄まります。この特性によって、 女性と同様男性においても妊娠しにくくなり、妊娠力を弱体化させるとフロレンティヌスは述べています。

しかし、このハーブを擁護する逆の意見もあって、非常に健康的で人間にとって有益であると考えられています。

このハーブをワインと油で煮て初産の授乳する女性の胸に塗れば、乳が凝固したり濃厚になったりする危険を改善し、再び母乳がスムーズに流れえうようになります。 

このハーブをミルクの一杯に巧妙に加えれば、胃の中でミルクが凝結する際に、このハーブが働いて窒息する(げっぷ?の)危険が生じることはありません。

このハーブのジュースや蒸留水をザクロのジュースと一緒に飲めば、偉人デモクリトスが自身の農業書で指摘したように、胃の休息やげっぷ、嘔吐を抑えます。

ミントを細かい粉末にして、ミルクに入れて処方すれば、体内の長いワーム(サナダムシ?)に効果があります。

腫れた場所をこのハーブの煎じ薬を塗って滑らかにすると、短時間で腫れが取れます。

これをグリッツ(粉砕された殻付きの小麦)と一緒に水で飲めば、痛みを伴うお腹の流れ(下痢)を弱め、綺麗にします。

さらに、それは女性の赤み(月経?)の周期と印を保ち、幼児の頭の潰瘍を癒します。

その風味は精神と心を研ぎ澄まし、その味わいは食欲を増進させ、肉への渇望を掻き立てます。

このハーブの新鮮なものから絞られたジュースは、鼻孔の症状を改善します。それはまた頭痛とこめかみのズキズキに対してもすり込むと効果があります。

酢と一緒にこのハーブジュースを処方すれば、血の身体内の流れや血流を保持し持続させます。

ミントをローズ オイルと一緒に潰して、固くなった乳房に石膏のように塗れば、母乳の流れが良くなり乳房はふっくらして柔らかくなるだけでなく、固くなるのを予防します。

このハーブを酢と一緒に食べれば、お腹がゆるくなりますが、毎日しばらくの間一緒に食べると生物は驚くほど美しい色になります。このハーブを使用するのはいつでも非常に有益で、健康的になります。

このジュースを酢と一緒に飲めば、血を吐き出すのに役立ちます。これを額に塗れば、頭の苦痛を和らげます。このジュースを蜂蜜と水と一緒に処方すれば、痛みや雑音、耳鳴りを消し去ります。 ハチミツで調整したこのジュースは、目に塗れば目のうるみや視界のぼやけを解消します。

ワインで煮たミントは口臭や強い匂いを和らげます。

これに酢を加えてこまめに口をすすげば、歯を助けるだけでなく、問題のある歯茎をきれいにしてくれます。

同様にミントの煎じ薬ですぐに歯を洗えば、歯茎の問題が解消します。

少量の酢を加えたワインにその煎じ薬を入れたものは、(いろいろな時に処方することで)熱の症状である舌の膨れを取り除きます。 また、目の近くや周りに塗れば、短時間で目の中の斑点を取り除きます。

風邪の時にミントは強い慰めとなり、元気づけ、吐き気を抑えます。

このジュースに酢とイオウを混ぜたものを羽毛を使って帯状疱疹の上に塗れば、急速に痛みを止めます。

ミントの葉をワインで煮たものは腸と腎臓の痛みを和らげ、オイルと一緒にワインで煮て石膏状にして当てれば膿瘍を治癒します。

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タチアオイの医療上の利点を続けてここに書きます。

庭のゼニアオイまたはホーリーホック(タチアオイ)は、他の種類のゼニアオイと同様に、本質的に湿った気質をもち、体内の苦痛と同様に外側の苦痛にも効果があります。

このハーブの葉、根、または種子をミルクかワインで煮て規則的に飲むと、熱っぽい咳を抑え、水疱の肺を回復させ、肺病に対する特別な治療法となります。

タチアオイを水かワインで煮て、ハチミツとみょうばんで調整した煎じ汁でうがいをして、しばらく口の中に含んでおくと、口と喉の水疱と化膿した痛みがすぐに治ります。

タチアオイの葉を肉と一緒に煮て、サラダオイルと少量の塩で食べれば、腹が緩み、嗄声が改善されます。

蒸留水のように根と葉を煮詰めたものは、上に湿り気を残すので、膿瘍に当てればどんな膿瘍も熟れさせ柔らかくします。


タチアオイ蒸留水の利用方法

タチアオイの花を (蒸留器ベインマリーで) 蒸留した水でうがいしたり、リネンの布を湿らせて塗布すれば、口のできものに大いに効果があり、体内の熱と同様外の熱にも効きます。さらに、帯状疱疹や潰瘍、その他のむくみにも効果があります。

ここで述べた蒸留水は頻繁に飲めば、体内のあらゆる熱に対して効果のある水となり、肺や脇腹のどんな膿瘍も冷やして柔らかくします。

それは、危険な下痢である赤痢、女性の場所(子宮?)の熱い腫れ、腎臓と膀胱を癒し、症状を軽減します。

朝と晩にしばらくの間これを服用すれば、膀胱の痛みが和らぎ、結石が排出され、腎臓と膀胱が浄化されます。

高熱中に、こめかみにこの蒸留水を当てれば、睡眠をもたらし、高熱患者が足浴すると、休息をもたらし、喉の渇きを止めます。


ミント蒸留水の利用方法

5月中旬頃にミントの葉を茎と一緒に細かく刻んでベインマリーでていねいに蒸留します。

朝晩、一回につきに最大3オンス(90cc)、この蒸留水を飲めば、胃を強くし食べた肉の消化を助けます。 

同じ方法で蒸留水を飲めば、肝臓と精巣の不全に対して効果があります。 

また、腎臓や膀胱などの尿路の流れも良くします。

同様にこの蒸留水を飲むと、肉への食欲が増しげっぷや嘔吐を抑えます。胃の上に当てなくても飲めば効果が出ます。

この蒸留水で頻繁に口をすすげば、口臭と歯茎の化膿を治癒します。

この蒸留水を飲めば、耳鳴りやめまいを抑えます。

大麦パンのスライス1枚にワインか酢で調整したこの蒸留水を浸したものを温めて鼻孔に当てると、その風味が虚弱な人に驚くほどの爽快感と強壮をもたらします。

同様の量、蒸留水を飲めば、子宮を浄化します。蒸留水で濡らしたリネンの布を温め患部に当てれば、同様の効果があります。

固くなった乳房にこの蒸留水を塗れば、中の凝乳を溶かします。この蒸留水をしばらくの間飲むと、老いも若きも体内の破裂箇所を癒します。

この蒸留水をルーおよびコリアンダーと混ぜてうがいをすれば、口蓋垂れを回復させることができます。子供の疥癬はこれで洗い流せば、素早く治ります。

同様に、これを飲めば寄生虫に対して効果があり、ワインと一緒に飲めば冷えた胃を癒し温めることができます。


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