2022年10月2日日曜日

Artichoke(アーティチョーク):「The Gardeners Labyrinth」第45章

POIROTさんのブログPetit English Gardenで素敵なアーティチョークを拝見して、私の庭にもアーティチョークを、と2回タネまきしましたが失敗に終わっています。

本章ではアーティチョークのタネまきについて詳しく書かれているので、今度タネを蒔く時は真似したいと思います。

第2部13章 アーティチョークのタネ蒔きと上手な栽培に必要な管理と技術について。

The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。


植物学者はアーティチョークをアザミの一種とみなして「庭アザミ」と名付けています。

野原で自生していたアーティチョークが(販売のために)慎重に庭に植えられました。野生から庭へと場所を変え、食用に利用されています。

アーティチョークはほとんどの人がよく知っているように、厚いうろこ状のパイナップルのような形をしています。厩肥を含むふかふかの土を好み、肥沃な土地に植えると良く成長します。偉人ルティリウスが報告してるように、成長後急いでタネを蒔いて敵(モグラ)に簡単に掘り出されないようにします。

前述のルティリウスはアーティチョークのタネを3月に蒔くよう勧めています。タネ蒔きは月が光を増している時とし、厩肥を入れて良く整えた栽培ベッドに蒔きます。

タネは半フィート(15cm)離して、あまり深くならないようにしてパラパラと蒔きます。次のような方法で蒔けばたくさん発芽します。 

3 本の指でタネを土に押し込むか、タネを指の真ん中の関節の深さまで入れて、ふかふかの土で軽く覆います。暑い天候が続く場合、庭師はしばらくの間熱心に水やりしなければなりません。そのように熱心に管理すれば、偉人バロが報告しているように、柔らかい花蕾の充実した頭部ができます。ただし、最初の年は完全に成長した食べるのに最適な頭部は望めないかもしれません。

庭師が販売用にタネを蒔く場合、栽培ベッドに小さな畝を作るべきです。畝は互いに 1フィート(30cm)離して、その幅と深さは 0.5フィート(15cm)とします。畝は細かく砕いた古い糞と細かい黒土で満たす必要があります。 そこに指の中央の関節の深さにタネを入れ細かい土で軽く覆った後は押したり踏みつけたりしないようにします。

そして、4枚目の葉が十分に大きくなったらすぐに頻繁に水やりし、できた花蕾が柔らかく十分大きくなるように、非常に乾燥している土には灰汁を与え続ける必要があります。 植物がよく育つには、栽培ベッドの雑草を毎日除草してきれいにし、(コルメラの意見を尊重するなら)根の周りに灰の貯蔵庫となる糞を入れます。そういったアルカリ性の糞は最適で香味野菜に向いていると前述の著者は報告しています。 この植物のラテン語の名前はそういった種類の糞が由来となっています。

ナポリのルティリウスの意見を尊重するなら、庭主や庭師はタネの逆の端を下にして土に埋めないよう特別の注意を払う必要があります。

アーティチョークを栽培ベッドで収穫しようとする場合やトゲのないアーティチョークを望むなら、ギリシアの農業書の著者の指示に従って、種子の鋭い方の端をつぶすか、(タネを蒔く前に)石でこすってトゲを潰さなければなりません。それも多くが発芽するのを確実にします。レタスの根の皮を剥がし、それを細断するか多くの小片にしたものの中にアーティチョークのタネを混ぜて、これを入念に1フィート四方にパラパラと蒔けば、後に充実した花蕾が収穫できるでしょう。

庭師は播種前の 3日間、タネをバラまたはゆりのジュース、あるいは月桂樹の油、スイートアーモンドで作ったオイルなどの心地よいジュースか酒に浸せば、風味の良いアーティチョークを得ることができるでしょう。そのタネを太陽光にあてて空気中で乾かしてから土に埋めます。このように処理することで、その花蕾は種子を浸したジュースや酒と同じ風味にすることができます。

似たような例として、月桂樹の葉と一緒に種子を浸すか、または種皮に穴をあけた後、タネを蒔く時に月桂樹の実も種子と一緒に土に埋れば、収穫した花蕾は月桂の風味となります。同様の方法は偉大なすべてのタネで実践できます。

アーティチョークと名付けられたこのハーブは、タネを蒔く前に新鮮なミルク、蜂蜜、砂糖水、またはワインに2、3日浸して香りを付け、空気中で乾燥させた後、互いに1フィート(30cm)離してベッドに播種すればその花蕾は甘くて美味しいものになります。

アーティチョークは10月頃が収穫時期です。たくさんの花蕾が収穫できますが、大きな葉と茎に成長して真ん中に大きな茎が突き出ている必要があります。

収穫後この大きな葉は何の役にも立たず切り捨てるだけです。茎も同様に役に立たないので、切り取って捨てますが、栽培ベッドは再び植える時のために畜糞を一緒によく混ぜて転地しておきます。

こうして植え付けられたアーティチョークは、柔らかい葉が上向きに成長し、真ん中の低く折れた茎は軽い土で覆って押し固めるよう注意します。

そしてここで庭師は、冬でも他の時期でも、十分に水のない季節の場合、アーティチョークが迅速に成長するよう、必要に応じて何回も水やりする必要があります。

そして柔らかい植物をよく肥えたベッドに植え付けて灰と黒い土で覆えば、寒い冬の間も耐えて良く成長し、翌年に新しい花蕾を作るでしょう。

多くの熟練した農業書の著者たちは、もしアーティチョークの葉が冬の始まり頃に地面を十分に覆っているようなら、その後、白くなるだけでなく(霜に当たること?)、美味しく食べることができ、冬の食卓に役立つと書いています。

ここで、大きな葉や枝は年に一度、古い茎から切り落とさなければならないことを知っておくことは栽培に有益だと思います。少なくとも年を経た葉や枝は成長の妨げになるので。

そして、より距離をとって植えられた若い植物は繁栄し、より良く花蕾を作ります。このような株は実り豊かで枝葉も豊富にでるので、枝や大きな葉を柔らかい茎から折りとって植えれば、うまく成長するでしょう。確かな報告によると、これはしばしば同年の内に茎と棘のある粗い外側を形成します。

ギリシアの農業書を書いた熟練者は、庭主や庭師がその土地を一掃して耕す際、鋭いフックでそれらを切り刻み、根の一部は地中に残します。その根を引き抜いて柔らかい糞を塗って、よく手入れされた地面に戻します。3フィート(0.9m)の範囲を完熟厩肥と一緒に混ぜて耕し、乾季だったらしっかりと地中で再生するまで頻繁に水やりします。 

庭師が採種できるまで育てようと考えている株は、パラディウスが勧めるように、すべての若い植物の中から分けて、頭部の花蕾を薄い陶器の破片か木の樹皮で覆います。 種子は通常、太陽やにわか雨によって腐敗するので、そうなれば役に立たなくなります。

種子が太陽で焼けたり、雨の湿気で腐敗した場合、そのタネを蒔いても結局庭師は何の産物も得られません。

アーティチョークの花蕾である頭部は一斉に熟すのではなく、次々と熟していくので、所有者や庭師は一度にまとめて収穫することはできません。ガーランド状に頂部から下に向かって花が咲いていくので、その前に花蕾を収穫する必要があります。庭師が頭部のすべての花が咲いて散るまで待っていると、果実は悪くなってしまい食べても美味しくありません。

庭師は、ねずみがアーティチョークの根をかじらないように注意しなければなりません。というのは、ねずみは一度その心地よい味に魅了されたら、遠く離れた場所からでもやってきて根に驚くべき被害をもたらすからです。ギリシアのバロが自身の有用な指南書の中で熱心に注告しているように、対策と救済策なしに放置しないでください。

庭師が根のあたりにウールか豚糞をまくかイチジクの木の灰を埋めるなどすれば、ネズミへの鋭い攻撃と保護対策になってネズミを追い払うことができるとバロは報告しています。

モグラも同じように根を傷つけ驚くほど被害を及ぼします。モグラは頻繁に土を掘り起こしたり地中をくり抜いたりするので、地面が緩くなって株全体が倒れたり傾いたりするからです。この対策法として庭師は若い猫を育てて学習させるかあるいはイタチを飼いならして、そういった場所で毎日狩りをさせます。

アーティチョークは秋の乾燥した地面に最後まであります。モグラの仕業を軽々しくみてはいけません。アーティチョークを台無しにしてしまいます。

その他の対処方法を知りたい人は最初の部分(第1部)で述べた方法を見てください。


アーティチョークの薬効と利用方法。

アーティチョークは生のまま、または酢で食べると口臭が改善します。

頭部の周りに割れてくっついている耳状のうろこのような花蕾は柔らかく煮て(アスパラガスのやり方で)、その煮汁を粉状にして再びバターで煮て酢と塩で味付けすれば、 肉用のおいしいソースができます。

水に浸すよりもむしろ切片のまま食べることもあります。食べる前に塩とコショウかコリアンダーシードの細かい粉をまぶします。この食べ方は(彼らが断言するように)、果肉の自然な甘さが優しく美味しく感じられます。

確かな報告によると、ワインに浸しただけの切片を食べれば、尿を生じ、性行為を生じるそうです。

偉人ヘシオドスが報告しているように(ルエリウスがそれを記していますが)、アーティチョークの花が咲くとバッタは最も大きな声で鳴きます。そして女性は性行為に最も貪欲になりますが、同時に男性は流れ出ます。

(髄をきれいにこすり落として取り除いた後の)根をワインで煮て飲むと、尿の硬度が改善されるだけでなく、脇の刺激臭と悪臭が改善されます。

クセノクラテスは経験に基づいて賢明にも尿は着衣の小さなポケットにこもった体温熱あるいはその他の原因によって悪臭を放つと断言しています。

アーティチョークは柔らかく茹でて食べると、胃腸を丈夫にすると言われています。アテナイのケリアスとグラウキアが断言しているように、いくらか秘部(?)に効果があって、子供を妊娠する可能性があります。

偉人ガレノスの報告によると、アーティチョークの花蕾は栄養に乏しくて胃の消化に悪く、特に花が咲いてから収穫すると固くて、その耳状の切片は大量の胆汁を有します。生よりも茹でて食べるべきですが、心しておくべきは、柔らかくてみずみずしい若い花蕾を(前述のように)調理することで、そうすればより美味しく害の少ないものにすることができます。 

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