2022年10月10日月曜日

Endive(エンダイブ)と Succory(チコリ):「The Gardeners Labyrinth」第46章

エンダイブはレタス同様、家庭で水耕栽培もできるサラダヤサイですが、軟白化したチコリも家庭で手軽に作れるんでしょうか?

当時はサラダ用より薬草として活躍していた模様。

第2部14章 エンダイブとチコリの播種と栽培について学ぶべき技術と管理

The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。
左がガーデンサッコリー(チコリ)、右がガーデンエンダイブ。


サッコリー(チコリ)または酸っぱいレタスとも呼ばれるエンダイブは何より薬として利用されます。そのため、庭で育つように変化してきました。本来は酸っぱい性質です。レタスの1種なので頻繁に移植していろいろ場所を変えるべきです。そうすれば、庭師は少ない労力でうまく性質を変えることができます。

栽培ベッドに植えられたエンダイブは冬の寒い季節によく耐えます。

したがって、寒い国では収穫期(秋)の終わり近くに播種しても十分よく成長し移植しても平気です。

エンダイブは横に寝かせるとうまく軟白化させることができます。軟白化させるためには、この植物に川砂をまき散らし、(降雨がない場合は)ひんぱんに水をまき、軽い土で覆います。 これらを静置し、熱心に水やりすることで、サラダやそのほかの用途のために十分に軟白化するでしょう。

エンダイブの若い株は、酸っぱい葉が十分に成長する前に抜き取ってはいけません。抜き取ったら根の先端と葉の上部を切断して、根の周りに柔らかい牛糞を塗って移植します。 これが十分に根付くまで、軽く覆土して長期間水をまきます。

サッコリー(チコリ)は本質的にはエンダイブと同様、適度の苦味がありますが、エンダイブのように移植されることはありません。

サッコリー(チコリ)は酸っぱい葉が出てくる時、湿った土でよく耕されていることが望ましいです。

抜き取った株はよく肥えた土に移植すればうまく収穫できます。

そして、その株からきれいで大きくて長い葉が出てくるように、所有者は葉がいくらか成長した後、その真ん中にタイルの石を置きます。石の重さによって、株は広がり、より多くの茂って、より厚く成長します。

この熟練した管理により、葉の苦味が取り除かれ、冬の間、サラダに向いたヤサイになります。そのためには、葉が大きく成長した8月末または9月最初に移植します。引き抜く際に根の土を叩かないようにして、柔らかい牛糞を根にやさしく塗り、厩肥を入れてよく切り返した栽培ベッドに植え替えます。

よく肥えたベッドに置かれた葉は、(軟白するように)緩い土で覆えば、根が上向きになり、地中に長い根を張ります。寒さと厳しい風をうまく防ぐために、避難場所のような隠れられるフレームを作るか、もみ殻や穀類をその上にまきます。

ある報告によると、売り物になるように所有者はサッコリー(チコリ)の特定の葉が伸びた後、茶色のスリードで全体を束ねて土鍋で覆うと、結果的に大地からの養分は根から毎日摂取できるようになります。この方法によって、白さと柔らかさがもたらされ、大部分を適切に収穫できます。


エンダイブとサッコリー(チコリ)の医学的な利用。

別名、野生のレタスと呼ばれるエンダイブは寒さと乾燥が2度のレベルの気質であると報告されています。

そして、この植物の葉と種子だけが薬として役立ちます。なお、葉はサラダ用にも適しています。

すべての学者の同意するところによれば、根はほとんど役に立たないとされています。そのため根は現在(私たちの時代)、医療用に使われることはめったにありません。

緑の葉は医療用に多くの用途がありますが、乾燥した葉はほとんどあるいはまったく利用されていません。

緑の葉は癒しに役立ちます。それにより、肝臓と精巣の機能不全は胆汁を通じて防ぐことができます。同様に、これを酢に浸すか酢と一緒に食べれば、単純三日熱と二重三日熱、肝臓の熱、膿瘍の熱や灼けるような熱を治癒します。

このハーブの煎じ薬と砂糖で作ったシロップは上記の症状すべてに効果があります。

ルバーブと一緒にこのジュースかシロップを摂取すると、その物質の消化後約4日または6日目に、肝臓の熱に非常に効果が現れます。上記のハーブまたはジュースを石膏状にして塗ると、燃えるような膿瘍に非常に効きめがあります。

葉が手に入らない場合は、種子を砕いて煮て発熱している場所に当てるととても有効です。

熱のある場所に葉のジュースを付ければ、その熱を緩和して低下させます。潰した葉を熱のある膿瘍にあてると非常に効果があります。

酢で左の乳房にこのハーブを処方すれば、心臓の動悸に強力に効きます。お腹に処方すれば下痢を止めます。

エンダイブと雄シカの舌で作られたシロップは王の悪(結核性リンパ節炎)を治癒し、このハーブを白鉛および酢と一緒に石膏状にして塗れば、帯状疱疹、熱をもった膿瘍、腫れを癒します。

このジュースを酢、ローズウォーターと一緒にこめかみにあてれば頭痛を癒します。

このジュースを2日おきに飲めば、吐血が治り、過剰な精子を和らげます。

このジュースはあらゆる部分に白鉛と酢で効果的に塗れば、その部分を冷やして癒します。

サッコリー(チコリ)は乾いた冷たい性質を持ちます。エンダイブよりもそのレベルが幾分高く、(Aegineta の報告によると)このハーブは冷、乾、両方とも第1度であり、包む性質も持っています。

根と一緒に潰したこのハーブと、これで作った円形のトローチまたは平らな球をローズウォーターに溶かしてかさぶたのある場所に塗れば、かさぶたを治してよりきれいな肌にします。

サッコリー(チコリ)、エンダイブのジュースと雄シカの舌で作った水薬、少量の砂糖を加えて水と少量の酢で沸騰させたものを使用すれば、短時間で肝臓と精巣の不全が回復します。

ルバーブの丸薬を処方した後、飲み込みやすくするためにハチミツやその他の甘味料を混ぜて調合したものを3つに分けて摂取します。

同量のセラピウムとミルラ(Commiphora myrrha種の木の樹液を乾燥させた、赤褐色の樹脂状物質)で作った膏薬を準備し、カモミール油とハチミツを同じ割合で加え、これを女性のプライベートな部分に暖めてあてると子宮を浄化してくれます。 その後、妊娠できるかもしれません。

そして(プリニーが報告しているように)このハーブの水で煮出した煎じ薬は女性の適切な浄化に非常に有効で、死んだ若子が引き出されるほどです。

ハーブのジュースを煮て摂取すれば、お腹をゆるめ(便秘を解消?)、肝臓、腎臓、胃の働きを助けます。酢で煮れば、尿の厄介な痛みを取り除きます。 王の悪(結核性リンパ節炎)の場合は、発熱がなければミルクまたは蜂蜜と水で煮て摂取します。

(Discorides の報告によると)サッコリーを酢と一緒に摂取すれば胃に有益です。食事でこれを摂取すれば発熱や胃の虚弱を和らげてくれます。

そして、これを直接適用する場合は大麦の粉で心臓の場所に石膏状に塗ると心臓病に効果が大きいです。そして、これは高い急性発熱の治療にも使用されます。

この煎じ薬の水をリネンの布に浸してペストの膿疱(できもの)にあてることもできます。

その花(青っぽい花です。)は蟻塚に投げ込むと、すぐに血のように赤くなります。

このハーブをワインで煮て肉と一緒に食べると、消化を助けるという点で胃に非常に効果があります。花を根と一緒に潰して痛風箇所に石膏状に塗ると、痛風の熱の痛みを抑えます。

この膏薬を帯状疱疹に塗ると、強力な熱を驚くほど取り去ります。


エンダイブおよびチコリの蒸留水の素晴らしい効果

エンダイブの蒸留に適した時期は5月下旬で、葉は(蒸留前に)茎から摘み取って細かく刻みます。

エンダイブの蒸留水を1日に朝晩2回、1回につき2オンス飲めば、乳房の矯正と停止に役立ちます。この処方は子供を持つ女性が乳房を強化し、感覚を改善するのに有効です。

エンダイブの蒸留水をオオバコの蒸留水、ローズウォーター、およびアヘンを含まない白い薬用菓子と混合して軟膏を作れば、発熱して不調になった潰瘍と、特にプライベート部分(陰部)にできた潰瘍を短時間で治癒します。

ビロードアオイ・ウスベニタチアオイの根のジュース、バラとカモミールの油、サフラン、大麦の粉、卵の黄身を火にかけて混ぜ合わせて石膏状に塗布した上記の蒸留水は、現在(16世紀当時)、手足両方の痛風の治療法となっています。

エンダイブの蒸留水を朝夕、1回につきに4ないし5オンス飲むと、疫病を回復させ、王の悪(結核性リンパ節炎)を追い払い、のどの渇きが止まり、適量飲めば肝臓の熱が和らぎます。

これを朝晩1日に2回、1回につき3から4オンス飲めば、脇腹の差し込みや心臓周りの刺すような痛みに効果があります。リネンの布または麻の枕で熱い肝臓部分または体のどの部分でも発熱箇所に当てれば、熱を下げます。体のどの部分でも発熱が起これば同様ですが、あてているリネンの布が乾いたら、この蒸留水で濡らします。

チコリの蒸留に最適な時期は 5 月中旬です。スズ製のリンバー(淦水路?)で蒸留する前に葉茎と根を細かく刻みます。

チコリの蒸留水を朝と晩、正午に1回につき2オンス飲むか、飲み物と一緒に飲めば、胃の熱を取り除きます。

これを飲むかリネンの布に浸して心臓の場所に当てれば、心臓と胃が楽になり強化されます。

そして、これをリネンの布で肝臓に当てれば、肝臓の熱を和らげ、肝臓の不全を回復します。

このような方法で飲めば、生き物を疫病から守ります。これを飲むか、罹患場所にリネンの布で当てたりすれば、癰(よう)に効果があります。

またこれを頻繁に飲めば、吐き気を抑え危険な赤痢の下痢を止めます。

この蒸留水を同量飲めば、肝臓と精巣の不全を回復します。これでうがいして飲むと、口蓋垂と喉の腫れを和らげます。 これを頻繁に浴びたり、飲んだり、リネンの布であてたりすると、衰弱した人にも役立ち、毒のある獣に噛まれた場合も助けます。

花は朝に集めた後、バリー・マリーで蒸留して、適切に処方すれば、目の潰瘍、視界のかすみや暗さ、ピン、不透明、目の斑点、その他多くの痛みといった目のさまざまな障害に有効です。 


 

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