サフランは、古代ローマのプリニーによると「葉は冬至まで青々としており、それを収穫する。」(プリニウス博物誌植物薬剤編、大槻真一郎編、八坂書房)とありました。我が家のサフランも11月末まで青々していました。今年は日当たりが悪かったせいで花はとうとう咲きませんでしたが・・・
第23章 ガーデンサフランの準備と栽培に必要な管理と技術
ガーデンサフランに関して言えば、粗めの白亜質土壌で常時手入れされている場所を好みます。タマネギ(球根のことかも?)を収穫した直後の栽培ベッドがサフランを栽培するのに非常に向いています。 サフランはかん水や湿気を嫌います。そのため、耕したベッドに畝を作ってそこに球根を植え付ける必要があります。そうすればサフランが嫌う湿気は低い畝間が受けてくれるからです。
これに加えて、ネズミやモグラはサフランの根や球根を盛大にかじるので、ネズミやモグラがいるとサフランの球根部が損傷を受けます。この 2種の厄介な獣への対処法は、本書の第1部で十分に示しましたので、そちらをご覧ください。
サフランの種子は(土に蒔いても)うまく成長しないので、タネを蒔くよりもむしろ球根を植えるべきです。
球根を4月か5月に畝の頂部に植え付けます。植え付ける前に球根は太陽光の当たらない日影の塚の上に8日間置いて枯らしておきます。それを、毛のような根ごと植えます。植え付け間隔は手幅の半分とし、深さは指 3本分とします。そうすれば8月中旬から9月中旬以降に確実により良い収穫が期待できます。2、3年植えたままにしておきます。毎年 4、5月になって葉が乾燥したら順番に取っていきます。そのほかは生やしたままにして、指2本分土を盛り上げます。その際、球根に触れないようにします。(九州の夏は暑いので、掘り上げて涼しい場所に保管するかな?秋になってから再び植えて10,11月頃花が咲く?)
その後、きちんと管理します。 花がしおれたようになった時、 特に8月の収穫期に向かう頃、開花は1か月以上続きません。花は朝、太陽が昇った後、集めて、穏やかな火で乾燥させた後、革のバッグにまとめ入れ、乾燥した閉ざされた場所で保管します。
そして、これは驚くべきことですが、記しておく価値があるでしょう。それは、根や球根部が土からかなり突き出ている場合、開花シーズンには満開が1-2日続く花を咲かせるのですが、その後、球根は(栄養を奪われて)枯れ、腐敗してしまいます。
葉は冬の間ずっと新鮮な緑色で、球根は水分を豊富に含み、寒い季節に耐えるのに十分な強さがあります。サフランを植えて3年目に掘り出すと、各球根に5つまたは 6つの球根ができていて、それは地中で結合していることがわかります。
この最高のサフランは、新鮮で、優れて色が良く、種子が宿る上部は白く、赤みが混じっています。チャイブ(分葱状の部分?)も簡単には壊れません。 手でこすると肌に色が着き、やさしい刺激のある心地よい味わいです。 この最高のサフランはオリエンタルサフランと呼ばれています。
サフランの薬効と利用方法。
アイギネタが証言しているように、サフランは 2度の熱性と、1度の乾性を持っています。 サフランは、革のバッグに入れて乾燥した場所で保管すると、完璧な効力を5年間維持します。
良質のサフランを1スクループル*か、1/3ドラムと、純粋なムスク半グレイン**を、最高のホットワインと混ぜ合わせて、空腹時に飲めば、何らかの原因で生じた呼吸不全に対する特別な治療になります。
*古代ローマの重量単位だと1/24オンス、薬量単位だと1.296g)
**20グレインで1スクループル(1.296g)
サフランは飲む人に新鮮できれいな血色をもたらし、心臓を癒します。浄化して健康な血液を作り、心臓から毒を取り除きます。食事でサフランを摂取すれば、呼吸が深く楽になり喘息に効果があります。
内なる感染症やペストに対して、サフランで多くの病を防御できます。
糖蜜とマスタードシードを空の卵殻にぴっちり入れて、他の香辛料と一緒にして舐剤を作り、これをなめれば、発汗によって毒や感染源を追い出してくれます。
この舐剤の利用は、胸の中の膿瘍とそれにともなう短い呼吸に効果があり、精巣を修復し、性器の ?(a••e) を動かし、催尿効果があります。
また、これで膏薬を作れば、激しい頭痛や苦痛にも効果があります。すなわち、サフランガム、アラビックガム、ユーフォルビウム***、ミルレ****をそれぞれ同量取って、細かく粉にした後、卵の白身で練って、膏薬にして額に塗ります。この膏薬は役に立つこと間違いなしです。
***黄色または茶色がかった非常に刺激的なガム樹脂
****ミルラなどの樹種から得られるガム樹脂。
サフランを食事または飲物のいずれかで摂取すれば、尿や出産予定日を生じます。これはまた、特に甘いワインまたはマルムジー*****で飲めば黄色い黄疸の人も治癒します。さらにこれは、乳房、胃、肝臓、肺、腎臓、膀胱の潰瘍に大きな効果があります。
*****マデイラ産の甘口のワイン
痛風の激しい痛みには、サフランを多量にとり、卵の黄身、バラ油、バラの蒸留水で作った軟膏にして羽で痛む箇所に塗ります。サフランを白パンくず、牛乳と一緒に沸騰させた後、腫れ、膿傷および潰瘍に湿布すれば、腫れと痛みの両方を大幅に和らげます。そして、膿傷を強力に和らかくして膿を出します。
サフランをアヘン、大麦粉、牛乳、卵白と混ぜて軟膏を作り、痛みのある場所に塗ると、すぐに苦痛が和らぎます。(ビタリス が書いているように) サフランは、弱った心臓と胃の衰弱を大幅に改善します。サフランは麻痺のある人に効果があり、麻痺して固まった部分を和らげてくれます。Oxicrocie(懺悔の秘薬???)と呼ばれる所以で、まさに有益であるからです。
サフランはバラの葉と一緒に粉末にし、卵の黄身と混ぜたものを膏薬のようにリネンの布に塗って目に当てれば、目の出血やその他の傷の痛みを取り除きます。サフランは、特にワインと混ぜて膏薬のように塗ると、どんな目の腫れや痛みも取り除きます。
サフランを母乳と混ぜて塗れば、目の薬になります。 サフランは煮詰めたワインと一緒に飲めば、酩酊を取り除きます。 また、サフランの粉をワインに溶かして飲めば、飲みつぶれることはありません。 さらにこれは耳の治療にも非常に効果があります。
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