2022年12月31日土曜日

Navew(ナビ、カブの一種):「The Gardeners Labyrinth」第56章

本章のNauewesはカブの1種のNavew(ナビ)のことかと思います(間違ってたらごめんなさい)。ナビは今となってはターニップに収れんしちゃったみたいです。本書でしょっちゅう出てくる古代ローマの偉人プリニーが書いた大古典書「プリニウス博物誌」で“ナプス”と書かれているものがナビだと思います。ナプスの防虫対策はカラスノエンドウを一緒に蒔くことだと書かれてました*。

*プリニウス博物誌植物編、大槻真一郎編、八坂書房

第2部24章 ナビ(カブの一種) の上手な播種と栽培に必要な技術と管理



上図がナビ(左:ナビ・ジェントル、右:ワイルドナビ)
下図がターニップ(左:グレートターニップ、右:ロングルートターニップ)
どちらもカブですが、ナビの方がニンジンっぽい形です。
(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)


ナビはターニップ(洋種カブ)と同様、よく耕して整えた土に播種します。園主が鋤を入れた土地に植えれば、どのような気象にも耐えることができますが、乾燥した、どちらかというと痩せていて砂利混じりの、よく耕やされた土地を好みます。

よく耕した細かい土にタネを蒔けば、よく繁茂します。りっぱなナビを作るには、3年以上経過した種子でないことを確認してください。種子が古いとキャベツ(アブラナ)になってしまいます。

密集して発芽した場合、間引きます。間引いた苗は別のよく整えた場所に間隔を空けて移植します。これらはまた、成長するにつれて丁寧に除草し土を耕してやる必要があります。そうすれば、より大きく、よりりっぱに成長するでしょう。8月に採った種子をよく耕した土地に丁寧に蒔きます。

種子を蒔くには地面が雨で十分に湿るまで待つ必要があります。降雨後すぐに蒔けば、順調に迅速に発芽します。しかし、いずれにせよ、園主や庭師は日陰に蒔かないように注意する必要があります。

日陰の場所は、地面は肥沃でよく手入れされていても、植物にとって不適であり有害だからです。

同じ土地に何回も蒔くと、ナビはターニップに変わり、ターニップは ナビに性質を変えます。

園主は11月にナビを収穫する必要があります。そして冬の間ずっと保存するために、地下室の砂の中に根部を埋めておかねばなりません。そうすれば、冬の間だけでなく早春の四旬節の頃まで食べることができます。

根部がかなり長く、歯ごたえがあって、大きすぎず、1本だけがまっすぐで下向きに尖っているのが価値の高いナビです。

ナビと合わせるのに最高なのは、ラディッシュの根部、少量の塩、ハチミツ、マスタード、おいしい香辛料、酢を加えたものです。香辛料なしでも作ることができ、健康的で有益な取り合わせです。


ナビの薬効

偉人ガレノスは、ナビについて2度の熱さと 1度の湿気の性質を持つと報告しています。

ナビはやわらかく茹でれば栄養たっぷりですが、そうしないとほとんど消化されません。茹でれば、水分を含んで膨らみ柔らかい肉質になりますが、ターニップよりも小ぶりです。ターニップは前もって茹でる必要がありますが、ナビの場合はまず最初に水で茹でた後、さらに2番目の水で丁寧に茹でます。 そうすれば、硬さが和らげられ、長所を生かし短所を避けて栄養を引き出すことができます。

完全に茹でられていないナビは消化が悪く、静脈の血行調整や自然な力を止めてしまうのに加えて、体に過剰なガスを生じます。従って、きれいな水で2回茹でて、胃でより多くの栄養を消化できるようにします。3回目は最も脂肪の多いスープに移し、そこで十分な柔らかさになるまで煮てから食べます。もっと消化をよくするためには3回目は新鮮な牛乳で煮ます。

種子を砂糖と混ぜて食べると、精子を増やすことができます。種子を潰して飲めば、毒に対して特に効果があります。これを蜜蝋と混ぜて塗ってもこの効果が得られます。


0 件のコメント:

コメントを投稿

19世紀末の園芸施設:10. 栽培温室---両屋根(スパン)ハウス

現代でも最も一般的な 温室屋根形状である両屋根タイプのハウス(スパンハウス)の記事です。現代の商業温室ではこれ を大きく、かつ多連棟化して大面積にしています。それ に比べると、19世紀の両屋根ハウスは面積も高さもかなり小さめで、今で言うところのホビー用温室、家庭菜園用温室といった...