2023年1月29日日曜日

Cucumber(キュウリ):「The Gardeners Labyrinth」第61章

庭のヤサイは庭師らの選抜によって古代ローマ時代から本書の16世紀まで徐々に改良されてきたと思うのですが、栽培技術は古代ローマ時代からの引用が多いです。そのせいか、古代ローマで愛されたキュウリについての本章は結構ボリュームがあります。

今は厳寒の最中ですが、春めいた日がときどき出てくるようになるとキュウリをかじりたくなりますよね。早めに収穫する方法について古代ローマから16世紀の当時まで伝えられてきたことが書かれています。そしてそれが19世紀の温床や温室の集大成につながるんだろうと思います。

第2部29章 キュウリの播種と栽培において知るべき技術、管理、秘訣。

キュウリ
(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)


昔、古代ローマ人はヘチマ類とキュウリを区別することもあれば同一視することもありました。プリニーもそうでしたし、アテナイ人エウティデモスはポットハーブについて書いた自身の本の中で、同じものをヘチマと呼んだりインドキュウリと呼んだりしています。エラシストラトスの弟子であるメネドルスはこの2つは別の種類であると定義しました。彼の言うインドキュウリがキュウリのことであり、もう一つは一般的なヘチマで別種であるとしました。さらに、キュウリは(ヴァロの文によれば)その曲がった形からつけられた名前であり、ギリシアの医師はそれをシキュオンとシキュスの2つの名前で呼びました。というのは、(デメトリウスが書いているように)キュウリに含まれる冷たさが性的な行為を止め、抑制するからです*。

*「シキュオン」「シキュス」は何か性的なものを連想させる言葉なのかも。

しかし、これらの2種の区別についてさらに述べることは置いておいて、キュウリの適切な栽培管理についてどのような注意が必要かをお教えする事に取り掛かりましょう。

ナポリのルティリウスの教えに従えば、キュウリは畝に厚蒔きにならないようにします。キュウリは 1.5 フィートの高さになります。畝幅は3フィートとし、畝同士は 8フィート、間隔を空ける必要があります。そうすればキュウリは(生育中)自由に這い広がることができます。

発芽後、レーキをかけたり雑草を除く必要はありません。なぜなら、最初に発芽さえすればキュウリは他のハーブのあいだで生長することを好み、より良く繁栄するからです。他のハーブはキュウリを助けて大いに強くしてくれます。

キュウリの株は地面に長く伸びて這いまわり、ブドウのように枝分かれして広がります。キュウリの茎は弱いので地面に支柱を立てて生長を支えなければ、そのツルは地面に広がって伸びることとなります。この支柱は弱い枝やツルをより良い状態に保ち、キュウリの実が地面に横たわって腐敗するのを防ぐことができます。

種子の大部分は播種後 6〜7日目までに発芽して地表に現れてきます。

その期間、蒔いた場所は容器に蓄えた水で十分に湿るようにしておきます。すなわち、水を蓄えた容器の口から布のへり地か毛織物を垂れ下げて、絶え間なく水がしたたり落ちるようにします。この水やりの方法はフィルタリングと呼ばれます。

このような水やり方法は必要とされる最も重要な技術の 1つであり、これによりキュウリは繁栄し、多くの湿気が与えられて生長が最速で進み、キュウリが大変好む状況をもたらします。

ただし、これを非常に邪魔するものがあります。霜や冷たい空気は非常に恐しいものです。

そのため、このような寒い時期にはフェンスを立てて、そこにわらのマットレスを丁寧にかけてやる必要があります。

熟練者ルティリウスが書いたキュウリの栽培書には、タネを蒔く3月から5月中旬までは寒さや霜の危険があるので、わらのマットレスで栽培ベッドを覆うように、と書かれています。

その時点で、よく耕したベッドに株を移植すると、生長して地面に厚く広く這い回りますが、土と糞で十分に整えたベッドに植えて1フィート以上の高さにして育てれば、もっと多くの収穫をもたらします。

タネを土に蒔く際には、栽培ベッドに1列に並べた種子がお互いに2フィート離れるように注意する必要があります。

ここで、種子が8〜10日目までに割れて発芽したかどうかを調べて、種子がまだ硬いかすでに割れているかで種子の良し悪しを判別できます。

しかし、これと逆に柔らかくなっている種子は無益であり、投げ捨てられるべきものです。その場所にはタネを新たに蒔く必要があります。6〜8日目まで様子を見て、そのタネが割れたか逆に柔らかくなっていないか調べて、柔らかくなっているようなら上記のようにまた新たにタネを蒔き直します。

発芽後、十分立派に育っている限り、除草する必要は一切ありません。他のハーブの中で育つことによって、そこから栄養が取れるからです。

タネは蒔く前に、ルティリウスが言ったように羊の乳に2日間浸すか、プリニーが指示したようにハチミツ水に浸すか、砂糖水に浸すと、キュウリは完全に生長した後、甘く柔らかく白く、そして味も見た目も最高の実を収穫できます。偉人コルメラが認めたように、そして彼の前にはギリシャのフロレンティヌスが、また、コルメラやフロレンティヌスの後にはプリニーとパラディウスが全て経験を通してこのことを確認しています。

キュウリを適期に迅速に、まして一年中収穫するには(ナポリ人の教えに従って)春の初めに古い使い古したバスケットやへこみのない土鍋に、細かくふるいにかけて前もって肥やしを入れて調整し水でいくらか湿らせた土を満たす必要があります。これにタネを蒔いた後、このバスケットや土鍋を暖かく晴れた日が続いたり、穏やかな雨が降ったりする時に屋外に置けば、太陽や少しの降雨によってキュウリは丈夫になり、元気に育ちます。

ただし、寒い季節のあいだは霜や冷気から守るため、夕方が近づいたらこれらに保温のためのカバーをかけるか地下の室(むろ)に入れてやる必要があります。このように、カバーの下または暖かい地中に置いて、時に応じて水でやさしく湿らせます。

そして、あらゆる霜、嵐、冷気が通り過ぎるまで、このような賢明な管理を続けます。通常、私たちのところでは5月中旬頃まで霜、嵐、冷気は止まないのでその管理を続けましょう。

この後、適切な機会や日が訪れたら、前述のように、よく耕して刈り込み手入れしていた地面にこのバスケットまたは土鍋の縁の深さまで、またはそれより深く地中に丁寧に埋める必要があります。

こうすれば、他のどの作物よりもずっと早い時期に適期のキュウリを楽しむことができるでしょう。

こうして、(余分な枝は切った後)よく手入れしたベッドにそれらを植えれば、より容易に、より短期間で立派なキュウリを収穫できるでしょう。

学ぶ必要があると私が考えるのは次の1点です。

毎日、半分に切った容器、バスケット、または土鍋を外に出したり室に運び入れるといった手間と苦労は、より大きな道具を利用することで避けることができます。

容器にキュウリを植えた(ポット栽培)の場合、手押し車または車輪付きの似たようなものがあれば、外に出す時も、再び室に運び入れる時も、この頻繁な出し入れの作業は驚くほど楽になります。

若い株を寒く激しい風、霜、冷気、暑い太陽から守るには、その目的のために用意したガラスをベッドに置いて若い株を覆うようにします。この方法でティベリウス・カエサルへ一年中キュウリが献上され、彼はキュウリを毎日楽しむことができ、大いに喜びました。偉人コルメラの後、学識者プリニーがこのことを記録に残しています。

ただし、コルメラが書いているように、より少ない世話と労力で、同じことができます。

日当たりが良くよく肥えた場所 (と彼は言っています) にヤナギやブラックベリーのようなイバラといった雑多な枝を一列にして土に挿して育てます。秋分後、土の中で少しその頭を切り取り、硬い木の棒で刺して穴を作って大きくした後、ヤナギかイバラのその真ん中の穴に柔らかい糞を詰めます。こうしておいて、キュウリのタネをその場所に入れます。ある程度大きくなったら、キュウリはヤナギやイバラとの接ぎ木になります。

このように上手に接木したキュウリは、自分自身で養分を吸収するだけではなく、いわば別の母根からの養分も受け取ることになります。これにより、通常は寒い季節と霜で傷つけられるキュウリを収穫できるというわけです。

博学なプリニーはこれに問題があると言っています。コルメラの間違った指示についてここで読者の皆さんに忠告いたしましょう。

コルメラは一人の著者の主張を根拠なく述べたようです。そのため、コルメラの誤りを修正したプリニーの文章は大いに参考になるでしょう。

キュウリは一年中青いものを楽しむことができ、そのためにプリニーは次のように指示、主張しています。すなわち、

イバラの最も優れた小枝を日当たりの良い場所に挿木して、春分または3月中旬頃に指2本程度の長さにカットします。そしてその頭部に大きな穴を作った後、キュウリのタネを特にイバラの髄に埋め、柔らかい糞で満たします。それから、肥えた糞と細かい土を十分混ぜて、厚めに敷いてその根の周りに丁寧に塚を築きます。それが寒さを防いでくれます。

しかし、どのように扱われるべきであるにせよ、プリニーはこの指示の中でコルメラに同意していないことが十分読み取れます。

プリニーはこの作業を春分の頃に行うよう主張していますが、コルメラは秋分の頃としています。ナポリのルティリウスはコルメラと同様の解釈を記していて、彼はコルメラに同意しているようです。

キュウリは雷と稲妻を非常に恐れます。そのため、庭師は雷鳴のある時にはキュウリを植えたり抜いたりすることはできません。また、大嵐や嵐が発生した時、柔らかい実をシートや薄いカバーで覆っていないと、通常はその後に滅びて枯れてしまいます。

長くて柔らかいキュウリを手に入れたいと思っているなら、若くて成長中の実の下にきれいな水で満たされた土鍋、ボール、または半分に切ったチューブを、指5本か6本分あるいは半フィートの距離をとって置く必要があります。翌日までに、キュウリの実は水のところまで伸びているので、土鍋をその下に低くして設置したり、実を高く上げたりするとキュウリは水に向かって先が伸びるのを毎日目撃するでしょう。その長さを園主は賞賛します。キュウリの実が器から水を奪っていくのに反比例して、キュウリの樹体は曲がりくねって長く這い伸びるでしょう。

キュウリの花がエルダーの木で作った杖の中空のパイプの中で成長するようにセットすると、驚くことに実もこのパイプと同じような長さに成長します。

なお、キュウリの油に対する反応についても学ばなければなりません。なぜなら、キュウリは(プリニーが書いているように)実の下に水の代わりに油の容器を置かれるのを徹底的に嫌い、その後、キュウリの実は油を避けるように曲がりくねります。一晩毎のペースでキュウリの実が鉤針のように曲がっていないかをよく確認する必要があります。

コルメラが (ギリシアのフロレンティヌスにちなんで) 忠告しているように、特別な注意が必要です。月経中の女性はキュウリの実に近づき、特に実を触ってはいけません。キュウリは弱り、枯れてしまうからです。

そういった場合、キュウリはこの影響を受けて若い実を殺した後、キュウリの樹体は見た目上は回復したように見えますが、結局、その後の実は不快な成長をとげるか、さもなければ腐敗します。

ナポリのルティリウスが記しているように、播種する 3日前に種子をゴマ油、またはナポリのルティリウスが記しているジュニペルス・サビーナの油に浸すか、またはPlinie Culixという名前のハーブジュースに浸すとキュウリはタネなしの実を実らせます。ギリシャではイギリスノミトリ草類のConizaを利用したと推測します。(←古代ローマの受け売りで現実味はないと思われます。)

タネなしの実を作る似た方法があります。最初の茎や枝(ツルの状態によります)の頭だけが地中から見えてきたら土を掘って頭1/3がむき出しの状態になるようにします。その茎・枝が伸びて大地に広がったら、巧みな技術で切り落として、必要な茎と枝だけを残します。そのようにうまく処理すれば、その直近の出芽からの実はタネなしとなります。

キュウリの実をローマ文字の形や奇妙な形にしたり、お絵描きや紋章を緑色の外皮にエンボス加工のように描き出して楽しみたいと思うなら、木型にその形を生き生きと彫って、陶芸粘土かパリの石膏で指の太さの厚みまで包み、2つに切り分けて、早く使用できるように晴れた暑い場所で乾かします。この木型と同じくらいの大きさと長さの若いキュウリの実を選んでこの中空の粘土型に入れ、ピッタリと閉じてぶら下げておけば、粘土型いっぱいに実が成長します。これは楽しい作業であり、型枠いっぱいに成長したら収穫できます。

熟練した人の報告によると、その特性として若い実は新しい形に非常にあるいは驚くほど変形します。そのため、若い実を巧みに作られた器や型にはめると、あたかもその真剣な意志と欲求に従うように、内部に造られた形をそっくり再現します。ルティリウスはその農業書の中で、このことをガルギリウス・マルティアリスからの言い伝えとしていますが、私にはそれが確かかどうかわかりません。

手短に言えば、木枠に向かって実が生長してくると木枠通りの形になります。実の多くは(プリニーの報告によると)その表面にドラゴンが巻き付いているような形になります。

新鮮で立派なキュウリを長期間楽しみたいなら、白ワインの中に実を壊したり返したりしないで並べて入れ、その後、その容器を乱暴に動かしたりしないで、天井の低い倉庫やアーチ構造の地下室に入れて砂を山のように盛ってその容器を覆います。

キュウリは水と塩でできた適切なピクルス液に漬ければ長持ちします。

しかし、キュウリの実の新鮮さとおいしさはもっと長く保存することができます。農業書の指示によれば、樽か木製の容器内の4分の1またはそれより少し少なめに実をできるだけ高く吊るし入れます。ぶら下がっているキュウリの実は決して酢に触れないようにします。

そして、その容器はそっと静かに扱います。酢の力が決して息を吐き出さないようにします。そうしないと、酢は本来、実の薄い部分を浸透または突き刺す性質があるからです。

こうすれば、冬の間じゅうずっと、食べたい時においしいキュウリのサラダを作ることができます。

熟練者の報告によると、キュウリは最も純粋な蒸留酢で満たされたガラスの容器に入れられれば、新鮮で青々とした状態を最も長く保ちます。園主が望むなら実がまだ若くて小さいうちに切り取って長く保存することもできます。

火傷するような熱湯を入れた容器にこのきゅうりを入れて、それが完了したら、取り出して一晩中外に置き、完全に冷やします。その後、キュウリを水と塩でできた刺激の強いピクルス液で満たした容器に入れたら、前述の方法のように、新しい実ができるか入手できるまでずっと保存しておくことができます。

古代ローマの人の報告によると、キュウリとヘチマは容器に並べて入れて塩、酢、フェンネル、マジョラムをパラパラとふって一緒にピクルスにすれば長期間保存できます。

別の方法もあります。酢とマスタードシードで作ったピクルス液にキュウリを入れると、新鮮で緑の状態が長期間保存できると言われています。

博識なプリニーは、キュウリを日陰の場所に作った畝に置いて、ふるいにかけた砂をベッドの形にまき散らし、土と乾いたわらで覆うようにしていました。

アテネウスは、キュウリは月が満ちているときに最も大きく、目に最も美しいと言っています。月の光の強さに合わせてキュウリに含まれる水分が増加するからと報告しています。

そのため、庭師がきれいで大きなキュウリを楽しみたいのなら、満月の時に収穫しましょう。月が痩せたり欠けたりしているときは、実は細くなり、売る場合も見栄えがよくありません。

これに加えて、このアテナイオス(プリニーの支持者)は、どれほど頻繁に雷鳴や稲妻を受けたかにより、キュウリは(恐怖に襲われたように)非常に頻繁にねじれたり曲がったりすると付け加えています。

大変驚くことに、ラバやロバはキュウリに非常に夢中になって、遠く離れた場所のキュウリの味を嗅ぎ取り、驚くことに、その美味しさに誘われて何度もキュウリを育てている場所に突進します。

そのためには、周囲に生け垣や堤防を頑丈に作らなければなりません。そうすれば、キュウリを踏み荒らしてダメにすることは決してありません。

しかし、キュウリについてさらに驚くべきことがあります。それはギリシアの農業指南書に記されていて、証明がたくさんなされています。すなわち、急な発熱にうなされた、まだ母乳を吸っている乳児をキュウリで作ったその子と同じくらいの大きさのベッドに横たえて眠らせます。 このキュウリのベッドで少しの時間、昼寝程度でも眠れば、その間にキュウリの効果で発熱がすっかりキュウリに吸い取られます。

もしほとんど水のない土地でキュウリを楽しみたいなら、適切な深さの畝を掘って作り、そこを半分、籾殻、かブドウや樹木の廃枝を細かく折ったもので満たします。そして土で覆って、そこにタネを適度な間隔を空けて埋めます。発芽中は水やりしたりあるいはほとんど湿らせません。しかし、その後は前に教えたように管理してください。


身体を解き、浄化することに関して。

ルベルベ、タービス、アガリッケ、エルボールなどの野生のキュウリの根を潰すか絞った液体に種子を3日間浸し、そして5日間まとめてキュウリを発芽させた後、頻繁にこの液体でキュウリの株を湿らせます。そうしてできたキュウリの実はお腹を優しく浄化してくれるでしょう。

キュウリが枝を伸ばしている間に、根のあたりを掘り起こして、上向きに生えている小さな根を切り落とし、その場所に大量のヘレボレス(クリスマスローズはその1種)かその他の簡単な清めになるものを置いて、丁寧に土で覆えば、キュウリをより強くすることができます。


薬草としてのキュウリとその使用方法。

栽培種のキュウリは2度の湿性と冷性をもっていますが、種子は乾いていて、1度または2度初めの乾性をもっています。

Dyphilus Carystus(ギリシア人の間で非常によく知られた医学者で、農業にも精通していた)は、肉は消化が良くないので、食べた後に休憩したい場合、夕食の始めにキュウリを食べることは、ラディッシュの場合と同様、禁止していました。しかし、キュウリを食事の最後に食べることは、肉の消化を容易にし、消化できなければ多くの場合、食べた肉を吐き出させるとしました。

種子を包んでいる固いさやの部分は消化しにくいですが、より柔らかい繊維や中の果肉は、はるかに速く簡単に消化されます。コレラや熱くて乾いた胃に効果があります。適切に食べれば胃を冷やし、かつ喉の渇きを癒してくれます。

キュウリはまるごと、酢や毎日の労働する体に必要な塩で適切に食べることができます。

しかし、労働しない人、または痰気質の人にとっては、こういった食べ方はすべて否定されます。

これは、特に胃と腱に大きな害を及ぼすからです。しかし、(上手に蒸留された)キュウリ水と漉されて透明なキュウリのジュースは急性の発熱を取り除き、喉の渇きを和らげます。

キュウリは水に浸して食べるのではなく、油と酢をつけて生で食べるべきであり、良い実というのは完全に熟した状態で収穫したものか、手に取ってやや軽いと見分けられるものです。

キュウリの種子を潰して飲めば、強い尿臭を和らげますが、キュウリのタネの煎じ薬はこれにもっと効果があり、腎臓の熱を和らげます。熱と熱による渇きを和らげてくれます。

前述のディフィルスは次のように述べています。キュウリの種子には冷却する特性があって、そのためほとんど消化されず、そのまま腹部の曲がりくねった部分(腸)に送られます。種子は(彼が断言するように)確かに大きな寒さを引き起こし、黄色い胆汁を生じさせ、そして性的衝動が減退します。

キュウリの種子は潰して煮詰めたワインかミルクで飲めば、潰瘍性の膀胱を持つような人に非常に効果があります。3本の指でうまく持ち上げられるくらいたくさんの量の種子をクミンと一緒に潰してワインで飲めば、こういった人や咳で苦しんでいるような人を短期間で癒すことができます。

前述の種子を潰した粉を母乳に入れて、1回に最大で3オンスまでの量を飲めば、パニック症状の人に効果があります。危険な赤痢の下痢にやられたような人はこの粉と同程度の量のクミンの種子を一緒に粉状にして飲めば、腐敗物や問題となる物質を吐き出させ、回復させます。

キュウリ全体と果肉は洗浄効果とバラバラに切り離す特性をもっています。これは体をきれいにし、さらに、種子を乾燥させ細かく叩いて焼いたものはクレンジングパウダーの代わりになります。

博識者のガレノスがキュウリの用途と特性について書いた書物には、学ぶ価値のある方法が述べられています。すなわち(彼が言うには)胆汁の消化に良いので気にせず一度にたくさん食べたりするけれども、時間が経過すると冷たさが増して体液がある量増加して、その中で消化することができず、その後、健全な血液を壊すことになります。

その理由から、私は邪悪なジュースと栄養を含む肉を控えることが有益であると判断している(と、彼は言っています)。ただし、特定の人の場合は簡単に消化できる可能性があります。

私たちにとって、それに注意せず、気にかけないと(かなりの時間が経ってから)静脈に邪悪なジュースが集まり、ちょっとしたきっかけによっていったん腐敗するやいなや、ただちに燃え上がり、邪悪な熱を引き起こします。これらはキュウリの欠点として、これまでガレノスが述べていることから引用されたものです。

 

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