第２部28章 ガーデンポピー（ヒナゲシ）の播種と栽培において求められる熱心な管理と技術。
ガーデンポピーは（ナポリのルテリウスの教えに従えば）暑く乾いた気候の地域なら9月に植えるべきです。
しかし、より涼しい温暖地域なら2月中旬から4月終わりまでタネを蒔くことができます。タネは栽培ベッドのキャベツの株の間に蒔きます。
タネを蒔こうと思っている場所がブドウの枝や他の木の枝を燃やした土地なら、ポピーはより良く育つでしょう。
簡単に言うと、ポピーとディルのタネは、以前に述べたように、ハーブのチャービルやハマアカザと同様の蒔き方と丁寧な育て方を必要とします。
ガーデンポピーの薬効。
他のすべての種類と同様に、ホワイトポピーは 4度の冷たさをもち、夏に収穫する際にすでに完全に熟した種子なら 5年間保存することができます。
ガーデンポピーの緑のケシ坊主（果実）はハチミツの濃さになるまで煮れば、多くの苦痛に効果を発揮します。これを処方すると、熟睡が得られ、咳がなくなり、お腹に塗れば下痢がおさまります。
ポピーの種子（ケシの実）は（粉末にした後）新しい牛乳またはブロス（だし汁）と混ぜて、子供たちに温かい飲み物として与えると、子供は眠りにつきます。
この実を潰してバターのトーストに塗ったものは子供たちを眠らせます。砂糖と混ぜたこの実を食べれば、衰弱した患者をぐっすり眠らせるという驚くべき効果を発揮します。
ポピーのシロップは次の方法で作れば、病気の原因となる体液、咳、および睡眠不足に役立ちます。
*クイソメリックを含む松の種のガムから抽出された甘く白い結晶物。
白と黒の両方のポピーの新鮮なケシ坊主（果実）を取って、メイデンヘアー12オンス、 リコリス2オンス、微量のツイウバエ（においのするナツメ？）、レタスの種子30粒、マロー（ゼニアオイ）5オンスとマルメロの種子1.5オンスを 加えた4パイントの水が 2パイントになるまで煮つめた後、布で漉し、そこに砂糖とスモモ1ポンドを加えてシロップを作ります。これは乾いた咳、肺の消耗、病気の原因となる体液、睡眠障害を回復させます。
白か黒のポピーの種子に女性の母乳と卵の白身を加えて作った膏薬をこめかみに貼ると、睡眠が得られます。
白いポピーの種子か葉・茎を（バラの油で練った後）打撲によってできた潰瘍に塗布すると、熱出しになります。これを熱をもった肝臓に塗布すると非常に効果があります。
白いポピーの種子の粉末をオリーブオイルと混ぜて背中の背骨上に塗ると、関節の痛みが消え、関節が強化されます。潰してオリーブオイルと一緒にした種子を頭の周りに膏薬のように塗布すれば、 安息が得られるだけでなく、ぐっすり眠ることができます。
眠れない患者は、くだんのビーズ（ケシの何らかの成分を入れたビーズ、カプセル？）を壊して、加熱後、できたジュースで顔を洗えば睡眠効果があります。
ギリシアのポピーのケシ坊主（果実）を骨のような厚みになるまで煮れば、多くの病気に効果をもたらします。これを摂取すれば睡眠でき、塗れば咳を取り除き、お腹の下痢を抑えます。
ポピーのジュースにローズオイルを混ぜて足に塗ると、痛風の激痛を取り除きます。
白いポピーの種子を粉にして、スミレオイルと混ぜ合わせ、背中側から背骨に塗れば、寒気と肝臓の熱に効果があります。
白いポピーの蒸留水の薬効。
白いポピーを蒸留するのに最も適した時期は 6月の初めで、細かく刻んだ葉や茎を錫製の蒸留器に入れて弱火で蒸留します。
この蒸留水で日に2回顔を洗えば、顔の赤い斑点に効果があります。これで手を洗えば白い手になります。
この蒸留水を就寝前に一度に最大で4オンス飲み、こめかみか手首の脈を打つ部分に塗れば、安息が得られるだけでなく、安眠できます。これはまた熱の上昇による頭痛も和らげます。
この蒸留水で湿らせたリネンの布を熱を帯びた患部に当てれば、熱が消えます。この濡らしたリネンを頻繁に取り替えることによって日焼けによる火傷を鎮める効果があります。
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