2023年3月18日土曜日

the herb Betony(ベトニー) :「The Gardeners Labyrinth」第67章

本書に登場する花はすべて実用目的の薬草として扱われています。しかし、16世紀の知見によるものなので、薬草やハーブが専門の人以外の現代人はあくまで当時の雰囲気をめでるにとどめるべきでしょう。

その中でも本章のベトニーは長くのびた茎に1本の穂状にピンク〜紫の小花の列をつけるので、スレンダーで華やぎがあって、鑑賞用にぴったり。寒冷地向けの宿根草だそうで、九州で見ることのできる場所あるんでしょうか?

本章、判読できなかったところが多めです。😆

第2部35章 ハーブのベトニーを育てるには勤勉さが必要。

(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)

ベトニーは、細い四方形の茎を持ち、多くの場所で1フィート半(45cm)の高さに成長します。葉は長くて柔らかく、オークの葉のように周りがギザギザしていて、甘い香りがします。 大きめの葉が根の近くで成長して、茎の上部にはセイボリーのような穂にタネができます。根の広がりは小さく、花は紫色です。

ハーブのベトニーは、レンガや石壁で日陰になった湿った寒い地面に蒔かれるのを好みますが、この葉は太陽光を浴びるのが大好きです。

薬用植物としてのハーブ・ベトニー。

ハーブのベトニーは(学者の考えによれば)、完全1度または2度中位の熱性と乾性を持ち、切り刻むと酸っぱくてやや苦い味が感じられます 。

この葉・茎をその花と一緒にワインで煮て飲むと、げっぷを抑え、胃の胸焼けが改善され、胃酸の出が調整されます。

これは蒸留水にすることができますし、花の砂糖菓子、乾燥ハーブの粉末、あるいは蜂蜜漬けもつくられます。

このハーブをワインに入れて飲めば、子宮の病気に非常に効果があります。簡潔に言えば、体内のどんな悲痛にも同様の効果が期待できるということです。蜜酒のビネガーに最大1ドラムの量を加えて摂取すると、胃、血液、脾臓、腎臓、膀胱、子宮の有害な体液を送り出すことで効果を得ることができます。

毒を飲んでしまった人はワインにこの粉末1ドラムを混ぜて飲むと、排尿と排便によって害を逃れるでしょう。

このハーブを(水で沸騰させた後、)飲めば、てんかんやまひ、腰の痛みなどを持つ興奮状態の人に効き目があります。

このハーブは消化を助けます。夕食後に、前もって蜂蜜で煮たこのハーブを最大ひと粒の豆の大きさの量、摂取します。また、一晩ワインに浸して飲めば嘔吐を抑えます。

このハーブをワインで煮て飲めば急性の発熱を追い払い、蜂蜜水と一緒に2ドラム分を処方すれば皮膚の間の水分(むくみ?)や多くの体液を送り出します。

このハーブの粉末を1ドラム分、ワインと一緒に飲めば、黄疸を迅速に解消し、通経作用をおこします。

ワインで煮て濾したベトニーを3ドラムの下剤ヒエラピクラ*ガレム**と混ぜて空腹時に飲むと、おだやかなお通じになります(便をやさしく一掃します)。 蜂蜜と一緒に煮たベトニーは、体力の消耗を回復させ、肺の痰を排出します。

*アロエとカネラの樹皮から作られた下剤パウダー
**ローマ時代の医学者ガレノスの名にちなんでつけられたため?

アプレイウスが証言しているように、ベトニーを潰して膏薬のように頭の傷に塗ると、驚くほどの速さで傷を閉じて治します。まさにこれは骨折した骨を固定する特性を持っており、その力によって骨の破片を引き出し、凝固した血液を溶解します。

このハーブの粉末1ドラムをワインに混ぜたものは吐血を抑えます。

刻んだ葉を膏薬のようにして目に塗れば、結膜炎や翼状片をすばやく治します。また、このハーブの根を水が3分の1になるまで煮つめ、点眼すれば、目の痛みを素早く取り除きます。

このハーブのジュースをローズオイルと一緒に耳へ垂らすと、耳の中のあらゆる種類の痛みを取り除きます。胸に塗れば、息苦しさを和らげます。このハーブを食せば視界がクリアになります。

ベトニーは古いワインと酢で煮て、3分の1に煮詰めたものでうがいをすると[thach(?)]も取り去ります。

これをワインで飲むと、血色を取り戻します。ワインで煮て飲めば、脾臓の病気に効果があることは経験上確かです。

蜂蜜と一緒に2オンスの粉末を8日間続けて摂取すると、咳を鎮めます。

ベトニー2ドラムとオオバコ1ドラムを4オンスの温水で摂取すると、風邪をひく前の定期的な発熱(日常熱)を撃退します。

[?]を発作前に、純粋な蜂蜜1オンスに3ドラムの粉末を入れて与えれば、三日熱や4日毎のおこりの発症を驚くほど取り除きます。

膀胱の痛みには、煮たパセリの根3スクラップル***(前もってパセリーの根は1パイントの水で沸騰させて煮詰めておきます。)にベトニー4ドラムを追加して飲みます。[以下不明:・・・それは・・・、それが再び来た後、・・・・・。]

***1スクラップルは1.3g

ベトニーをワインに混ぜて飲めば、[?] は研ぎ澄まされ、膀胱の痛みを和らげます。まさにこれは[以下不明?〈◊〉の特定の治療において、ベトニーの粉末を飲めば、非常に効果的です。 〈…〉。]

ベトニーの根を葉と一緒に煮て3分の1ほどに煮詰め、これを水で飲めば、痛風の痛みが驚くほど和らぎます(経験上知られています)。葉を2枚の新しいタイルの間に挟んで熱し、おでこに当てれば、目の痛みを和らげ、その効果が持続します。これは、頭に当てるハーブ治療の中でも高評価を得ています。

ベトニーの蒸留水の賞賛される特性。

5月末頃にベトニーの植物体まるごとを集めて蒸留します。

ベトニーの蒸留水は、最も権威ある薬草医であるヒエロニムス・ブルンスイセンシスが目撃したように、朝、昼と夕方で一度に最大4オンスの量を飲めば、浮腫、黄疸、およびあらゆる発熱を解消します。

蒸留水は、腎臓、脾臓、肺の病気、およびこれまでに述べてきたすべての症状を和らげます。邪悪や悲痛が体以外に現れる場合は、その水を飲ませたりリネンの布をそれで濡らして当てたりします。


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