2023年3月25日土曜日

the herb Lovage(ラベージ) :「The Gardeners Labyrinth」第68章

オニアザミ、アンゼリカ、セイヨウカノコソウ、ベトニーと可憐な花を着ける薬効ハーブが続き、本章のラベージの後もエレキャンペーン、ペッパーワート、セロンダイン(クサノオウ)、メドウスイート(セイヨウナツユキソウ)と続きます。特にハーブ愛好家でないかぎり、日本でこれらを植える人は少ないのかなぁ?と思いますが、植えると中世の薬草園っぽい雰囲気の庭になりそうですね。

第36章 ハーブ・ラベージの上手な栽培には技術と勤勉さが必要です。

(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)

ラベージは道沿いや家のひさしの下で成長することを好み、日陰の場所でも繁栄しますが、特に水の流れの近くで成長することを好みます。

成長するにつれてオイル(オリーブ?)のように長くて細い茎を伸ばし、節があり、メリロットのような丸みを帯びた葉を着けます。葉には甘い風味がありますが、もっと柔らかくしなやかで、上部に向かって小さくなっていき、たくさんに分枝します。

茎の頂部にタフト(房)ができて、その中には黒くて硬く長いフェンネルの種子のようなタネが入っています。その味はシャープで甘い香りを持ち、黄色い花をつけます。地中の根の内側は薄い色をしていますが、外側は黒く、シャープで甘く柔らかく、果汁が豊富で噛むことができます。

この甘い香りのハーブはお風呂で使用されますが、その種子は非常に薬効があります。

ハーブ・ラベージ の薬効。

このハーブは3度の熱性と乾性をもっており、種子は 3年間薬効と特性を保ちます。

乾燥した根を潰したものは胃を嫌いますが、消化を助け、余分な体液を排出します。一度に重さ0.5ドラムまでをワインに入れて飲めば、すべての体内の痛みを抑えます。また、毒を追い出し、尿と月経を引き起こし、 アンジェリカと同様の薬効があります。

このハーブをワインか水で煮て飲むと、脾臓や精巣の閉塞を解きます。このハーブを潰してクミンと混ぜワインに入れて飲むと、非常に効果があります。これは胃を回復させ、腸から不快なガスを追い出すからです。

ハーブ・ラベージにガリンゲールとシナモンを入れてワインで煮たものを空腹時に飲めば、胃、精巣(脾臓?)、腸の病気を改善します。ラベージの種子、シナモン、ルバーブとガリンゲールで作った甘草の根のような粉末を同量の砂糖と混ぜて、ワインで飲めば、上記の病気に役立ちます。

空腹時にラベージの種子を一定量のワインで飲むと、体内の上向きと下向きの両方の流れを浄化することができます。煮た後の種子を光沢が出るまで形を整えたものは、足の痛風の痛みで苦しんでいる人を大いに楽にします。

白ワインに一晩浸した種子を空腹時に飲めば、出産を強力に引き起こします(通経作用がある?)が、それ自体の種子は内服薬として強過ぎます。 膏薬のようにして貼れば、潰瘍を壊したり潰したりし、死んだ胎児を力強く押し出します。

この種子は強すぎるので、その強さを同程度の量のフェンネルとアニスの種子によって和らげる必要があります。そうすれば、害を及ぼすことなく体内で効果をあげることができます。

しかし、この種子を体の外部に使う場合は他のものを追加して和らげる必要はなく、どんな方法でも安全に使用することができます。

ラベージの種子はワインで煮詰めれば、お腹や腸の不快感を和らげ、胃の腫れを取り除き、胃液を解消し、毒虫の咬傷を治し、催尿や妊娠をもたらします。

ラベージ、ローズマリー、ペニーロイヤル、セージ、キャットミント、カモミール、メリロート、シトリン ステチャドス、ヨモギ、フェネグリークニグレケを使った沐浴をするには、これらを一緒にしてワインで煮て、その蒸気の上に座って汗をかきます。こうすれば、体の毛穴を開いて邪悪な体液を引き出すだけでなく、結石を溶かし、尿や妊婦の健康、けいれん、体のむくみの進行、痛風の痛み、麻痺、王の悪(リンパ性の結核)やあらゆる内臓の発熱を癒します。

その根は潰して膏薬にして使用すれば、狂犬病や毒虫の咬傷に非常に効果があります。これは毒を軽減し、追い出します。

ラベージの蒸留水の特性。

蒸溜の時期は5月中旬で、葉と茎を一緒に刻んで蒸溜します。

ラベージの蒸留水を朝晩、一回につき 2オンスから 3 オンスを最大量として飲むと、胸や脇腹の傷の痛みで苦しんでいる人たちを短時間で癒してくれます。腰や膀胱の結石の痛みを取り去り、かすれ声をきれいにし、洗って濡らしたリネンの布をあてれば喉の危険な腫れを取り除きます。

この蒸留水で濡らしたリネンの布を当てれば、頭のむくみや痛みを和らげます。この蒸留水で朝晩、丁寧に洗えば、白く美しい顔になります。

これは、膝から下によく起こる打撲と熱を持った赤みの進行を癒し、濡らしたリネンの布を当てることで、その熱を抑え、打撲を治します。

この蒸留水で頻繁に口の内を洗って、その都度、バーベリーの根の粉をふりかけると、口内炎が治ります。

また、これで一日3、4回洗えば、女性の場所の痛みと衰弱を治します。この蒸留水でリネンの布を濡らして、何度も当てるのも同様の効果があります。


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