2023年4月1日土曜日

the Herb Elecampane(エレキャンペーン/オオグルマ) :「The Gardeners Labyrinth」第69章

エレキャンペーン (オオグルマ)は、背が高く、あざやかな黄色の花びらはポプリをいろどります。根の砂糖漬けが有名で、ジェラルドの挿絵でも根が別に描かれています。

第2部37章 エレキャンペーン (オオグルマ)の栽培に必要な管理技術

(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)

ハーブの エレキャンペーン は長くて大きくて苔むしたような茎や葉を伸ばし、人間ほどの高さになって、上部に大きな黄色い花が咲きます。その中にタネが含まれていて、さわるとちくちくしてかゆみを感じます。

土の中にある根は赤みがかっていて中は白く、大きくて、鋭い味と甘い香りがします。 夏の初めに根を掘り上げてスライスしたものを天日干しします。

特に7月に花が咲きます。

エレキャンペーン はタネを蒔いても育ちません。むしろ、地中の根から優しく切り分けた若い芽を前もって厩肥を入れ耕しておいたところに植え付けるべきです。

その植え付けは2月から始め、大きな葉が出て地中では長く根が伸びるので、互いに3フィート(90cm)離して植えるようにします。


薬用植物としての エレキャンペーン

質の良いエレキャンペーン は3度の熱性と1度の湿性をもっています。

純粋な蜂蜜に乾燥した根の粉末を混合し、Eclegm(シロップと混合された油で作られた薬)にして使用すれば咳をしずめます。また、(上手に調製した)エレキャンペーン の根は邪悪な体液から肺を守ります。腰や関節の痛み、風邪の進行を防ぎます。

これは人間の下劣な気質を追い出します。また、ワインで煮て砂糖と混ぜて飲めば坐骨の痛みを和らげ、特に気道の息の吸い込みを促し、利尿作用があります。

同様にして、この根の粉を飲むと出産予定を早めます。毒のある虫や獣に噛まれた場合、毒消し効果があります。

砂糖漬けか蜂蜜漬けにした根は、前もって食べておけば、疫病の空気伝染の危険から守ってくれると言われています。そのため、ペストが流行した時に生の根が多く食べられました。

エレキャンペーン の根は10月に地中から引き抜いて砂糖漬けにします。その時、根は完全に成熟していて、収穫後、粗い毛でこすり洗いします。 これを鋭いナイフでほどよく削って、大きな根は3つまたは4つにスライスして指の長さ位にし、真ちゅう製の鍋(水を加熱するための容器)に入れて酢で柔らかくなるまで煮ます。この時、鍋の側面や底で根をこがさないようにします。

茹でてから3日以内に天日干しして乾燥させ、新しい土鍋に入れて整えます。そこに上質のキュート(煮詰めたワイン)を注いで浸かるようにします。貯蔵のため、ハーブのサボリーをその上に被せて押さえ、それが終わったら、土鍋の口を皮または厚い羊皮紙で丁寧にふさぎます。

別の方法としては、きれいに皮を剥いた根を指ほどの長さに、 2つまたは 3つに切り分けた後、それらを熱い燃えさしの上で水に 1日じゅう浸し、その後、2、3回、同量のハチミツか砂糖の中で煮ます。 

エレキャンペーンの根は上記のように洗ってこする下準備が必要です。それを薄く輪切りにして、熱い残り火の上で水に長時間浸し、汁がすべてなくなるまで煮てから石臼で叩き、ストレーナーまたは麻布で濾し、同重の蜂蜜または砂糖で2〜3回煮込みます。

その他、根はすべて同様に砂糖漬けにして保存することができますが、多量のシナモンを加えてお菓子にすると食べるのがはるかに楽しくなります。

これは飴漬けとも呼ばれます。根を飴漬けしたものはその姿をとどめています。しかし、その方法でないと保存したものは姿をとどめません。その場合は小さく砕いて使用します。

ワインで煮たエレキャンペーンの葉は膏薬にして、衰弱した四肢・関節に貼れば、非常に熱くなり短時間で力と健康を回復させます。

エレキャンペーンは怒りと重苦しさを取り除き、心を慰め、余分な体液を尿にして排出します。

これも(ヒポクラテスの教えに従えば)歓喜をもたらすものです。

このハーブは顔の皮膚を保湿・保護します。いつも美しさで全身を輝かせるかのようです。エレキャンペーンのワインは冷えた体を温め、定期的に飲めば先に述べたすべての病気を和らげます。

ここで、このハーブで作ったり煮たりしたワインはすべて、夕方よりも朝に処方する方が効果が高いことに注意してください。

ペリトリーと一緒に煮て油と混ぜたエレキャンペーンを熱くして腹に塗ると、腸の不快感がなくなります。へその下に塗ると、有痛性排尿困難を解消し癒します。


エレキャンペーンの葉の蒸留水の有用な特徴。

蒸留に適した時期は5月末で、その葉茎と根をきざんで一緒に蒸留します。

この蒸留水を5、6日間続けて、朝晩、一回につき卵の殻1杯分の量を飲むと、結石の痛みが消えます。

上記の方法でこの蒸留水を飲むか、または飲み物に一定量入れて飲めば、骨折に効果があります。

また、これを飲み、かつ頭に塗って乾かすことをすれば、頭を大いに癒します。

この蒸留水を朝晩、何日か続けて飲むと、胃が楽になり胃を強くします。息苦しさ、咳、胸膜炎、毒、結石、女性の月経を修正してくれます。

この蒸留水を四肢・関節に塗ればそこが強化され、毎日飲むことでさらに強化されます。これはまた、腎臓と膀胱の結石を排出し、腎臓と膀胱を浄化します。朝と晩、一定期間続けて飲むと催尿効果があります。


エレキャンペーンの根の蒸留水の有用な特徴。

エレキャンペーンの根は5月末頃、あるいは7月から9月の間に蒸留します。

この蒸留水を何日も続けて、一回につき最大2~ 3オンスの量を飲むと、体内の破裂に効果があります。 

その蒸留水をこの量飲めば、女性の月経/妊娠?を刺激し、結石の苦痛を和らげ、尿を誘発します。母親の子宮から死んだ胎児を送り出します。

この蒸留水を飲むか蒸留水で濡らしたリネンの布を当てれば、女性のむくみが解消されます。

また、この蒸留水を飲むか濡らしたリネンの布を睾丸に当てれば、その腫れが和らぎます。これを頻繁に飲むだけでも、効果があります。

この蒸留水を数日間、最大で上記の量を朝と夕方に飲むと、咳が止まり、胃の周りの粘って湿った体液を消してくれます。

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