2023年4月1日土曜日

Celondyne(セロンダイン/クサノオウ) :「The Gardeners Labyrinth」第71章

セロンダイン(クサノオウ)は4枚のポピーのような花弁の黄色い花を咲かせます。本章では薬効がいろいろ書かれていますが、現代では特筆すべき薬効はない(むしろ有害物質も含む)とされているみたいです。

第2部39章 セロンダイン(クサノオウ)の栽培管理

(The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。)

ハーブのセロンダイン(クサノオウ)は 1 フィート半の高さまで伸び、時にもっと細くなります。多くの葉を持ち、クロウフット(野生のラナンキュラス)に似ていますが、それよりもっと柔らかく、黄色っぽくなる傾向があり、またスミレのような黄色の花が咲きます。

このハーブのジュースはサフランに似た黄色で、噛むと酸味があり、やや苦く、強い風味があります。その根が重要ですが、地中で多くの黄色い毛のような細根に分かれています。それは通常、壁や石の山のそばといった日影がちな場所で育ちます。これは、ツバメが来る頃から夏の間ずっと花を着け茂ります。しかし、ツバメが帰る頃、枯れます。

セロンダインはどんな土地にも生えますが、影のある場所の方を好みます。種子は2月に土に蒔くべきで、それが発芽後、生育して種子ができて落ちても、根から指4本分より高い位置で茎を切り取れば、2年間生育させることができます。


セロンダインの薬効

セロンダインは絶対3度の熱性と乾性をもっていますが、プラテリウスはこのハーブの熱性と乾性は4度であると断言しています。このハーブは茎と葉、根、種子、ジュースの4つ方法で保存されます。

このハーブのジュースをハチミツと一緒に石炭の火で煮たものを点眼すれば、視界が明瞭になり、視界のぼやけを解消します。

このジュースにアルモニア塩を混ぜたものを点眼すると、目の腫瘍性疾患や翼状片を取り除き、視界をクリアにします。

このハーブの花が付いたものを丁寧に叩いて水で沸騰させた後、その沸騰水を鍋に注ぎ、再び火にかけて、沸騰した状態で上澄をすくい取ります。この液をこぼし始めたらすぐに亜麻布で漉し、使用までグラスかポットの中に密閉しておきます。これを点眼すれば、視界のかすみを取り除きます。

根のジュース・汁液を乾癬・ハンセン病の患部に塗れば、その箇所をきれいにします。患者はその後、フマリアのシロップを朝と夕方に連続9日間服用します。そうすればこれを修復、治癒することは疑いありません。

そのジュース・汁液は5月に入手し、根と葉・花を叩いたものを押し絞り、日陰で乾燥させて、小さなペースト状にします。

セロンダイン(クサノオ)の根をアニスの種子と一緒に白ワインで煮て空腹時に服用すれば、黄疸が体内で止まり、(ワインで煮た後のものを) 口に入れるか噛むと、歯痛が和らぎます。

一握りのセロンダイン(クサノオ)を洗ってきれいにし、これと同量のローズウォーターで煮て漉し、それに糖蜜を1.5オンス加えれば、疫病に対する最も効果的な治療薬となります。

その根をワインで煮て、帯状疱疹や疥癬の発疹に膏薬の形で貼れば、迅速にそれらを癒します。(プラテリウスの報告によると)このハーブを潰してワインで煮て作った煎じ薬でスポンジを湿らせ患者に当てれば、疝痛熱を取り除きます。この根の粉末を傷や潰瘍に振りかければ、それらを浄化・治癒します。

口、骨、または靭帯や筋肉の潰瘍には、上記の根の粉末とバラの粉末を酢で練り、マスタードのようなペーストになるまで煮て潰瘍部分に塗ると、多くの効果があります。

出産・月経を誘発し、子宮を浄化するには、この煎じ薬の水と一緒に熱した貼り薬にして頻繁に貼ります。


セロンダイン(クサノオ)の蒸留水の賞賛すべき特性。

セロンダイン(クサノオ)を採取して蒸留するにはその葉茎を丸ごと細かく刻み、5月中旬に蒸留します。

この蒸留水を朝晩、1回につき最大4オンス飲むと、黄色の黄疸が排出されます。同じように飲めば、お腹の痛みに効果があります。

この蒸留水を上記と同じ方法で飲むと、急性の発熱を和らげます。頻繁にこれで湯浴みをするかスープにして食すると、寒さでできたかさぶたを取り除いてくれます。

この蒸留水を日に2回か3回、1回につき最大2オンス飲むと、肝臓と精巣の不全を止める効果があります。

この蒸留水を点眼すれば、結膜炎や翼状片を修正し、目の赤みを消し、シャープで整った視覚が得られます。

この蒸留水で口を濯げば、歯痛が治まります。この蒸留水で顔を洗えば、顔のしみが消えます。

この蒸留水で湿らせたリネンの布を日に2回か3回貼れば、口内炎を乾かして癒します。また、瘻孔も治し、湿らせた亜麻布を日に2、3回患部に当てれば、感染症の膿疱を取り除きます。

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