前章のアンゼリカと同様、セイヨウカノコソウ（バレリアン）も小花が集まって咲く古代からの薬草ですが、周りの作物に対してリンの肥効やミミズの活動を促進し、枯れた葉は優れたコンポストになり、根はスープやシチューにできるそうで、家庭菜園でも魅力的です。暑い九州でも育てられるかしら？
本章ではもっぱら当時の薬としての利用法について解説されています。仲の悪い二人がこの根の蒸留水を飲めば仲良くなるそうで、夫婦喧嘩の妙薬になりそうですWWW
第2部34章 セイヨウカノコソウ（バレリアン）の上手な播種に必要な栽培と管理。
セイヨウカノコソウは中空の長い茎を持ち、高い草丈となります。その頂部は房状になり、花は白が混じった紫色または赤が混ざった白色で、臓器／オルガン？の形状に似ています。根は小さな指と同じくらい太さで白く、地中で分岐して多くのひげ根を生じます。これは黄色がかっていて、甘い風味があり、風味の強いものは急成長する力があります。
そして、ヒエロニムスの本の報告によると、本当のセイヨウカノコソウはまれにしか見つからず希少なため、今日では庭園で播種して栽培されることが多くなっています。
セイヨウカノコソウは湿った十分肥沃な土地に播種されれば、非常によく育ちます。発芽後は茎が高く伸びるまで頻繁に水をやる必要があります。
セイヨウカノコソウの薬効。
このハーブは、3度の熱と2度の乾性の気質をもち、根は特に薬として役立ちます。
セイヨウカノコソウの根を粉末にしてワインに入れて飲めば、汗と尿を生じ、ワインで煮た根そのものも同様の効果を発揮します。
これは脇腹と背中の痛みや縫い傷を修復します。
乾燥した根は3年間保存できます。根は特に8月に収穫されます。
セイヨウカノコソウの根の粉末に、白のヘレボルスあるいはニースウォルト*と小麦の花を混ぜてネズミの出そうな適切な場所に置くと、殺鼠剤となります。
*ヘレボルス、ニースウォルト：クリスマスローズの類
フェンネルとパセリの種子と一緒に白ワインで煮た根は、尿や寒さを刺激し、脇腹の痛みを和らげ、出産を促します。
また、これを飲むことによって毒や疫病に打ち勝ちます。
セイヨウカノコソウの根をフェンネル、アニスの種子、カンゾウと一緒に煮たものは、咳や息苦しさを改善します。
緑の茎葉と新鮮な根を潰して患部に当てると、頭の痛みが軽減され、下痢を抑え、帯状疱疹が軽減されます。
花か根をワインで煮て点眼すると、視界が明瞭になり、お尻／肛門の大きな腫れやその他の潰瘍が治ります。特に、ジェロニムスが本の中で証言しているように、視界のぼやけを修正します。
セイヨウカノコソウの蒸留水の有用な特性。
蒸留するのに都合のよい時期は5月末頃で、根、葉、茎全体を一緒に細断して蒸留します。
セイヨウカノコソウの蒸留水を一度に最大4オンス、朝と晩に飲みます。蒸留水で湿らせたリネンの布を患部に当てれば、潰瘍、古いできもの、腫れの原因を短時間で治癒します。髪に湿らせた麻布を当てれば、髪に効果的です。
この蒸留水を上記と同量、朝と晩に飲むと、骨が少しでも壊れた生物に効果をもたらします。これはまた、破裂／脱腸や壊れた体に効果があり、点眼すれば視界がはっきりします。
セイヨウカノコソウの蒸留水を、一度に最大スプーン一杯の量まで毎朝空腹時に飲めば、子供に寄生する長い虫を追い出します。
この蒸留水を前に述べた量飲むと、毒や有害な空気に対して効果があります。
新旧の傷を癒し、体内の潰瘍や膿瘍を浄化し、腰の痛みを取り除きます。
この蒸留水を規則正しく飲めば、澄んだ視界が得られ、あごの痛みがなくなり、発汗作用があります。 これを問題のあるワインに注ぐと、飲んで喜ばしい純粋なワインに変えてくれます。
この蒸留水は、四肢に毎日処方することで、四肢の痛みや異常な寒さを和らげます。
セイヨウカノコソウの根の蒸留水の特性。
蒸留は8月 15日から 9月 8日までに行います。
この蒸留水を飲むと、前述のように毒消しとなり、毒獣に対して有効です。
24時間周期の急性発熱の発作が起こる前に、一回につき最大6オンスの量の蒸留水を空腹時に飲みます。
この蒸留水を上記と同量与え、そして、この蒸留水を塗って、かつ、この蒸留水で濡らしたリネンの布を当てれば、脇腹の縫い傷を治癒します。
2人の間で意見の相違がある場合、この蒸留水を 1カップ分取り出して一緒に飲めば、友となり、互いに愛し合うようになるでしょう。
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