切妻で樋のある(RIDGE&FURROW) タイプの現代の代表的温室は、軒が4〜5mと高く、10〜20以上の連棟のフェンロータイプですね。1ha以上の大規模ハウスなので、中に入ると100m位先までずっと作物が栽培されていて、壮観です。
さて、19世紀の 切妻で樋のある(RIDGE&FURROW)ハウスはどんな風でしょう?
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
栽培温室
切妻で樋のあるハウス
「切妻で樋のある」ハウスとは、通常、複数の小さなスパン幅の屋根から成る連棟ハウスを意味します。
たとえば幅 45 フィート(13.5 m)のハウスが必要な場合、立て掛け式では、たとえ実現可能な最も低い屋根勾配にしたとしても屋根が異常に高くなるでしょう。
同じ屋根勾配の単棟の両屋根ハウスでは、屋根の高さは立て掛け式の半分にはなりますが、それでもおそらく栽培や建築上で都合の良い高さのものよりもはるかに高くなってしまいます。
そこで、幅15 フィート(4.5m)のスパンを 3 棟、または 中央が幅20 フィート(6m)のスパンで両側に12.5フィート(3.75m)のスパンとる方が間違いなく有利です。
しかし、これらの屋根はどちらも正確には「切妻と樋」の屋根と呼べないでしょう。
屋根が5 フィート(1.5m)幅の 9 つのスパンで構成されている場合は本来の「切妻と樋」の屋根と言えます。
各種屋根を図 33 に示します。つまり、立て掛け式、両屋根、3 スパン、および 9 スパンの「切妻と樋」のハウスです。
もちろん私たちは今、「切妻と樋」のシンプルな屋根について原則的に述べているだけです。 実際の幅 45 フィート(13.5m)のハウスは、ここに示されているものとは完全に一致しないデザインの屋根になることは間違いありません。
ここで、次のことが明らかです。
—上記の各種屋根のハウスはすべて同じ床面積を持っています。
—切妻屋根であれば、スパンの数が少ないほどガラス面は広くなります。
—それは、形状だけに限られます。屋根が受け入れる太陽光線の量は、ピッチとアスペクトが同じであれば1スパンの屋根でも、3スパンでも、あるいは9 スパンの屋根でも、その違いはわずかです。また、スパンの数が増えるほど植物とガラス屋根面との間の距離を均一に維持することが容易です。
しかし、スパンの数が増えれば、溝部の谷と尾根部の山の数が増えます。
その結果、山と谷の繰り返しによって形成される領域が大きくなり、溝部の谷で水漏れがないように密閉を保ち、適切に修理し、尾根部の山を適切に支えようとすれば、建設上の困難も大きくなります。
したがって、屋根をその原則に基づいて考えると、複数の棟(山)と溝(谷)で構成される屋根は、実現可能な最小数のスパンを持つ屋根よりも光が入りにくく、建設とメンテナンスがより困難であると結論付けることができます。
サー・ジョセフ・パクストンがチャッツワースの大きな温室と、現在のクリスタルパレスである 1851年の展覧会用施設を設計したとき、彼は園芸建築に関連する大きな問題を解決したと考えられました。
その後の経験により、尾根と溝の建築様式が有用であることが証明されました。 ただし、鉄道の駅や大きな建物には適用可能ですが、通常の園芸ハウスでは、特に維持費を考慮にすると、利点よりも欠点の方が多くなります。
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