園藝之友 第2年第1号 (1906年)
蔬菜促成栽培 農学士 春乃園主人
いよいよ創刊2年目から蔬菜促成栽培シリーズが始まりました。
今では当然の促成栽培(施設栽培)もこの時代は促成栽培する特別な理由が必要だったようです。その理由は今となっては至極当然なことで目新しいことはありません(著者の春乃園主人様、ごめんなさい)。
江戸時代に和歌山で起こった促成栽培技術は江戸や京都などにも広まっていたそうですが、「そんな贅沢は許さん!」と幕府から禁止令が出されました。禁止されていなかったら、もっと日本独自色の強い促成栽培が江戸時代に広まっていたかも。。。以下の引用では、明治になって仕切り直し的に、欧米用語と交えて「促成」を定義されています。
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促成栽培とは、普通の栽培時期以外で作物を生育、開花結実させることである。英語のforcingは我国の促成と軟化の両方の意味を持つ。作物を生育開花結実させるものを促成栽培と名付け、軟化室、即ち穴蔵内に置いて葉茎を生育軟化させるものを軟化法と称す。促成は寒中早春初冬等にナス・キュウリ等を開花結実させることを云い、軟化はウド・ミョウガ等を発芽させて、その葉茎を収穫することである。・・・促成は加温並びに陽光の力を借りて生育させ、軟化は陽光を遮り、温度を加えて軟化する違いがあるのみ。
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