園藝之友 第2年第2号 (1906年)
蘭科植物の栽培
熱帯産の蘭科植物の栽培には温室が必要ですが、蘭科の栽培室を“蘭温室”と一緒くたにするのではなく、熱室・温室・冷室と区別して定義されていたので、メモ。
夏季の温度は熱室も温室も冷室もかなり低めです。この数値は海外雑誌から引用した値のようで、我が国についてコメントがついています。いくら光を遮っても、夏季にこの温度条件を実現できるのは、北国や高原、冷たい地下水が確保できるところに限られたのでは?あるいは、明治時代は現在よりもずっと涼しかった?
現代の蘭温室は、ほとんどがエアコンなどの冷房装置を備えています。温暖化の影響もあって、ヤサイでも冷房が求められるようになってきています。
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夏季
温度 昼 夜
熱室 75℉(24℃) 65〜70℉(18〜21℃)
温室 70℉(21℃) 60℉(16℃)
冷室 60℉(16℃) 55℉(13℃)
冬季
温度 昼 夜
熱室 65℉(18℃) 60℉(16℃)
温室 55〜60℉(13〜16℃) 55℉(13℃)
冷室 55℉(13℃) 50℉(10℃)
以上の温度は、ただ大体を示すものにて、外気の関係上、室内温度80℉(27℃)から85℉(29℃)を示しても差し支えない。ただし、冷室は70℉(21℃)以上に超過すると害があると言われる。
また蘭類の大部分は、4月より8月までの5ヶ月間は多少隠蔽の装置必要にて、強き光線に触るるを忌む。特に我が国の如き夏季陽熱の強き所にては一層その必要を認めるなり。
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