レディのためのガーデニング入門 (by Mrs. Loudon 1840年)には、果樹園ではなくキッチンガーデンに植えることのできる立木の果樹として、
「4種(プラム・ダムソン、マルベリー、甘栗、フィルバーツとヘーゼルナッツ)だけは、刈り込むことで、キッチンガーデンで立木として栽培することができる」と書かれています。
私は、マルベリー(桑)はラズベリーなどと同じ低木類で狭い庭でも大丈夫かなと思って、実から発芽させて植えちゃいました。もし大きくなったらどんどん刈り込みたいと思います。もっとも、タネから育てるとばらつきが大きいらしいので、実がならないかも。。。
それでは、 レディのためのガーデニング入門から---------------------------------
マルベリー(桑)の木は、一般に、その美しい形や実を集めるため、芝地に植えられます。実は熟すとすぐに落果します。乾いた地面や砂利に落ちたら台無しです。
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多くの種類がありますが、3つに大別されます。ひとつはホワイト種で、この種類だけがその葉で蚕を養うのに使われています。ブラック種は果実用として、一般に庭で育てられます。そして、レッド種、別名アメリカンマルベリーの3種です。
多くの人は、ブラック種とホワイト種のマルベリーの違いに気づいていません。マルベリー(桑)の木が自分の庭になければ、蚕を飼うことができないと思っています。実際は、ホワイトマルベリーはイングランドでは育てられることすらまれです。
ブラックマルベリーの葉は、逆に、蚕に有害です。レタスの葉の方が、イングランドでは蚕を飼育するのに、よほど適しています。
レッドマルベリーの果実は食べることができますが、食味はよくありません。さらに、その葉は蚕に有害です。
ブラックマルベリーはペルシャ原産といわれています。古代ローマ統治時代に、イタリアではすでに一般的だったそうなので、だとすると、とても早い時代にヨーロッパへもたらされたにちがいありません。イングランドへは1573年までにはもたらされたそうですが、現存する古い木の中には1573年にすでにかなりの大きさであったと言われている木があります。
マルベリーは他の木にはない特徴を持っています。
このうち最も印象的な特性は、幹(trunk)で繁殖できるというものです。もし男性の腕の太さかそれ以上の大きな枝肢(limb)を切断して、地面に挿したら、さしたるトラブルなく、生長するでしょう。おそらく翌年か翌々年たくさんの実を着けるでしょう。これはオリーブの木以外では見られない特徴と思われます。
マルベリーはまた、他の木よりも遅く葉を出します。ただし新芽が開き始めると、その葉は信じられないほど短時間で展開し、若い実を着けます。
もうひとつの特徴は、古い木は5つか6つに割れることがよくあります。それぞれの部分はやがて樹皮で取り囲まれるようになり、その結果、とても古くて太い幹は、5つか6つの細く新しい幹へと見た目を変えます。その枝(branch)もまた、地面に横たわっているだけで、根が出て木になります。
もし古いマルベリーの木が風で倒されると、倒れたそれぞれの枝(branch)から地面へ根が伸びて短期間で木になります。
枯れてしまった場合、ほとんどのマルベリーは生長点のすぐ上で切り落とせば、蘇生させることができます。その場合、多くの若い茎を伸ばして、あっという間に実で覆われるようになるでしょう。
その他の特徴として、マルベリーは庭師の世話をほんのわずかしか必要としません。剪定は不要です。実は熟すとすぐ落ちるので、果実を収穫する必要すらありません。
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拾えばいいだけ。落ちた実が汚れないように地面を芝にしたり、現代ならシートを広げておけばよさそうです。
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