第22章は、いろいろなハーブのタネの発芽までの日数が述べられています。キュウリやホウレンソウは タネをミルクまたはぬるま湯に一晩浸して蒔く、と書かれています。今も一晩水に浸けますね。
ちなみに、日本最古の農書とされる清良記には、「 ・・・あるいは「寒浸け」といって、冬のあいだ種子を水に浸けておき、それから苗を仕立てると、その作物に虫がつかず、また実入りもよいものです。・・・」とあります。何のタネか知りませんが、冬のあいだずっと水に浸けておいて大丈夫なんでしょうか?今も行われているのかしら?
第22章 月が満ちている時に庭にタネを蒔けば、通常、発芽して地上に現れます。
フロレンティヌス(ギリシャの農業に関する著述家)はこう述べています。土の特性、天の采配、天候の恵み、そして種子の年齢が、蒔いたタネの発芽スピードに違いを生じさせる、と。
そのため、暑い場所や太陽が直接当たる場所に、晴れて暖かい日に蒔かれたか弱い、新しいタネは、その逆の寒い季節、寒い場所に蒔かれたタネに比べて非常に早く芽を伸ばします。
最適な時に蒔かれたタネはすべて、かってないほど多くいっせいに地上に芽吹きます。そのため、庭師は、タネを蒔き、果実を収穫し、タネを採取するのに適切な時期を考慮すべきなのです。
暖かい気温が続くなら、ホウレンソウ、ロケット、バジルなどの新しい種子は蒔いて3日後には発芽して地上に出てきます。
良く整えた土に蒔いたレタスのタネは、好適な気温なら、それが手助けとなって、4日目には発芽して地上に現れるでしょう。月の満ちていく時に蒔いたキュウリやシトロンのタネは、蒔いた時かその翌日に雨が降れば5日後には発芽して地上に現れるでしょう。
flower Amoureと名付けられたきゃしゃなハーブの種子は、月の満ちていく、空気の香る時(花のシーズン)にタネ蒔きすると、7-8日後に発芽して地上に芽を出します。
ハーブのディルのタネは月が満ちていく時に蒔けば、(多くが)4日後に発芽します。
ガーデンクレス、マスタードのタネは月が満ちていく時に蒔けば、通常5日後に地上に現れます。
リーキのタネは夏に蒔けば、6日後までに地上に現れます。しかし冬に蒔いた場合は、肥沃なベッドで10日後までに発芽するでしょう。
ハーブのロケットのタネは月が満ちていく時に蒔けば、8日後に出てきます。
良く整えたベッドに蒔いた非結球性キャベツはどの種類でも、低気温が邪魔をしなければ、通常10日後に芽が出るでしょう。
肥沃なベッドに蒔いた大リーキのタネは、19日後に、ただし多くは20日後に、芽が出ます。
コリアンダーのタネは良く手入れされたベッドに、月が満ちている間に蒔けば、通常25日後に芽が出ます。
しかし、もし蒔いたタネが新しいなら、それより遅く出てくるでしょう。
オレガノやセイボリーのタネは、軽い土に、月が満ちている間に蒔けば、30日後に地上に芽が出ます。
パセリのタネは、月が満ちている間に蒔けば、通常11日後に発芽して地上に出てきます。多くは15日後までに発芽が見られます。
以上、種子の年齢とタネを蒔く庭師の技術の両方に関して真実の明快な教えを簡潔に述べました。
私が述べたように、リーキ、キュウリ、そしてシトロンの種子は、新しいほどスピーディーに発芽します。
逆に、(土に蒔く前の)パセリ、ビーツ、ホウレンソウ、クレソン、サボリー、オレガノ、コリアンダーのタネは、時間が経ったものの方が発芽して地上に現れるのが早くなります。
キュウリの場合と同様に、タネをミルクまたはぬるま湯に一晩浸し、暖かい気温の時に土に蒔けば、極めて早く発芽し、地上に現れます。
庭師は、アーティチョークなどのタネを蒔こうと思うかもしれません。これらのハーブについては、後の適当な章で特別に述べることにいたしましょう。
雪が長く降るようなはるか北の地域で土にタネを蒔く場合、なかでも夏に湿気の多いことが知られている場所では、3月のタネ蒔きまたはむしろ5月のタネ蒔きが、より適しています。
しかし、(このような)よその国では、めったに幸せな答えはなく、収穫時期に蒔いた生後3か月の種子は、暑い地域で、ここで示したような月の動きを考慮して蒔いたならば、もっとよく発芽させることができます。
庭師が(時間をかけて)よく整えた土であれば、あらゆる価値ある優れた種類の種子、植物、挿し穂、穀粒などを植えることができますが、まず試しに、あなたの庭のベッドに植えてみてください。
以前に検証も実証もされていない新しい種類の種子が庭師の土に完全に合っているとは言えないかもしれないからです。
湿った場所の土に蒔かれた種子は乾燥した地面に蒔かれた種子よりも速く(月の力が助けとなって)芽が出ます。
そのため、(乾燥した土か湿った土か、どちらかの土での)タネ蒔きには良質の充実した種子の選択がとても重要です。
土が前もってよく耕されていても、日陰の場所に植えられた種子や挿木は、めったにまたはほとんど茂らず、花も咲きません。花を育てる場合も、開花時に(ナポリのパラディウス・ルティリウスが心配したように)花落ちしたり、より早く日陰を作るおそれがあるため、日陰の場所はほとんどあるいは全く不向きとなります。
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