除草について、作物の成長の様子を見ながら手作業で、雑草を引っこ抜くことがお勧めの方法であると書かれています。500年ほど経って人間社会は変わっても、人間自体はそうそう変わるものではないので、手作業は変わりませんね。
農作業は無心になれて楽しいですが、しゃがむのは腰が痛くなります。栽培ベッドは腰高に限ります。
第23章 庭師は誰でも、作物の間で成長している不要なハーブをすべて抜き取り除草する際に、注意と勤勉さが必要です。
首尾よくベッドにタネを蒔けたら、庭師が次に注意を払うべきは、作物の成長を妨げる有害で不要なハーブをすべて丁寧に引っこ抜き、除草することです。
しかし、ベッドの除草方法について、農業書の著述家の間で意見の相違があります。
確かに、除草のためレーキをかける方法は、レーキによって作物の根がむき出しになって、植えたものに全く益がないので、否定されます。根がむき出しになれば、植物は倒れ、地面に横たわることになります。もし寒い天候時期なら、地面に倒伏した植物は冷気ですっかり枯れてしまうでしょう。そのため、手で引っこ抜いて除草し、きれいにする方法が良いと考えられています。手による除草作業は適切な手順で適切な時期に行うようにします。
それでも、過去の農夫の多くはベッド上の雑草をレーキで掻き集めることを好みましたが、1つの決まった方法というものはなく、常に同じように除草されるというわけでもありませんでした。その国のやり方、技術および天候状態に応じて行われていました。
除草作業を手で行う場合、庭師は除草が必要と思っても、植物が生育して立ち上がってくるまでベッドの除草を試みたり、始めたりしません。ベッドを雑草が覆っているように見え、植物の成長の性質と形態に応じて、この雑草の茂みの下で植物同士が互いに混在しからみあっているからです。
雑草をひっこ抜き、雑草や石を栽培ベッドからきれいに除く際、若い植物や小さくて柔らかい苗の成長を弱らせる恐れがあるため、作物周りの除草は鉄製の農機具を使うよりも手で行います。
手で除草する際、庭師は土を緩めすぎたり、雑草を抜く際に土を多く掴みすぎないように、十分注意を払わなければなりません。この除草作業がとても優しく行われれば、若い植物の根が土中で緩んだり弱ったりすることはありません。
注意深い庭師は、時に、ハーブがまだ若くて柔らかいうちに除草することがありますが、これは、最も粗野な雑草が若くて柔らかなハーブと一緒に成長するので、育てている柔らかなハーブを弱らせ成長を妨げるおそれがあるからです。
したがって、若い雑草がいくらか手で抜ける状態になっているなら、強く大きく成長するまで放っておくわけにはいきません。上記のように絡み合って抜きにくくなることを念頭に入れて、抜きにくくなる前に除草しなければなりません。
しかし、キッチンガーデンの一般的なハーブの場合は、根が強く成長し、大きなシュートを出すより前に、庭師は除草を始めることはないでしょう。
きゃしゃな植物まわりの除草する場合は、土が緩くて柔い状態なら、優しくソフトに除草しないと、雑草を見失ったり引き抜いたりできないでしょう。
なお、上質なハーブは常に除草が必要です。前日の降雨は土を十分柔らかくしてくれます。
小さくて柔らかい作物の栽培ベッドのあたりを頻繁に歩いたり、踏み回ったりすると、そこの土は柔らかさを大きく失います。そして、降雨により固まります。そのようなベッドで雑草が育つと引き抜くのが難しくなります。
そして時々、この土の固さのため、雑草の根が手で十分抜けず、地面に残ってしまいます。
ここで思い出すべきは、土が柔らかくなる前、すなわち雨が降って1日か2日経過する以前に、雑草を手で抜いたり、ベッドの除草を始めてはいけないということです。
考えられるのは、タイルや他の重いもので各種ハーブを刈取ったり、摘み取ったり、押し倒したりすることは、ハーブ類がある程度大きく成長した後なら、大いに効果があるということです。 こうすれば、それらのハーブはより長く緑を保ち、のび広がることに加えて、より厚く、よりきれいで、より収穫を多くすることができます。タネを作るまで成長させなければ、そのまま成長してタネを作ったたものよりも味が良くなります。
同様の方法と手順で育てたレタス、キャベツ、非結球キャベツは、そのような方法や手順なしで単に成長させた葉よりも、より良質でおいしいくすることができます。
同様の条件で、大根とカブの根部は、(ある程度成長した後)緑の葉をきれいに切り取ったり、折ったりすると、通常よりきれいに大きく成長します。
しかし、ダイコンとカブの適切な手順について、その根を通常よりもはるかに大きく、味よくすることができることを、本書の後半の適当な章で完璧に解説いたしましょう。
-----おまけ📷我が家のイチゴ-----
草苺の花が咲く頃となりました。草苺と言っても匍匐性の木苺の1種です。北側の日陰でもよく繁茂してくれています。日陰のせいか雑草も少なめなので手入れがほとんど要りません。実も収穫できます。日当たりがもう少しよければ実ももう少し大きくなるかもしれませんが。
こちらは1484年の「Herbarius Latinus Moguntiae」に描かれている正真正銘の草イチゴ(草本生のイチゴ) Fragaria(erperkrut)です。今のイチゴに比べてずいぶんとワイルドな草姿です。
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