自然に帰るのキッチンガーデンでは、とっても簡単に組み立てることができて、かつ自然に帰りやすい枯木フレームのハウスがあるといいなと思います。ここでは乾燥や防腐処理を施した本格的な園芸用木材について解説されていました。
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
木材
様々な樹種について
オネガ、アークエンジェルやサンクトペテルブルクのディール(幅9インチの木材)は園芸施設の建築に非常に適した材料と言えます。
地域によってはイエローディールやレッドディールもあります。
オークもまた温室の部材として時々使用されます。
北方松やバルト海松(Pinus Sylvestris)は、プランク(幅11インチ)、ディール(幅9インチ)、バッテン(幅7インチ)といった各種木材に成形されて、バルト海のプロイセン、ロシア、スウェーデン、ノルウェーの港からイギリスへ輸出されています。
プランク(planks): 幅が広く、厚みが比較的ある板材。床材や壁材として広く使用される。
ディール(deals): プランクよりも細いが、長さがあり、構造材として使われることが多い。
バッテン(battens): 細長い木材で、軽量の構造や補強材として使われる。
・・・だそうです。
北米の赤松と黄松(Pimvis rubraとP. mitts)は、単にPinus Sylvestris(バルト海松)の一種です。赤松は通常、木目が細かく、縮みにくく、黄松よりも耐久性が高いと考えられています。
ただし、屋外用として使用されることはめったにありません。
北米のホワイトパイン(Pinus strobus)は、用途によっては非常に有用な木材ですが、天候にさらされるとあまり耐久性がないため、園芸用には適していません。
ピッチパイン(Pinus rigida)は、他の松よりもはるかに加工しにくく、園芸用にはほとんど適しません。主な利点は、染料やニスを塗った時に豊かな縞模様が現れることですが、
園芸用にはめったに着色したりニスを塗ったりすることはありません。
モミ( Abies )は、松(Pinus)とは異なる属ですが,建設業者などでもしばしばこの2つを混同します。
ノーザンパイン(北方松)と同じ地域で育つ白モミ (Abies excelsa)、カナダとニューブランズウィック州のアメリカ白モミ (Abies alba)やトウヒは、松ほどは乾燥収縮しませんが、松に比べて木目が粗いことが多く、節があって、折れやすく、松ほどの耐久性がありません。
また、ブリティッシュオーク(Quercus pedunculata)は敷居やプレート、あるいは一般的に骨組みと壁との結合部分に使用されます。
オークは他の木材よりも耐久性があるので、材料が最も腐敗しやすい高い位置にだけに使用されたりします。
Quercus sessiliflora(落葉性のヨーロッパのオーク)もイギリスで栽培されていますが、かなり柔らかく、乾燥で反りやすく安定しにくい木材です。それでもオークに近い木材といえます。
バルチックオークは、ダンツィック、シュテッティン、メーメルからも大量に輸入されています。技術的には木の幹の中央にあたる心材(デュラメンとして知られている)だけが園芸用途に使用できます。
辺材は、樹皮に隣接する芯材の外側(アルバーナムと呼ばれる)部分であり、樹液が最も自由に流れる部分で、心材とは色が異なっています。辺材は絶対に使用しないでください。
また、節の部分はできるだけ避けるべきです。
暖房している温室の木材ほどその品質と乾燥度合が試されるものはありません。
屋外側は外気にさらされ、さまざま天候により雨、霜、灼熱の太陽熱が降り注ぎます。
室内側の木材は外気よりも20°Cほど高い温度の空気にさらされ、水分が浸透凝結することがよくあります。
したがって、使用する木材は徹底的に乾燥することが絶対に必要です。
乾燥
木材は、「緑色」をした生きている状態では、多かれ少なかれ樹液を含んでいます。
樹液をそのままにしておくと、特にすぐに加工、塗装して塗料などの不浸透性の材料で包んでしまうと、木材は非常に害を受けます。
この樹液を乾燥させ、木材の保存性を確実なものとするために、「乾燥」工程が必要です。
この工程は、実際には、木を適切なサイズに製材して、空気が自由に循環できるようにして積み重ね、乾燥させ、湿った成長状態を断ち切ることにあります。
乾燥した天気の下で木材が空気から自然に吸収する水分は、木材の耐久性を損なうほどではありません。
この過程で木材が収縮し、乾燥がうまくいけば、加工後にさらに収縮することはありません。
しかし、木材が十分に乾燥する前に使用すれば、雨への耐水性が不十分で水分を吸収し、すぐに加工してしまうと木材は遅かれ早かれ収縮を生じます。
この収縮が起こると、骨組みのさまざまな部分が互いに縮小し、亀裂や隙間がたくさんでき、昆虫の巣穴となるだけでなく、その腐敗部分は水分の受け皿となってしまいます。
ただし、「乾燥」が効率的に行われ、木材が完全に乾燥していたとしても園芸用途にはまったく適していないこともあります。
なぜなら、乾燥過程で不規則な収縮が起こり、組織がさまざまな箇所で分裂し、裂けや割れ目、すなわち不均一性が木材に発生していれば、すでに述べたような理由で木材は大きな損害を受けるからです。
腐敗と保存
木材はさまざまな原因で朽ちていきます。
私たちが最も興味を持っているのは、「湿腐病」、「乾腐病」として知られています。
前者は、水分を通す組織、特に辺材が分解することによって引き起こされます。
後者は、木材を食べる特定の菌類の成長によって引き起こされ、それが木材の崩壊に影響を与えます。
湿腐を防ぐために、適切に乾燥させて自然の水分を取り除いてから、塗料などの不浸透性の物質でコーティングすることで木材をあらゆる湿気から保護する必要があります。
この手法は、水分が最も有効に作用する真菌の成長に対抗して、乾燥腐敗も防ぐ傾向があります。なお、特異的なことですが、過剰な水分は寄生虫の発生を抑制することがよくあります。
繰り返しになりますが、木材が乾腐菌の成長を促すような状態にある場合、塗料でコーティングしても菌糸体が木材の内部で成長するのを防ぐことはできません。これが一度起こると確実に木材は破壊されます。
通常、モミやマツを攻撃する真菌はMerulius lachrymansであり、一般的なキノコが属する菌種とは異なり、ひだの代わりに気孔を有しています。
気孔(またはひだ)は親となる菌体を再生産する胞子を保持しています。
通常の乾燥とは別に、乾腐菌を破壊したり増殖を防ぐための工程がいくつかあります。
一般的に言えば、これらの工程はどれも木材にいろいろな物質を含浸させる方法であり、単に浸すか、圧力をかけて注入することで含浸させます。
以下に、これらの工程のいくつかを紹介しましょう。
最も効果的な方法の 1 つは、クレオソートと呼ばれるタール油を含浸させる方法です。クレオソートはタール油からアンモニアを取り除いたものです。(ー>アンモニアとの関係は私にはよくわかりませんでした。)
卵白は凝固し、分解を防止します。
気孔が瀝青質の物質で満たされると、空気と湿気の両方排除され、下等な生物をやっつける効果をあげます。
「バーネット化」とは、塩化物または亜鉛の溶液を木材に含浸させることです。
これにより木材が不燃化します。クレオソートよりもかなり安価で、効果は同等です。
重量比で銅硫酸塩 と水が1:100 の溶液を木材に含浸さる工程もあります。
腐食性の昇華物 (水銀の塩化物) の飽和溶液を木材に浸す方法もあります。この方法は「カイナイジング」と呼ばれます。コストはかなり高くなります。
ペイン工程と呼ばれる方法は、真空中で木材に鉄硫酸塩の強酸溶液を浸透させ、その後、石灰硫酸塩または炭酸アルカリのいずれかの溶液を木材に注圧し、鉄酸化物が不溶性になるようにするものです。この工程により木材は不燃性になります。
上記について、詳細はすべてハーストのハンドブックに記載されています。
これらの工程と類似の工程の違いは乾燥方法だけです。前者では(一般的には乾燥が完了した後に)特定の物質を注入するのに対し、後者では防腐剤を一切入れずに乾燥させるという点が異なります。
木材が実際に土と接触する場合は、木材の外側を焼き焦がす方法が頻繁に採用されていて、効果があることがわかっています。
ご想像のとおり、上記の工程のうち最も効果的なものでも大体の園芸用建物の骨組みに適用できないものがあります。
たとえば、クレオソートで処理された木材は、園芸用途としては満足に加工したり成形したりすることができません。
それでも、公園の柵、柱、小道やボーダーの木製縁取り、キュウリ栽培用フレームの堆肥下部、井戸の木製骨組みなど、地中に接しているか、部分的あるいは完全に地中に埋まっている木材には、防腐処理が常に有効です。
一般的な園芸用建物の場合、木材を徹底的に乾燥させ、加工前または加工中に湿気を吸収させず、塗料でしっかりと覆っておけば、最終的な収縮や異常な腐敗の危険性はほとんど生じません。
(「塗装」の項( p. 110)を参照のこと。)
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