温室では大きな割合を占める、本丸、ガラス材料の登場です。ガラスは重いし、割れるので、今はプラスチックフィルムが主流でしょうが、半永久的に使えて見た目の質感が良くて、断然趣がありますよね。
そういえば、庭のトンネルに早くフィルムを張らないと・・・
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
ガラス
ガラスの特性
園芸用建物におけるガラスの重要性は当然、非常に大きいので、ガラスに関する科学的知見を無視するわけにはいきません。
マリオット、フック、メローニ、デ・ラ・ロッシュ、特にティンダルによって主に行われた実験から、次のことが明らかになっています。
—ガラスは輻射熱をかなり遮断する。
—熱源の種類によってガラスの伝熱性や熱透過性は異なる。
—放射熱源の温度が高いほど、ガラスは熱を通しやすくなる。
—ガラスが厚いほど、透過時に吸収される熱量が多くなる。
—熱の透過性はガラスの厚さが増すほど減少するが、その減少割合は暑さの増大ほど低下しない。
—発光熱線(短波放射体)は非発光熱線(長波放射体)よりも波長が短いため、短波放射は長波放射よりもガラスを容易に通過する。
—熱を非常に伝達しやすい物体は、その物体自体はそれほど加熱されない。たとえば、窓ガラスは最強の太陽光線でもあまり加熱されないが、通常の火の前に置かれたガラスのスクリーンは熱をほとんど透過せず(ほとんど吸収して)、ガラススクリーン自体が加熱される。
その理由は、もちろん、火炎が発する熱線の大部分は非発光性(長波)であり、ガラスはこの熱線(長波)を遮る(吸収する)からです。
ガラスの一般的な化学組成は、ケイ酸カリウムまたはケイ酸ナトリウムとカルシウム、鉛、アルミニウムなどのケイ酸塩との混合物です。
通常の窓ガラスは、ほぼケイ酸ナトリウムとケイ酸カルシウムの混合物です。
英国のクラウンガラスはケイ酸ナトリウムとケイ酸カルシウムを含んでいます。
ガラスの製造について、本書の目的に必要な範囲を超えて深く掘り下げることはしませんが、被覆目的で使用するガラスの種類についていくつか紹介しましょう。
各種ガラス
クラウンガラスは、大きな球形に吹きあげたもので、平らなテーブル上に広げて円形の平面にします。円形で中央に突起ができるため、板ガラスのような大きな正方形に切ることができず無駄が多いタイプのガラスです。
シートガラスは、長い円筒形、つまり「マフ状」に吹き上げて、その後、切って平らにして製造します。このプロセスでは当然、突起のない長方形のガラスを製造することができます。
プレートガラスは、大きな正方形であれば鉄のテーブルで鋳造して研磨します。また、小さな正方形を製造する場合は円筒形に吹きあげて研磨します。
パテントプレートガラスは、また別の種類で、プレートガラスほど表面はきちんとしていませんが、同じくらい光沢があり、はるかに安価です。
ロールプレートガラス (ハートリーズ社製) は、半遮光ガラスとして永続的に遮光するために使われる溝筋の付いたガラスで、波形の溝の数は 1 インチあたり 20 から 10 まであります。
ラフプレートガラスは、磨かれていない半透明のガラスで、片側にテーブルのマークが付いています。ラフプレートガラスにも溝があって、2 タイプがあります。1 つは 1 インチあたり 2 本の溝、もう 1 つは 4 本の溝があるタイプです。
園芸用ガラス
The description of glass usually employed for horticultural purposes is English Sheet, 21 oz. to the square foot.
The thinner quality, 15 oz. to the square foot, is sometimes used for the sake of cheapness, but will not so easily resist hail, and is much more liable to scorch plants than the 21 oz.
園芸用に通常使用されるガラスは、1平方フィートあたり21オンス(1 平米あたり6.4 kg)のイギリスのシートガラスです。
1平方フィートあたり15オンス(1 平米あたり4.57 kg)より薄いガラスは、安価なために使われることがありますが、雹に弱く、21オンスのガラスよりも植物が日焼けする可能性がはるかに高くなります。
ベルギーのシートガラスも安価であるために時々使用されますが、イギリスのシートガラスよりも斑点や波のあるものが多く、強度もそれほど高くないため、使用すべきではありません。
理論上のイギリスのシートガラスの厚さは次のとおりです:
15 オンス ・・・・・ 1/13 インチ(1.95 mm)
21 オンス ・・・・・ 1/10 インチ(2.54 mm)
26 オンス ・・・・・ 1/10 インチ(3.175 mm)
(太陽光線の集中によって)植物が「焼ける」主な原因は、ガラスの中の空気の泡と溶解していない破片、いわゆる「ストーン」と呼ばれるものによります。
「金属」が釜の中で溶けると、表面に最も透明な層ができますが、その層は「ベスト(最高質)」と呼ばれる品質のガラスになります。
釜にできる次の層は「セカンド(第2品質)」と呼ばれ、次に高品質なガラスを作るために使われます。その次の層は「サード(第3品質)」、次の層は「フォース(第4品質)」と呼ばれます。
場合によっては、さらにもう 1 層か 2 層が使われることもありますが、そのガラスは非常に粗悪なため、非常に質の低いガラス加工にしか使用されません。
最初の層、つまり「ベスト」は、通常、その後の層のガラスを加工する職人よりももっと経験豊富な職人によって加工されます。イエローガラスは化学線(紫外線)の発生を防ぐのに役立ち、一方、バイオレットガラスは化学線を容易に透過します。
(「太陽光線」12 ページ、「屋根の傾斜」18 ページを参照。)
コンサバトリーに色付きガラスを使用することについてとやかく言わないでおきましょう。ただし、コンサバトリーに赤や青の塗料や同様にけばけばしい色のガラスを自由に使う法的権利はあっても、ばかばかしいほど醜悪に作られた建物に植物や花を置いて、植物や花を傷つけ、美を損ねる道徳的権利があるとは思えません。
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