2022年3月6日日曜日

タネ蒔きのおまじない:「The Gardeners Labyrinth」第17章

蒔くタネの処理法について。おまじないっぽいものもあります。

第17章 庭のタネ蒔きに役立つ、古代の機知に富んだ助言。それは、タネ蒔き前にも後にも有用で、タネの中も外も傷つかないようにする方法です。

非凡な詩人のヴァージルは、タネを大地に蒔く際には、事前に硝石を浸けた水か、これで作った塩水をタネに振りかけるか、あるいはこの水でタネを湿らせるように助言しています。

ギリシャのアプレイウスは、(蒔く前に)タネにワインを振りかけるかタネを湿らせなさいと言っています。そのような賢明な処理を行えば、タネは発芽して伸び、弱々しい苗の数を減らせます。植物が軟弱な場合は水と塩水を混ぜて振りかければ効果があるでしょう。

農業について(プリニー、コルメラおよびナポリのパラディウス・ルティリウスの両方による)ギリシャの教えがあります。野生のキュウリ*の根は1昼夜きれいな水に浸けるべきという教えです。そして、タネがよく湿るように同じ水を樹体にも頻繁に振りかけます。翌日、この樹体から採取したタネを毛布で覆います。その次の日に大地に蒔きます。こうすることによってタネは元気に成長し、あらゆる邪悪な被害から確実に守ることができます。

同様のことを巧者アプレイウスも言っていますが、彼は、タネに数粒のレンズ豆も混ぜて蒔くと、同じ波動なので風による害も防ぐことができるとも言っています。

彼はさらに、蒔いたタネを守る方法として、ギリシャ人が Phrynonと名付けた斑点のあるひきがえるを、夜間に、庭か畑の周囲をまるく囲むようにひきずって1本線を描きます。この庭か畑の土は前もって庭師が念入りに耕してきれいに整地したものです。そして、このひきがえるを土鍋に閉じ込めて、この土地の中心に埋めます。タネ蒔きの時が近づいたら、事前に掘って捨てるか、ずっと離れた場所に移します。そこで(種を蒔いた後に)育つ植物が、不快な臭いをさせたり苦くなるのを最小にするためです。

エジプトやギリシャの農業の指南書には、月が半月か月齢が1/4の時(新月から半月に至る間)にタネを蒔けば、動物にタネを齧られたり噛まれたりせず、庭を這う敵の被害に会わないだろうと記されています。

この後、(ナポリの有能なパラディウス・ルティリウスが)種子と植物の両方について熱心に記したことは、偉人デモクリトスの物理実験を踏まえたものであることは忘れられているかもしれません。

(デモクリトスが言うところでは)10粒以上のタネを海またはEreuises川の水で満たしたガラス容器に閉じ込めます。これを外にぶらさげて、10日間、日に当てます。 そして、そにうち無傷のタネを土に埋めて、同じ水を8日間振りかけ、タネを湿らせておきます。この8日後(ルティリウスが指示したように)からあなたが望む時まで、その水を振りかけて育てます。 このような実験結果を見て、あなたは大いに驚くことでしょう。

これらのタネから芽生え、成長するには、タネを獣や牛に食べられないようにするだけでなく、そのほかのあらゆる這う敵が種子をかじったり噛んだりしないようにしなければなりません。このことについては、少し後の適切な章において、さらに述べましょう。

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