本章はチャービル、スマレージ(野生セロリ)、タラゴン、ガーデンクレソンと盛りだくさんです。
スマレージ(野生セロリ)は現代のセロリと姿もだいぶ違うようです。ここでのクレソンも「ガーデンクレソン」と書かれているので、私たちがよく食べるウォータークレソンとだいぶ違うのかも。
相変わらずごめんなさい、意味不明箇所がございます。
第2部17章 チャービル、スマレージ(野生セロリ)、タラゴンおよびクレソンのタネ蒔きや栽培に必要な技術と管理
[チャービル]
ハーブのチャービルは2 月、3月、4月、時には 8月や 9月でも、よく肥えた土に播種すれば、冬に収穫できます。 チャービルはうまく成長するまで頻繁に水をやれば、より繁茂します。
[スマレージ(野生セロリ)]
スマレージ(野生セロリ)のタネはよく耕された土壌で発芽させる必要があります。このハーブは石垣や厚い生垣近くの日陰でもどんな土地でもよく育ちます。
そして、このハーブは一度庭に蒔いたら、その後、人はそれを完全に取り除くことはほとんどしません。
庭師は、毎年タネから成長するように、茎を1つか2つ残しておきさえすれば、まったく雑草を除草しなくてもこのハーブは永遠に生えてきてくれます。
庭主は、2月の中旬または月末から 9月の初めまで、タネを蒔くことができます。
このハーブはパセリと同様の特性と長所を持っています。
[タラゴン]
庭のタラゴンは亜麻のようなタネをつけます。十分畜糞堆肥を施した土に蒔く必要があります。草丈が 1 フィート近くになったら、根の部分を掘り上げて同じ土に植え直す必要があります。植え直したら 強く根付くまで頻繁に水やりします。
タラゴンはロケットと同様に利用します。一部分または単独で食べるのではなく、レタス、パースレーンなどの葉野菜と一緒に食べます。
[クレソン]
ガーデンクレソンはオニオンのような酸味のあるハーブで、ドイツでは(多くの場所で)サラダによく使用されますが、これとマッチするレタス、ソレル、パースレーンなどの冷性のハーブといっしょでなければ食べないようです。 これら冷性のハーブはクレソンの燃焼力を和らげます。ちょうど有能な薬学者のガレンがレタスなしでロケットを食べることを禁じたように、反対の特性をもったハーブを組み合わせることで特性の偏りを和らげることができるのです。
このハーブは、小川や水路、井戸、泉のそばのような湿った場所に蒔かれるのを好みます。
(播種後)他に世話する必要はなく、毎日の水やりも省略できますが、これから育つ苗のために1日に少しずつ何回も水やりしたいところです。
クレソンの種子は (ルティリウスの意に従えば) レタスの栽培ベッドに一緒に播種すれば、非常によく育ちます。なぜなら、クレソンは湿気を好み、畜糞を嫌うからです。そして、クレソンを2月か 3月に日陰の場所に播種するとレタスに先立って適度に繁茂します。
チャービルおよびガーデンクレソンの薬効と治療法。
[チャービル]
チャービルは 3度の熱さと2度の乾燥気質をもつハーブです。すべての人がこのハーブを生で酢とあえて食べたり、だし汁(ブロス)で煮て食べたりします。
このハーブを飲み物で摂取すれば、尿を生じ、女性の出産予定日を押し下げます。ワインと一緒に潰して飲めば、脇腹の差し込みや痛みを軽減します。
これを水と蜂蜜で飲むと、痰が解消されるか緩み、腸の痛みが取れ、呼吸しやすくなります。
チャービルのジュースを酢と一緒に摂取すると、お腹の中の虫を殺します。チャービルを粉末にして蜂蜜と混ぜたものを潰瘍の上に塗れば、潰瘍を癒します。
このハーブをワインで煮て飲むと、腰の痛みや苦痛が和らぎます。
このハーブを丸ごと茹でて酢と混ぜて頭を洗うと、頭のふけが取れます。
同様に作ったものを処方すると、膿が出る痛みや口内炎が治ります。
潰した種子を飲み、かつそれで傷を洗えば、狂犬の咬傷を癒します。
チャービルの根を薬草のユキノシタと一緒に煮たものを飲むと、膀胱の結石が砕け、排尿を誘発します。
チャービルをワインで煮て飲むと、血液が溶けてこぶになるか、または体内で凝固します。
このハーブを潰し、ワックスと豚の脂で練り合わせて耳の後ろの膿瘍に塗布すれば、短時間で膿を溶解して治癒します。
[クレソン]
ガーデンクレソンは 3度の熱性と乾燥度をもっています。学識者のプラタリウスは、クレソンは熱く乾燥する性質を持ち、その度数は 4度であると述べています。
その種子は特に薬効があり、5年間優れた効果を発揮します。
このハーブの生葉は非常に効能があり、いくらか乾燥をもたらします。
その種子はマスタードシードと似た特性を持ち、余分な体液を温め乾燥させます。
種子を潰してワインに入れて飲めば、死産の子を排出します。
ワインと一緒に飲めば、精巣の腫れを鎮めます。
ハチミツと一緒に食べると、咳がおさまり、胸の苦しさがとれます。
種子を口の中でしばらく噛むと、舌の麻痺に効果があります。
クレソンだけを単独で食べても効果は望めません。その場合、人の力を弱め、悪い体液を生成するからです。このハーブは湿った土地の日陰に蒔かれるのを好みます。
タネ穴をとれば、危険や害なく頭の蒸留を抑制します(?意味不明です)。その種子を粉末にして鼻に吸い込めば、脳を浄化し、頭痛を和らげます。
クレソンの種子は麻痺に効果があり、ワインで煮て袋に入れて熱くして麻痺した人に当てます。
種子の粉末は患者のくしゃみを引き起こし、無気力または睡眠不足を改善します。
この種子を乾燥したイチジクと煮て作ったうがい薬は、緩んで垂れた口蓋を上げて乾かします。
頭の感染症、コブの腫れやダンドリー(?)に対しては、クレソンの種子をガチョウの脂と混ぜ合わせ、丹念にくだいて患部に何度も塗ります。種子の粉末をバラの油と一緒に塗れば、お尻の進行(痔?)を止めます。
ワインにこの種子を入れて飲めば、体内の丸い寄生虫や平らな寄生虫といった厄介な知らぬ間に寄生する虫を体外へ追い出しますが、それにミントを加えればさらに強力になります。オルガニエ(オレガノ?)を混ぜた甘いワインと一緒に何回も飲めば、呼吸が強くなり咳に対抗します。
山羊のミルクにこのハーブの煎じ薬を入れたものは乳房の痛みを和らげます。
これに大麦ミールと酢をまぜて痛む箇所に塗れば、腰の痛みや筋肉痛を和らげます。
クレソンをしばらくの間毎日食べると、より迅速な理解力と機知が得られるという報告があります。
この種子を袋に入れワインで煮て脇腹に当てると、不快な痛みを取り除きます。同様に、お腹に当てると冷えの進行による疝痛を取り除きます。
そのハーブを単純にワインとオイルで煮たものを当てれば、同様の痛みと有痛性排尿困難を抑えます。
弱った腎臓、頭から降りてくる痰物質の進行に対しては、背中にハチミツを塗ってクミンとコロフォニー(テレピン油を蒸留して得られる樹脂)を垂らして、一緒にこの種子の細かい粉末をまき散らします。
ある開業医は、蒸留したクレソンのジュースを耳に落とせば、歯のひどい痛みに届いて取り除くと報告しています。
この種子をワインで煮て飲めば、いちじくと合わせた軟膏を塗らなくても、精巣の腫れと苦痛を短時間で和らげます。
チャービルおよびガーデンクレソンの蒸留水の優れた特性。
[チャービル]
チャービルを蒸留すべき時期、すなわち、地上部と根および植物全体を細かく細断して蒸留するのは5月中旬が最適です。
チャービルの蒸留水は、朝と夕方に1回につき最大4オンスの量を飲むと、ヘルニアや深刻な落下によって受けた傷に効果があり、塊状に固まった血液を解消します。
これを飲めば、腎臓の結石に対して効果があります。これを大量に飲めば、一気にお腹が緩みます。
蒸留水を(上で述べたようにして)飲むと、胃の調子がよくなり、心臓が安定して安らぎ、熱による震えが収まります。これは頭を健康的または有益なものにし、感覚を和らげます。
このようにこの蒸留水を飲むことで、ひどい痛みや刺すような痛みを消し去り、肺や肺の病気を癒します。
[クレソン]
ガーデンクレソンの蒸留に適した時期は5月末で、錫の蒸留装置で蒸留します。
クレソンの蒸留水を蜂蜜と混ぜて、それを亜麻布に浸して患部に当てれば、はしかや耳の後ろの膿瘍に効果があります。それは乾いたら再び湿らせます。これにより赤い発疹が消えます。
はしかの症状が足に出た場合は、足首に血を流し、クレソンの蒸留水をストロベリーウォーターと混ぜて朝晩飲んでください。そして、あらゆる熱い肉を控えてください。
クレソンの蒸留水を朝晩、1回につき最大 4 オンスの量を飲めば、腫れを和らげ、お腹の虫を追い出します。これは潰瘍を軽減し、この蒸留水で歯肉を頻繁にこすれば歯肉の腫れが軽減されます。
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おまけ(My poor&lazy gardenの近況)
庭が草茫々のせいで24時間蚊に襲撃されるので放置していましたが、ようやく、日が明ける6時半から8時までは蚊に刺されなくなり、庭仕事できるようになりました(嬉)。どんどん気温が下がってきているので、読書も早く温床作りや促成栽培に移りたいのですが、まだハーブ類の解説が20章くらい残っています。まいていかねば(笑)。
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