静岡の高級マスクメロンはスリークォーター(4分の3スパン)ハウスで生産されていて、新幹線からも見ることができましたが、今でも見かけるでしょうか?栽培が大規模化してフェンローハウス(比較的幅の狭いスパンの多連棟両屋根ハウスで軒高いタイプ)に置き換わっているのでしょうか?
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881)
栽培温室
スリークォーター(4分の3スパン)ハウス
これらはよく「ハーフスパン」と呼ばれることがありますが、「半スパン」は正確には立て掛け式に相当します(立て掛け式は両屋根ハウスをちょうど半幅で切って切断面を壁にしているから)。
したがって、屋根の片面がもう一方の屋根面よりも幅広い、幅長の違う屋根面を持つことを表すには、4分の3スパン(スリークォーター)ハウスとした方が適切な表現です。 添付の図は、通常の 4分の3スパンハウスの 1 例を示しています。
スリークォーターハウスは次のような場合に有用です。:
—後壁を適度に低くしたい場合。
—垂木の長さを最も長くする必要がない場合。
—単独で、または他のハウスと組み合わせて、背面から光を取り込むことが望ましい場合。
—幅を変更したり、既存の後壁を必要以上に高くしたりせずに、屋根に特定の傾斜をもたせたい場合。
—立て掛け式ほど屋根の頂部を高くせずに暖房熱を節約する必要がある場合。
—立て掛け式ほど後壁を高くしたくないが、鉢植え小屋、道具小屋、キノコ小屋などの壁を利用して簡単に片側を寒さから保護したい場合。
4分の3スパンハウスは立て掛け式ハウスとほぼ同じ条件の場合に適用でき、両屋根ハウスのセクションで述べた注意が4分の3スパンハウスにも当てはまります。
最適な4分の3スパンハウスは南向きです。立て掛け式ハウスと同じ量の太陽の光を受け取るだけでなく、さらに立て掛け式が受光できない部分も受光できますから。つまり、太陽が東北(東よりやや北側)から昇る時間と西北(西よりやや北側)に沈む時間の全ての太陽光線、すなわち日が長い季節の早朝と日暮れ前の太陽光を受光できるということです。
立て掛け式ハウスと同様に、南向きの4分の3スパンハウスで北は壁が近くにあって寒さから守られている場合、同じ寸法の両屋根ハウスよりも暖房が容易です。
屋根の両面の勾配が同じならば、屋根の面積は、同じ長さ、幅、勾配の立て掛け式ハウスあるいは両屋根ハウスと全く同じ面積となります。
4分の3スパンハウスは、上部の換気口を見えないようにしたい場合や、建築効果をねらって装飾的な棟にしたい場合、あるいは、できるだけ立て掛け式ハウスの屋根形状に近づけたい場合に非常に便利です。
他のハウスと組み合わせたり、何らかの特別な目的がない限り、4分の3スパンハウスは一般的に見苦しいと思われるかもしれません。(西洋的には非対称は好ましくないと感じられる??)
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